タイヤトラブルで波乱の幕開け!

波乱のアルゼンチンGPが終わりました。開幕戦がナイトレースだったことで、新レギュレーションで初となる日中のレース。残念ながら、決勝前に波乱が起きてしまいました。

それは、土曜のFP4でのこと。走行していた#45スコット・レディング(ドゥカティ)のマシンの破片が一瞬でバラバラッとコース上に散乱! レディングはコースアウトして転倒こそしませんでしたが、マシン破損の原因はタイヤの剥離!写真で見るに、外周がちょうどはがれるようにラバーが壊れて、そのかけらがマシンを直撃、特にリア回りを破壊したのでした。

画像: フリー走行中のS・レディング選手。

フリー走行中のS・レディング選手。

これでレースディレクションとタイヤサプライヤーであるミシュランが協議し、今回持ち込んだタイヤを使用停止とし、新スペックのタイヤを緊急投入。しかし、これも各チームとも使用データがないことから、日曜朝に走行時間を追加します、と発表。しかし、日曜はよりによって雨!問題となったのはスリックタイヤですから、レインじゃテストできないじゃん、と対応策を協議。それによって、MotoGPは周回数を25周から20周に短縮し、フラッグtoフラッグを適用する、と発表されました。
つまり、レース中に一度はピットインせよ、ということ。周回数が9周目から11周目にピットに入って新タイヤを装着したマシンに交換しなさい、ってことでした。

思い出しますね、2014年のオーストラリアGPでもこんなルールでした。あの時はマルク・マルケスがピットインタイミングをミスって失格になったのでした。日曜朝、雨のウォームアップ走行では、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)がトップタイム。このイアンノーネが、のちにレースの主役になるとは、誰が想像しえたでしょうか…。

画像: タイヤトラブルで波乱の幕開け!

終わってみればマルケス独走! ランキングもトップに!

夜半に降った雨は朝イチにはやみ、雨は降っていないけれどウェット路面での決勝日。MotoGPクラスの開始時刻には路面はほぼドライながら、あちこちにウェットパッチが残る、そんなコンディションでした。スタートで飛び出したのは、開幕戦ウィナーのホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。マルク・マルケス(ホンダ)にアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)がトップグループを形成。その後ろにスルスルスルッとマーベリック・ビニャーレス(スズキ)があがってきます。むむ、やるなマーベリック!

画像1: 終わってみればマルケス独走! ランキングもトップに!

ここからロレンソが後続を引き離し……がいつものパターンなんだけれど、そううまくことは運ばず、ロレンソはジリジリと後退。それどころか5周目には転倒し、リタイヤしてしまったのです!
トップグループはドビツィオーゾを先頭に、マルケス、ロッシ、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)、それにビニャーレス。ここからマルケスとロッシが抜け出し、昨年のアルゼンチンGPの再現のように、マルケス×ロッシのトップ争いとなりました。
と、このあたりで全車ピットインのタイミング。大きな混乱なくマシン交換を終えたものの、例によってジャンピングマシンチェンジでリスタートしたマルケスがぐいぐいとペースを上げ、ロッシとの差をジリジリと広げていきます。

画像: #93 M・マルケス選手のジャンピングマシンチェンジ。

#93 M・マルケス選手のジャンピングマシンチェンジ。

ロッシはペースが上がらず、3番手を走るビニャーレスにも追いつかれ、明らかにピットイン前のペースを再現できないでいたようです。すると、ビニャーレスが残り3周で転倒! 4番手のイアンノーネにプッシュされ、金曜から転倒の多かった、魔の1コーナーの餌食になってしまいました。あぁぁぁ、って地球上のスズキファンのため息が聞こえたようでした。2位まで見えてたなぁ…。

画像2: 終わってみればマルケス独走! ランキングもトップに!

マルケスは独走。ロッシ×イアンノーネ×ドビツィオーゾの2番手争いで、ロッシは2台のドゥカティに先行されて4番手へ--。おぉ、ドゥカティが2台表彰台にあがったか!と思われたラストラップ、最後からふたつ目のコーナーで、先行する先輩ドビツィオーゾのインをついたイアンノーネが転倒!そのまま外側のドビツィオーゾをなぎ倒して2台のデスモセディチがいなくなっちゃった!
これで2位にロッシが入り、3位にトップ争いから30秒近く後方を走っていたダニ・ペドロサ(ホンダ)。2台のドゥカティのうち、ドビツィオーゾはすぐにマシンを起こして再スタート、エンジン再始動できないと見るや、マシンを押してゴールラインを越えてポイントを獲得しました。

画像: マシンを押してゴールしたドビツィオーゾ選手。

マシンを押してゴールしたドビツィオーゾ選手。

そのころ、「加害者」イアンノーネはヘルメットを脱いで「まいったなぁ」って顔がTVに映し出されてましたね。これはイカン。参ったなぁ、はおまえちゃうぞ、ドビ先輩やぞ、って思いましたね、ええ。これでポイントランキングは①マルケス41p②ロッシ33p③ペドロサ27pとなりました。
波乱続きのアルゼンチンGP。レース後に「向こう3年間の開催契約」を発表したのが、なんだかなぁ、って感じでした(笑)。もちろん、アルゼンチンに非があるわけではございません^^

(写真/motogp.com、SUZUKI)

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