※この記事はウェブサイト「HondaGO バイクラボ」で2025年12月3日に公開されたものを一部抜粋し転載しています。
まとめ:宮﨑健太郎/写真:南 孝幸
(初出:月刊『オートバイ』2025年11月号)
伊藤真一(いとうしんいち)
1966年、宮城県生まれ。1988年、国際A級に昇格と同時にHRC ワークスチームに抜擢される。以降、世界ロードレースGP(MotoGP)、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。2025年は監督として「Astemo Pro Honda SI Racing」を率いて、全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐などに参戦した。
新しくなるたびに進化するゴールドウイングの操安性

今回のゴールドウイングツアー50周年記念車の試乗は、とても楽しみにしていました。というのも、実は自分自身が欲しいと思っているモデルだからです。周囲にゴールドウイングのオーナーはいませんが、長年ホンダのフラッグシップとして君臨してきたモデルであり、いつかは所有してみたいと憧れていました。
私はあと20年ほどはバイクに乗り続けるつもりですが、その頃には78歳になります。フラッグシップモデルですから走りや仕上がりも上質で、長く所有しても満足感が色褪せることはないでしょう。さらに50周年記念車のボルドーレッドメタリックのカラーリングも、自分の好みにぴったりでした。
現行型はフロントにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用しています。初期型の2018年モデルを試乗したときには、高速道路での優れた安定性に強く感心しましたが、ワインディングでのハンドリングは、それ以前のテレスコピックフォーク搭載モデルに比べるとスポーツ感に欠ける印象でした。
しかし、この連載でたびたびゴールドウイングに触れてきた中で、モデルの熟成が進むごとにハンドリングが確実に改善されていく印象を抱いていました。そして今回の50周年記念車では、それがさらに一段と良くなっていると感じました。


