6月13日(土)、コロラド州にあるサンダーバレー・モトクロスパークで、2026 AMAプロモトクロス選手権第3戦が開催された
注目ポイント
・下田丈、3-2の総合で今季初優勝
・Moto2のスタート直後に起きたハマカーとキッチンの接触
・クーネン兄弟がAMAデビュー。兄ルーカスは450で総合2位、弟サシャは250でMoto2を制す
photo:© 2026 MX Sports Pro Racing
下田が好スタートで両ヒート表彰台
タイムドクオリファイでは、コール・デイビスが1位通過、2位にはFIMモトクロス世界選手権(MXGP)からのスポット参戦で注目を浴びるサシャ・クーネンが入り、下田は9位通過となった。

Moto1はセス・ハマカーがホールショットを獲得。チームメイトのリーバイ・キッチン、ニック・ロマーノが続き、カワサキ勢が上位を固める展開となった。下田は好スタートを決めたものの、1周目のミスによりポジションを落とし追い上げを強いられる。しかし、着実にポジションを上げていき、レース終盤にマイケル・モシマンをかわして3位に浮上。そのまま表彰台を獲得した。
Moto2では1コーナーでハマカーとキッチンが接触。両者の転倒に複数のライダーが巻き込まれる大クラッシュが発生した。ランキング上位2人がいきなり最後方に沈む波乱の展開となるなか、スタートで抜け出したサシャが先頭を独走。一方、下田も上位につけると、ロマーノと表彰台争いを繰り広げる。数周にわたる接戦の末にロマーノをかわして3番手に浮上。その勢いのまま前を走るライダー・ディフランシスコも抜き去り、2位でゴールを果たした。結果はサシャがスタートからトップを譲らず優勝を獲得。2位下田、3位にディフランシスコが入賞し、下田は3-2で今季初の総合優勝を手にした。

下田丈「スタートで前に出ることが必要でした。第1ヒートで体力を使いすぎてしまったので、第2ヒートでの余力が少なくなってしまい、まだ改善すべき点はたくさんあるけど、それでも勝てたし、オフシーズンの首の怪我から(優勝できない時期が続いていたので)復帰してのこの勝利は、本当に意味があるものです。この勢いを続けていきたいです」
なお、ポイントランキングはキッチンとハマカーが同点でトップに並び、下田は上位2人から6ポイント差で3位。第2戦終了時点では5位だったことから、その差を大きく縮めたレースとなった。
【ポイントランキング(第3戦終了時)】
1位 リーバイ・キッチン:117pt
2位 セス・ハマカー:117pt
3位 下田丈:111pt
4位 ジュリアン・ブーマー:104pt
5位 ニック・ロマーノ:96pt
Thunder Valley 2026 | Pro Motocross 250 Class Highlights
youtu.beジェット・ローレンスが連勝でランキングトップに

450クラスでは、ジェット・ローレンスが両ヒートホールショットからそのまま逃げ切る盤石な走りで総合優勝を獲得した。Moto1ではハンターとヘイデン・ディーガンとの激しい三つ巴のバトルが展開されたが、両者を抑えてトップでゴール。一方、ハンターとディーガンはレース終盤のトラック外走行によるペナルティの裁定が下され、ハンターは3位から4位、ディーガンは4位から11位にそれぞれ降格した。Moto2ではルーカスも好スタートを見せてジェットの後を追うが、最終的にジェットが約9秒の差をつけてゴール。結果、総合順位は1位ジェット、2位ルーカス、3位ハンターという順位になった。なお、今大会を終えて、ジェットが前戦を含めて4連勝を達成しポイントランキング1位に浮上した。
【450クラス ポイントランキング(第3戦終了時)】
1位 ジェット・ローレンス:138pt
2位 ハンター・ローレンス:130pt
3位 ヘイデン・ディーガン:106pt
Thunder Valley 2026 | Pro Motocross 450 Class Highlights
youtu.be双子のクーネン兄弟がAMAデビューで実力を証明
今大会の大きな話題のひとつが、ベルギー出身の19歳、ルーカス・クーネンとサシャ・クーネンのAMAプロモトクロスデビューだ。2人は双子の兄弟であり、FIMモトクロス世界選手権でルーカスがMXGPクラス、サシャがMX2クラスのポイントリーダーとしてレースを牽引している。MXGPもシーズンの最中ではあるが、レースが無い週を利用してAMAデビューを果たした。

#104 ルーカス・クーネン
450クラスに出場したルーカスは、金曜のフリープラクティスから徐々にペースを上げ、タイムドクオリファイで2番手タイムをマーク。Moto1ではジェット・ローレンスの背後1.4秒差まで詰め寄り、Moto2も2位でまとめて2-2の総合2位。初のAMAで世界チャンピオン候補の実力を見せつけた。

#109 サシャ・クーネン
一方、250クラスに出場したサシャはMoto1で転倒に見舞われ14位と苦しんだが、Moto2ではホールショットから一度もトップを譲らず圧勝。「アメリカに来られたのが夢みたいで、それが現実になった。Moto2はスタートが良くて、完璧なレースができた。Moto2で優勝できたことは大きな自信になった」と振り返った。両者ともに、7月12日に開催される第6戦サウスウィックへの参戦も予定しており、再びAMAファンの注目を集めるだろう。
次戦は6月20日(土)、ペンシルベニア州にあるハイポイント・レースウェイにて開催される。
追記(6/17):下田丈レース後インタビュー
──総合優勝おめでとうございます。第3戦、改めていかがでしたか?
下田:最初の2戦に比べてペースもだいぶ上がってきています。1ヒート目はクラッシュがあって追い上げる形になりましたが、自分自身のスピードが上がっている分、追い上げてなんとか2ヒートとも表彰台でまとめることができました。前進しているのは間違いないですね。チームとしても、去年から総合優勝を1回も獲れていなかったので、まずは一勝できて空気感もいいですし、チャンピオンシップ的にも、始まったばかりですがトップに近い位置につけているので、流れは悪くないんじゃないかなと思います。
──追い上げの強さがさらに増している印象でした
下田:本来は前の方でスタートして、すぐにアタックできるポジションにいたいんですが、スタートが改善しきれていないので、レース展開的にも追い上げる形になっています。
──スタートに苦戦している要因はどのあたりでしょうか?
下田:自分自身ももう少し改善できる点がありますし、バイクももっと引き出せる部分があると思っています。スタートであと少し前に出られるだけでトップ10からトップ3くらいの位置につけられると思っているので、少しずつ積み重ねて前に行けたらと思っています。
──開幕戦から話していたサスペンションの調整は合ってきましたか?
下田:サスペンションについては、ここまでは仕様変更が多かったので、微調整というよりも基本となるサスペンションのセットアップをしきれていない状態でした。先週のレースを終えて、やっと方向性が完全に定まりました。振り幅がだいぶ狭くなってきたという印象ですね。
──方向性が定まってきたことで、走り自体も安定してきた感じでしょうか
下田:250ccはチューニングというよりも、バイクが遅い分毎回その性能を最大限に引き出さないと難しくて。100〜110パーセントのペースで毎回乗らないとバイクを前に進められないし、結構ギリギリのところでプッシュしているので、方向性が定まって、バイクがどういう挙動になるか読めるというのは、ライダー的にも結構助かりますし、安心感はあります。スタートと同じように、少しずつアップデートしていけたらと思います。
──ヒート2のスタート直後、大きなクラッシュがありましたが、あれはどう見ていましたか?
下田:自分自身がもっと前に出ていれば突っ込んでいけるんですが、真ん中あたり(ミドルパック)にいると、左右に動く幅もないですし、だいぶ警戒して入っていきました。ストレートで前に出られなかった分、1コーナー目でライダーとあまり接触せずにすり抜けることを意識して走っていたいつもより少し早めにブレーキングしたので、1コーナーでのクラッシュにも巻き込まれず、結果的によかったのかもしれないです。
──スターティンググリッドの選択も影響しますよね
下田:大きいですね。若い選手も多いですし、スタートで頭が真っ白になるライダーも結構いると思うんです。誰の横に並ぶかというのも重要で、難しいところです。ホールショットを確実に狙える状態になれば、ゲートオプションももっと幅広く考えられるんですが、今はスタートで前に出るのが難しいとわかっているので、グリッド選びもシビアに考えています。
──ポイントランキングで上位を争うライバルたちに対して意識していますか?
下田:正直、今のところはあまり関係ないですね。自分との戦いというか、いっぱいいっぱいな部分もあります。後半戦でポイントが近かったらアタックしてもいいと思いますが、現時点ではまずは着実に改善して、結果をまとめることを意識してレースしています。スタートで前に出ればヒート優勝もできると思っているので、着実にアップデートしていきたいと思います。


