アジア選手権ロードレースは、WSS600をメインクラスに、CBR250Rアジアドリームカップ(=ADC)、アンダーボーン130、スズキアジアンチャレンジとともに、AP250=アジア・プロダクション250も行なわれています。APは、JP250=ジャパン・プロダクション250のアジア版(っていうかAP250の方が先にできたんですけど・笑)で、つまりは改造範囲をごくごく狭くして、CBR250R、YZF-R25、Ninja250のどれが強いか!っていうレースです。
日本からは、初代チャンピオンの山本剛大、田中歩(トリックスター/Ninja)、南本宗一郎、仲村優佑(アケノスピード/YZF)、高杉奈緒子(ONE for ALL/YZF)、檜山拓実(T.Pro ホンダ NTS/CBR)がフルエントリー。2017年にスタートするWSBKの250クラスともいえるWSS300に直結したクラスといえそうですね。
第4戦インドネシアを終えて、ランキングトップはアピワ・ウォンタナノン(ヤマハタイランド/YZF)。4戦8レースで6勝、しかも第3戦鈴鹿でも、地元ライダーであり、昨年度チャンピオンでもある山本剛大を抑えきってWウィンを果たしたライダーです。

画像: 鈴鹿大会でも#1山本と#24アピワがずーーーっとトップ争いでした(写真は第3戦鈴鹿)

鈴鹿大会でも#1山本と#24アピワがずーーーっとトップ争いでした(写真は第3戦鈴鹿)

2016最強250ccスポーツはYZF-R25!

初代王者・山本は、8レースで2勝、2位3回。開幕戦マレーシアと、第2戦タイのレース1の取りこぼしが響いて、アピワに続くランキング2番手。今シーズンはこのふたりしか優勝していなくて、まさにこのふたりが抜きん出ている、そんな感じです。毎レース、終盤にはグッチャグチャになるトップ争いなんだけど、最終的にはアピワかタケヒロが前に出る、つまりふたりがそれだけ抜きん出ているんです。
そしてこのインド大会でも、アピワが速かった! 特に1.2kmのロングストレートがあるブッダF1サーキットでは、YZFのトップスピードはずば抜けていて、山本のNinjaはスリップにギリギリつけても差を詰められない、そんな展開が続きました。

画像: これはまだスタート直後。それでもトップ争いは10台ほどでの大バトル!

これはまだスタート直後。それでもトップ争いは10台ほどでの大バトル!

画像: レース1、山本はタイミングばっちりでトップに出るんですが……

レース1、山本はタイミングばっちりでトップに出るんですが……

レース1は10台くらいがキツキツに絡みあうトップ争いがずーーと続いて、ラスト3周くらいに山本がトップに浮上! 仕掛けのタイミングもばっちり、このまま逃げ切れ―!と思ったら、抜きどころの多い広~いコースで、ラスト2周目のS字でスパッとインに入られて集団に飲まれると、今度は田中がトップに立つんだけど、田中が一瞬のミスで失速したところをスパッと抜かれて、アピワとアヌパ・サルムーンの2台のYZFに先行され、飲み込まれつつあった集団から抜け出した山本が3位フィニッシュ! 田中はほんの半周前にトップに立ってたのに、終わってみれば10位でした。もう、それくらの激戦!
レース2では、山本が序盤2周目にトップに立つも、一瞬のミスか、失速して10番手あたりまでポジションダウン。トップグループは15台くらい(!)の大集団で、この中から田中が転倒で姿を消してしまいます。山本はファステストラップをマークして、一時5番手くらいまでポジションを上げるんですが、マシントラブルが発生し、そのままリタイヤ。3周目に失速してポジションを落としたのも、トラブルの兆候が出ていたんでしょうね。この時点でアピワのチャンピオンが決まってしまいました。

画像: ただ速いだけじゃない、#24アピワはポジション取りもペース配分も上手い!

ただ速いだけじゃない、#24アピワはポジション取りもペース配分も上手い!

画像: アピワは22歳、去年のランキングは3位でした。CHAMPIONの文字、手書きやないかw

アピワは22歳、去年のランキングは3位でした。CHAMPIONの文字、手書きやないかw

アピワはこれで、5戦10レースで8勝を挙げて2代目チャンピオンを獲得。山本を除いてランキング1位から6位までみんなYZF-R25です! YZFは、ヤマハのサポートもきちんとしていて、すっかり最強マシンですね。ここに来年はCBR250RRが絡んでくるのかな、いやレギュレーションどうなってんだっけな、CBR出られるんだっけな、確認しときます。

CBRドリームカップは中村が第5代チャンピオンに!

画像: 同じカラーリングのCBR250R、RSタイチのツナギもおそろいのライダーがキツキツのバトル。中村は#2

同じカラーリングのCBR250R、RSタイチのツナギもおそろいのライダーがキツキツのバトル。中村は#2

画像: 中村は第3戦鈴鹿大会でもズバ抜けたスピードを見せていました。写真は第3戦鈴鹿なのでゼッケンが違います

中村は第3戦鈴鹿大会でもズバ抜けたスピードを見せていました。写真は第3戦鈴鹿なのでゼッケンが違います

そのCBRですが、現行のCBR250R(単気筒)のワンメイクで行なわれているアジアドリームカップ(=ADC)で、中村大輝(なかむらひろき)が5戦10レースで6勝を挙げ、チャンピオンを獲得しました。4戦を終えて、ランキング2位のハフィズ・アズマン(マレーシア)に63Pをつけていたため、インド大会が終わって50P差がついていればタイトル確定!というレースだったんです。
その中で中村は、レース1で優勝を飾り、そのレースでハフィズが5位に終わったため、この時点で77ポイント差がつき、チャンピオンを決めてみせました。レース2は、トップ争いの集団にいながら、最終ラップに転んじゃったけれど、タイトル決めたから完走すればいいや、って気持ちが微塵も見えない攻めのレースが良かったねぇ。
2012年からスタートしたADCは、大久保光(=現WSSP)、尾野弘樹やカイルール・パウィ(現世界選手権Moto3)らがチャンピオンを獲って世界へ進出しただけに、中村も次のステップに進みそう、うまく進めるかな。17歳の中村、2015年のADCでランキング2位、今年はチャンピオンと、キッチリ結果を出しましたからね。おめでとう!
これで12月の最終戦はWSS600のチャンピオン争いに集中して観戦できそうですね!

This article is a sponsored article by
''.