まとめ:松本正雅
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イタルジェット「DRAGSTER 459 TWIN」の概要

ITALJET
DRAGSTER 459 TWIN
EICMA2025参考出品車
大型ウイングレットまで備えたフルカウルに極太の倒立フォーク、アクラポヴィッチのエキゾースト…そう聞いたら、誰もが本格的なスーパースポーツを連想することだろう。
イタルジェット自慢の過激なハイパフォーマンススクーター、ドラッグスターは、そんなスーパースポーツ顔負けのメカニズムを誇るシリーズ。2024年のEICMAでは700ccの2気筒エンジンを積んだモンスターマシン・DRAGSTER 700 TWINを発表し、実際に限定販売もされたが、今回登場した459 TWINもその流れを汲んだ構成となっている。

前半分だけ見たら、どこからどう見てもスーパースポーツに見えるスタイリングはインパクト十分。サイドには大きなウイングレットを備え、フロントマスクもかなり戦闘的だ。

エンジンは449ccのパラレルツインで、最高出力は46.9HP/9500rpm、最大トルクは30.2lb-ft(4.18kg-m)/8000rpmを発揮。これをトレリスフレームにマウントし、フロントサスには極太のマルゾッキ製倒立フォークを採用、リアショックもマルゾッキ製で、車体左サイドにリンクレスでマウントされる。装備はもはや本格スーパースポ―ツなみだ。

エキゾーストはアクラポヴィッチ製のアップタイプ・左右2本出し。前後ホイールは15インチで、タイヤはフロント120/70、リア150/60のピレリ製「ディアブロ・ロッソ・スクーター」を履く。スイングアームはガッチリしたアルミ製、後輪の駆動はチェーン式だ。

リアショックとは反対側の車体右サイドにはリアショックのマウント部であるエンドアイとリアフレームをつなぐ謎のリンクとロッドが。これは 「ISAS (Italjet Stiffness Adjustment System)」と呼ばれる独自の機構で、走行するシチュエーションや好みに応じて、ライダーがダイヤルを回すことで、リアサスペンションの剛性をファインチューニングできる、というもの。もはやスクーターの域をはるかに超えた装備だ。


そしてこの459のハイライトが新採用の「SmartShift (Intelligent Automatic Transmission) 」トランスミッション。ATモードとMTモードが選択可能で、MTモードはハンドル左下のスイッチボックスにあるパドルを使って変速も可能。シフトチェンジを駆使してワインディングやサーキットでのスポーツランを存分に堪能できる。

数々の高級パーツで組み上げられ、メカニズムの武骨感をむき出しにしたスタイルはイタルジェットならでは。走りのポテンシャルの高さを誇らしげにアピールするかのような、強烈なオーラを放つ1台だ。
この「DRAGSTER 459 TWIN」は2026年3月以降にグローバル展開される予定で、価格は9900ユーロ(約175万3661円)。もはやミドルスーパースポーツを超える価格帯だが、ズバ抜けたハイメカニズムとパフォーマンス、何より他に類を見ない存在感を考えれば、決して高くないのかもしれない。国内導入があるかは不明だが、今後が楽しみなマシンだ。
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