勝ったのはヤマハファクトリーの中須賀克行 選手!

鈴鹿2&4レース、JSB1000クラスの決勝が終わりました。勝ったのはヤマハファクトリーの中須賀克行! 昨年のここ鈴鹿での開幕戦で、ヨシムラスズキの津田拓也に敗れて、1年ぶりのリベンジを果たしました。

画像: 中須賀克行 選手(ヤマハYZF-R1)

中須賀克行 選手(ヤマハYZF-R1)

画像: 勝ったのはヤマハファクトリーの中須賀克行 選手!

スタートはル・マン式。ポールポジションの中須賀は、順調にマシンに駆け寄って、エンジンもすぐにかかったんですが、クラッチミートあとにうまく加速できずに出遅れ。1コーナーを10番手あたりで通過。あぁぁやっちゃった…と思ったんですが、本人はいたって冷静だったようです。

「去年の8耐もエンジン始動に手間取って大きく遅れちゃったんで、今回はそんなに置いていかれなかったし、わりと落ち着いてました」と中須賀。レースは高橋巧(ハルクプロホンダ)がホールショット、次に柳川明(チームグリーン)が、その次には津田がトップに立つという展開。そのまましばらく津田がトップを走り、中須賀、柳川が後方につけて、この3人が逃げる展開。しかし、14周目に満を持して中須賀がトップに浮上! 周遅れが出てくるタイミングで前に出て、そのまま引き離してしまおう、と考えていたようで、その通りの展開になりました。「前半はトップを走っていたって言うより、前を走らされていた、って感じです。レースを完全に中須賀さんにコントロールされてました」と津田は悔しそう。そして今回のレースは200Km耐久ということで、各チームは義務付けられているピットへ。ここから後半を迎えます。 

画像: 1周目 #634 高橋がホールショットから逃げを打ちますが…

1周目 #634 高橋がホールショットから逃げを打ちますが…

画像: 2周目は#87柳川がトップへ 高橋、ペースが上がりません

2周目は#87柳川がトップへ 高橋、ペースが上がりません

画像: 3周目には#12津田がトップへ #1中須賀はここでようやく4番手へ

3周目には#12津田がトップへ #1中須賀はここでようやく4番手へ

画像: 中須賀はすぐに2番手まで上がって、津田の背後にピタリ

中須賀はすぐに2番手まで上がって、津田の背後にピタリ

画像: 中須賀は津田を前に置いたまま周回を消化 ペース配分を作りながら津田の走りを見つつ、タイヤもセーブしていたのでしょう

中須賀は津田を前に置いたまま周回を消化 ペース配分を作りながら津田の走りを見つつ、タイヤもセーブしていたのでしょう

画像: ニューマシンZX-10Rを得た柳川も、前のふたりをピタリとマーク このまま3位表彰台を獲得しました!

ニューマシンZX-10Rを得た柳川も、前のふたりをピタリとマーク このまま3位表彰台を獲得しました!

そして各チームはピット作業へ…

上位陣で最初にピットに入ったのは18周目終わり、ヨシムラスズキの津田。次いで中須賀が19周目、柳川は少し引っ張って20周目でした。ここまでのタイム差は、トップ中須賀から津田まで約5秒、そのすぐ後ろに柳川、といったポジションでした。

ピット作業はさすがヨシムラが鮮やかで、中須賀は確実に時間かけて、という感じ。柳川は、先に入った渡辺一樹がちょっと手間取っていたのに対し、順調にピット作業を終了していました。中須賀はあわてなくても5秒のマージンがありましたから、あわててミスしてもしょうがないもんね。
ほぼ全チームがピットアウトした後の22周目あたりでは、中須賀から津田まで約6秒、津田から柳川まで約6秒、柳川から4番手の野左根航汰が約7秒ほど。

後半戦は、中須賀もペースを抑え気味(に見えました)で、2番手との差を常に6秒くらいでキープ。結局、この差はほとんど変わることなく、30周を終えた時点で、最終コーナー立ち上がりで転倒、その場所が走行ラインに近かったことから赤旗が提示され、そのままレースは終了。
中須賀、津田、柳川の順でレースは終了しました。

■暫定決勝結果■
①中須賀克行(ヤマハYZF-R1) 1H03.03.694
②津田拓也(スズキGSX-R1000) +7.544s
③柳川明(カワサキZX-10R)   +15.416s
④野左根航汰(YZF-R1)     +31.587s
⑤山口辰也(ホンダCBR1000RR) +40.828s
⑥加賀山就臣(GSX-R1000)   +44.064s
⑦高橋巧(CBR1000RR)     +45.158s
⑧渡辺一樹(ZX-10R)      +55.363s
⑨渡辺一馬(CBR1000RR)    +1.03.508s
⑩今野由寛/ジョシュ・ウォーターズ(GSX-R1000)+1.13.157s

【全日本選手権ロードレース】JSB1000クラス決勝 コメント集

画像: 中須賀克行 選手

中須賀克行 選手

中須賀克行 選手コメント

まず、今年に入って「全勝優勝したい」って目標を高く掲げて、自分にもプレッシャーかけて、ウィークに入ってからもちょっと硬くなってましたね。決勝も、風が出てきて路面温度も下がって、バランスもリズムも取りにくかった。木曜から、ペースを上げるとタイヤの消耗はげしくて、決勝35周と長かったんで、序盤でちゃんとマネジメントしなきゃ、と思ってました。

津田くんとは、速い場所と遅い場所が違ったんで、勝負どころは、周遅れが集団で見えたとこで仕掛けようと思ってて、思ったように前に出られたし、周回遅れを使ってマージン広げようと、それもうまく行きました。ピット作業も、ピットアウトの時に誰かが入ってきたら、そっちを優先しなきゃいけないとか、そういうところまで想定して、結局そういう局面はなかったんですが、レース全体をうまくコントロールできたかな。

こいういうレースすると、楽勝だって言われるけど、みんながみんな勝ちを狙ってるんだし、そんなに簡単じゃない。絶対はない、なにがあるかわかんないのがレース。勝てるのはひとりだから、そうなれるように努力もしてます。開幕に照準あわせて、みんな一生懸命やってますからね。

特に耐久はいろんな要素がある。ピット作業もそうだし、セーフティカー出ることもあるし、スプリントと違って、だからホントはセミ耐久きらい(笑)。誰が速いんだ、が一番シンプルで面白いと思うんだけど。スプリントなら、もっと高い次元で走れるし、35周だと全力では走り切れないしね。ライダーとして100%走れるのはスプリントだよね。スタートは、始動性にちょっと難があって、でも今回はうまくエンジンかかって「あ、かかった!」ってびっくりしちゃって、加速でぎくしゃくして、遅れちゃった。スタート遅れは去年の8耐でもやったし、あれほど離されなかったから落ち着いてました。

今回のレースは、ウィークに入る前に九州に地震があって、だからこそいい結果が出せてよかった。九州は地元だし、今も福岡に住んでますし、バイクファン多いし、元気づけられる報告できてよかったです。もてぎまでちょっと空くけど、いい結果を発信できて元気づけられたかな。
このまま流れに乗って、宣言通り、全戦全勝目指したいですね。

津田拓也 選手コメント

序盤、トップ走ってたというか、走らされてたというか、いいかんじにコントロールされてしまったレースでした。中須賀さんに前に行かれた時は、シケインで抜き返しに行ったんですが、気持ちだけで行ってしまって、3位に落ちて差が開いてしまった。もっと冷静に抜きに行けばよかったです。
2位でシーズンに入ったことは、まぁ悪くはないんだけど、ちゃんと自分の悪いとこが見えたので、もっと冷静に勝負にいって勝てるように、チームと分析して取り組んでいきたいです。

画像: 津田拓也 選手コメント

柳川 明 選手コメント

スタートでうまく前に出られて、1回トップにも立ったしね。後ろ(4番グリッド)からトップにも立てて、気持ちよかった。3番手を走っていて、前のふたりの走りみて、すごいことやってるなぁ、と。中須賀くんはスゴいね、津田くんは根性でいった。シケインでいいもの見せてもらった、声出てたろ、あれ(笑)

ニューマシンは、とにかくトッスピード出てました。でもあんまり速いと、今度は止まらなくなっちゃうから、気をつけながらね。まだニューマシン特有の、まとまってないところもあるよ。結局、レースは赤旗で35周は走ってないけど、8耐の1スティントくらい? いいレーニングになったかな。
今日みんなと話してて、もうみんな、「200km耐久」ってあんまり走ってないのね? おれプロトタイプで走ったとき、1回勝ってるよね? 章典外だったけど。みんな200kmしらないのね、300kmばっかで。今回いちばんいびっくりしたことでした。

開幕としては、表彰台も上がれたし、まぁよかった。ニューマシン、3番じゃダメだよね、ふたり、いやもっとやっつけないと。新型特有のデータない状態、決勝を走って「ここ、こうしなきゃ」って、30周分のデータはできたわけだから、それ分析して、まずもてぎにつなげないと。
ストレート速いでしょう。307km/h、去年とおなじくらいでも、スピードのノリが早い、加速が速い。あとは電気とかね、今年は電スロなんで、そこが武器なんだけど、制御をうまく使いこなせてない。人間も慣れないよね、おじさんは。も少しデータ詰めて武器にしたいよね。もう少し走って欲しいときに制御入ってきたり、まぁ詳しくは言えないけどさ(笑)。バイクがいろいろやってくれてる。あれに慣れないと! いまどきのマシンにね。

画像: 柳川 明 選手コメント

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