中国・重慶で開催されたモーターサイクルショーで、KOVEの新型デュアルパーパスMX450 DUAL SPORTが初公開されました。EURO5+対応で公道登録を視野に入れた450ccクラスの新顔です。日本導入は2026年第二四半期予定です

画像1: KOVE MX450 DUAL SPORT 世界初公開。軽量120kgにEURO5+で国内導入予定

日本導入と展示計画

展示車はKOVEらしいターコイズのグラフィックをまとい、LEDヘッドライトやコンパクトなデジタルメーターを装備。ハンドガード、ナンバーステー、ABSを備え、公道仕様として完成度の高い仕上がり。フレームはスチールをメインにアルミサブフレームを組み合わせ、ラジエター周りのレイアウトはコンパクト。エキゾーストは右出しのアップタイプで、スキッドプレートも装着されています。

インポーターであるバトンバイクスによると、2026年第二四半期に国内発売を予定しており、同年の大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーでサンプル展示が計画されています。EURO5+の認証進行によっては、国内での登録がショーに間に合わない可能性もあるとのことです。なお、同会場ではMX250 Enduroの展示もあったようですが、日本導入は2027年予定とのことです。

設計アーキテクチャの位置づけーーOff1編集長稲垣の見立て

KOVEのMX450シリーズは、モトクロッサーを起点に派生モデルを展開している。MX450 Motocrossは98kgの軽量な車体に65PSを発揮する純競技用モデルで、7リットルタンクを備え、ホンダCRF450RやヤマハYZ450F、KTM 450SX-Fと同じカテゴリーに並ぶ存在だ。

このモトクロッサーと基本アーキテクチャを共用しながら、公道仕様のMX450 DUAL SPORTや環境適合を果たしたエンデューロ仕様が派生している。つまり、MXをベースにEDモデルを展開するという構造は、従来のヨーロッパメーカーが採ってきた方法と同じであり、KOVEもその流れを踏襲している。

ただし、エンデューロモデルとは別に公道対応モデル(デュアルパーパス)を同時開発している点はヨーロッパのメーカーとは異なる。近しい例を挙げるなら、ホンダがモトクロッサーをトレール化して送り出したCRF450Lだろう。話題を集めるKTM 390エンデューロR(33kW(45 PS)/8,500rpm)や、発売間近のスズキDR-Z4S(28kW(38PS)/8,000rpm)とは競合になり得るものの立ち位置は大きく違う。CRF450Lの発表会では、モトクロッサーをトレール車へ仕立てるためにいかに多くの技術が必要かをメディアが痛感させられた。あれからすでに7年が経つ。今回のMX450 DUAL SPORTがCRF450Lと同じ土俵に立つのか、それとも異なる解決策を見せるのか。また、こういったモトクロッサーベースの公道マシンというカテゴリーが、90年代の日本のように成立するのかというセールス面も興味深いところ。こういった一連の中国メーカーKOVEの挑戦は大きな注目を集めている。

主要諸元(展示会発表値)

項目MX450 DUAL SPORTMX450 MOTOCROSS
エンジン水冷4ストローク単気筒水冷4ストローク単気筒
排気量449.9cc449.9cc
ボア×ストローク96.0×62.15mm96.0×62.15mm
最高出力35kW/9500rpm(EU V+仕様)最大52PS45kW/9500rpm(65PS)
最大トルク45Nm/7500rpm(EU V+仕様)50Nm/7500rpm
圧縮比13.113.1
変速機6速6速
最高速170km/h170km/h
車体サイズ2250×862×1265mm2168×805×1265mm
ホイールベース1490mm1490mm
レーク/トレール28°/123mm28°/123mm
シート高960mm960mm
タンク容量9.5L7L
車重120kg(半乾燥)98kg(半乾燥)
フレームHC700スチール・ダイヤモンド形状+アルミサブフレームHC700スチール・ダイヤモンド形状+アルミサブフレーム
サスペンション前 倒立フルアジャスタブル(YuAn)後 フルアジャスタブル外部リザーバー(YuAn)前 倒立フルアジャスタブル(YuAn)後 フルアジャスタブル外部リザーバー(YuAn)
ホイールF 90/90-21、R 140/80-18(CST)F 80/100-21、R 110/90-19(CST)
ブレーキF デュアルピストン+シングルディスク/R シングルピストン+シングルディスク(Taisko)F デュアルピストン+シングルディスク/R シングルピストン+シングルディスク(Taisko)
駆動方式チェーンチェーン
灯火類LEDなし
ABS装備なし

This article is a sponsored article by
''.