BMC(ブルー・モンスター・クロージング)が新製品「レインアーマー」を公式オンラインストアと全国の2りんかんで2025年8月25日に発売した。レインウエアメーカーの老舗・Makkuとの共同開発により誕生したこの製品のキャッチコピーは、超強気の“豪雨の中でも濡れない合羽”!! 防水性に特化した、その機能と仕様を詳しくお伝えしよう。
文:西野鉄兵/写真:井上 演、webオートバイ編集部
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“濡れない・浸みない”性能に一点集中した「レインアーマー」

画像: Makku × BLUE MONSTER CLOTHING レインアーマー カラー:ホワイト、サックス、レッド サイズ:M、L、LL、EL 発売日:2025年8月25日(月) 販売店: BMC公式オンラインストア 、 2りんかん全店  税込価格:7980円

Makku × BLUE MONSTER CLOTHING
レインアーマー

カラー:ホワイト、サックス、レッド
サイズ:M、L、LL、EL

発売日:2025年8月25日(月)
販売店:BMC公式オンラインストア2りんかん全店
税込価格:7980円

BMCの熱意とMakkuの経験値で実現した、ライダーを雨から守る鎧(よろい)

2020年にバイク用品の展開を開始して以降、瞬く間にファンを増やしているBMC。もともと一般アパレルブランドだったことから、ファッション性の高いジーンズやアウターが主力商品となっているが、すべての製品には“一点集中の機能”というBMCの哲学が織り込まれている。

涼しさに特化した「空冷式」シリーズ、冬場限定の着用を推奨する「防風」シリーズはその代表例だ。そして今回、初のレインスーツ「レインアーマー」を発売した。同製品は防水性に一点集中したレインスーツとなる。

画像: ▲「レインアーマー」のカラーはホワイト・サックス・レッドの3種。パンツはブラックで共通。

▲「レインアーマー」のカラーはホワイト・サックス・レッドの3種。パンツはブラックで共通。

「合羽が防水性を重視するのは当たり前なんじゃないか……」と思った方もいるかもしれない。世の中のレインウエアは、当然まず濡れないことを目的に作られている。しかし、そのうえで透湿性も備えて、トータルで快適性を高めようとしている製品が一定以上の価格のものでは主流といえる。

ベテランライダーには「合羽を着ても長時間雨の中を走り続ければ必ず濡れる」という共通認識があると思う。

BMC代表のローリー青野氏も、初めて雨の中の高速道路を数時間走った際にこの洗礼を受けた。しかし「そういうものか」と諦めず、「何で合羽なのに濡れるんだ」と率直に腹が立ったという。その怒りがレインアーマー開発のきっかけとなった。

とはいえレインスーツの製造は専門性が高く、一朝一夕で作れるものではない。BMCは自社開発できないものは共同開発でも作るという柔軟なスタンスを持つ。「レインアーマー」の構想に賛同し、今回タッグを組んだのは、大阪に本拠地を置く、知る人ぞ知る老舗・Makku(マック)だ。

画像1: “濡れない・浸みない”性能に一点集中した「レインアーマー」

Makkuは社内に耐水圧テストを行なう本格的なラボを持つレインウエア&グッズの専門メーカー。さまざまな趣味・職種のユーザーへ向けた雨具の製造経験を有している。「レインアーマー」は、過去に手掛けた騎手用のレインスーツで得た知見を活かし、すぐに開発が始まった。

BMC・ローリー青野氏の考えはいたってシンプル。“濡れない・浸みないこと最優先、体感しにくい透湿性は不要”。そのオーダーにMakkuは応えた。

画像2: “濡れない・浸みない”性能に一点集中した「レインアーマー」

「レインアーマー」はつまり、透湿性を捨て、防水性に能力を全振りした設計となっている。そのため蒸れる。蒸れるのが嫌だという人には、BMCもおすすめしていない。

製品パッケージにも打たれたキャッチコピーは“豪雨でも濡れない合羽”。その自信の根拠は、ここから先をご覧いただきたい。

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「レインアーマー」の特徴

① 防水性にこだわった丈夫な生地

画像1: ① 防水性にこだわった丈夫な生地

キモとなる表地の素材はポリ塩化ビニル引きのポリエステル100%。耐水圧は20000mmH2Oを実現している。この20000mmH2Oという数値は、水深20mの水圧でも耐えるということ。さらに言い換えれば、20mの水の柱の圧力にも耐えるという意である。

この高い耐水性を生むコーティングは表地の裏側に施されている。そのため表面の撥水性が落ちても、防水能力は保たれる。レインウエア・グッズは基本的に使うたび撥水力が損なわれ、浸みやすさが増す。その対策として、「レインアーマー」は表面に強力な撥水加工、裏面に防水コーティングを施しているのだ。

画像2: ① 防水性にこだわった丈夫な生地

裏地はメッシュ素材。肌離れをよくし、生地の密着を避けるという効果とともに、表地裏面の防水コーティングを守るという役割を持つ。この製品は表地の裏面が最重要。メッシュ素材が衣服や肌と擦れるのを防いでいる。


② 徹底したライダー専用設計のパンツ

画像1: ② 徹底したライダー専用設計のパンツ

一般的にレインスーツでもっとも浸水しやすいのはパンツの股部分。「レインアーマー」のパンツは構造・仕様をライダー専用設計にしていることが大きな魅力となっている。

股部分の浸水は、シートに溜まった雨水が縫い目にあたり続けていることで起きる。

画像2: ② 徹底したライダー専用設計のパンツ

そこで股部分の構造を見直し、マチを設置。これにより生地の縫い目をシート上の水溜まりから避けることに成功した。

そのうえで、パンツ前面中央とマチ部分の縫い目はトリプルシームテープで補強するという念の入れよう。生地の裏側には執拗なほどに、厳重な縫い目対策が施されている。


③ 前合わせは3重構造

画像1: ③ 前合わせは3重構造

股下とともに浸水しやすいのがジャケットのファスナー周辺。この部分の浸水対策も徹底している。ファスナーを包み込むように左右から長めのフラップを配置。内側のフラップは雨どいのように折り返され、下部への排水も考慮されている。

画像2: ③ 前合わせは3重構造

防水性を特化させるため、極力縫い目が少ないシンプルなつくりになっている。そのため外側にポケットも付いていない。ただ唯一、ジャケットの左胸には内ポケットを装備。スマートフォンが入るサイズに設計され、それを不意に落とさないようドットボタンも備わる。


④ ヘルメットとジャケットの空間もカバー

画像1: ④ ヘルメットとジャケットの空間もカバー

スタイル面での大きな特徴にもなっているのが、標準装備されているネックガードとメッシュフード。これらは着脱可能なパーツだ。

装着すれば文字通り、隙はなくなる。ネックガードは、走行中ダイレクトに浸入しがちな喉元をシャットアウト。ヘルメットのあご部分をかぶせることにより、肌の露出を失くす。高速移動中に受ける雨粒による痛みを抑えるのにも効果はてきめん。

画像2: ④ ヘルメットとジャケットの空間もカバー

メッシュフードも面白い機構だ。このフードをかぶったうえで、ヘルメットを装着する。首の隙間を埋め、ジャケット上部からの浸水を防ぐ。

頭部のメッシュ部分に防水性はない。あくまでもライダー専用設計、アウトドアシーンでフードを雨よけにするのではなく、ヘルメットのインナーキャップとして割り切った仕様になっている。


⑤ リュック対応型の背面設計

画像1: ⑤ リュック対応型の背面設計

ジャケットのシルエットもライダー専用設計。前身頃に対して、後身頃が長くなっているのはライダー用のジャケットでは一般的だが、「レインアーマー」は、雨の浸水を防ぐという観点から極端に後身頃が長い。前傾姿勢を強いられるスーパースポーツモデルでも、これなら安心だ。

そしてこのジャケットは、リュック対応型。後身頃に備わるセンターファスナーを開放することで、ジャケットの横幅を拡張できる。

画像2: ⑤ リュック対応型の背面設計

覆える範囲は広く、容量30L程度の大型リュックもカバーする。リュックを背負ってツーリングするという人はもちろん、通勤・通学で日常的にバイクに乗る人には特にありがたい機構なはず。


⑥ バタつき対策

画像1: ⑥ バタつき対策

バイク用のレインウエアがアウトドア用のそれとは大きく異なっているのがバタつき対策の有無。走行風を受けた化繊素材は、勢いよくはためく。

画像2: ⑥ バタつき対策

「レインアーマー」もウエストにドローコード、袖口とパンツの裾にはアジャスターが備わっている。いずれも浸水を防ぐのとともに、バタつきの抑制に貢献する。

画像3: ⑥ バタつき対策

パンツ裾のアジャスターの調整幅がかなり広いのも魅力。さまざまなブーツやシューズ、ライダー各々の脚の太さに対応し、脱ぎ穿きもしやすい。


⑦ カラー展開も含めた安全性への配慮

画像: ⑦ カラー展開も含めた安全性への配慮

もともと初期サンプルの段階では「レインアーマー」はブラックだった。しかし製品版では、ホワイト・サックス・レッドという明るい3カラーが用意された。これは悪天候時における被視認性を重要視した結果だ。パンツはいずれもブラックとなる。

さらに前面・背面ともにリフレクターを配備。リフレクターの位置もよく考えられている。前面はカウルで隠れにくい上腕部分。背面はシートバッグを積載した際も見えるよう、肩から肩甲骨周辺。夜間の雨天走行という嫌なシチュエーションも、これまでより少し安心できると感じる人は多いはず。


⑧ お買い求めやすい価格

画像1: ⑧ お買い求めやすい価格

BMCの哲学である“一点集中の機能”は、価格を抑えるという目的もある。防水性に特化し、透湿性という概念を排除した「レインアーマー」は、シンプルな構造のため、3層や4層をうたう高機能レインスーツと比べるとかなり安い。

2025年8月25日に、バイク用品店チェーンの2りんかんで発売され、どのカラーも税込7980円で店頭に並んでいる。サイズはM・L・LL・ELの4種。

画像2: ⑧ お買い求めやすい価格

webオートバイ編集部がある東京新橋では、今年は空梅雨と思えたほど雨の日の記憶が乏しい。近年は6・7月よりも9月の方が雨の季節という感覚がある。

夏場や暖かくなっていく時期の雨は、気持ちの面でまだ耐えられる。冬場や寒くなっていくシーズンの雨はつらい。

秋のツーリングシーズンはもちろん、冬も積極的に走りにいくという人は、“豪雨でも濡れない合羽”のキャッチコピーを持つ「レインアーマー」はぴったりなはず。これまで期待外れの防水性に泣かされてきたという人も、同じ想いを発端に開発された当製品なら、満足できる確率は高そうだ。

画像3: ⑧ お買い求めやすい価格

BMC製品は、多くのアイテムが一期一会ともいえる。普通なら通年定番製品のレインスーツも、初期ロットが完売したら、また同じものが作られる可能性は低いと考えた方がいいだろう。もし、いまレインスーツの新調を検討していたなら、好機かもしれない。

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「レインアーマー」を編集部がテスト

防水性能に全振りした究極の“一点集中”を体感

公式オンラインストアの先行予約販売時に購入した「レインアーマー」が8月下旬に届いた。ちょっとしたテストをいろいろ行なってみたので、レビューをお伝えしたい。

まず生地がいままで使ってきたどのバイク用レインスーツよりも頑強なつくりだった。手持ちのほかの合羽と比べればまさに鎧で、「レインアーマー」という名称がしっくりくる。

▲ネックガードは上向きに装着すると少し息苦しく感じたので、あえて下向きに装着した。どちらの向きにも付けられる。

価格を抑えるために、専用の収納袋は用意されていない。手持ちのドライバッグに入れると22×15×5cm程度に収まった。バイク用のレインスーツは、コンパクトさをウリにしたものから、機能性をウリにしたものまでいろいろあるが、収納時のサイズ感は標準的。写真のドライバッグのように圧縮できる袋に入れれば、かなり小さくなる。

画像1: 「レインアーマー」を編集部がテスト

私の身長は175cm・体重75kgで、Lサイズを選んだ。サイズ感は問題なく、ゆとりもあり、少し余裕を持ったサイズが好ましいレインスーツとしては、これがジャストフィットといえそう。

画像2: 「レインアーマー」を編集部がテスト

8月のテストということもあって、着用した最初の感想は「暑い……」だった。丈夫で透湿性を持たない素材ゆえにファスナーをすべて閉めると防寒着のようだ。逆にいえば、標高の高いところへ向かう山岳ツーリングや、そもそも寒い冬の旅では、携行しているとウインドブレーカーの役割もしっかり務めてくれそうで心強い。

編集部にある洗車用ホースで同僚に水をかけ続けてもらった。さらに水たまりに座り込んだり、水風船をぶつけられたり、バイクの乗車時には起こり得ない意地悪なテストも敢行した。

水をかけられたとき、すぐに「あ、これ全然浸みこまないやつだ」と直感した。雨具はどんなアイテムでも安心感が持てるものと、不安に感じるものがある。

水をかけられているときに想起したのは、ビニール傘だった。ビニール傘にホースで強烈に水を当てても素材を貫通するイメージは湧かない。そんな安心感が「レインアーマー」にはあった。

水たまりにしばらく座り込んでみたが、パンツのシームから浸みこむことはなかった。鬼門である股下の縫い目が問題なければ、防水性における憂いはない。

画像3: 「レインアーマー」を編集部がテスト

ただ人一倍汗かきな私は正直つらい。とはいっても夏はどんなレインスーツを着ても私の場合、結局内側がびちゃびちゃになる。だったら、対雨に特化した「レインアーマー」があれば、それでいいのかも。

冬の雨でのロングラン、これまでは絶対避けてきた苦行ともいえる行為にいまはちょっと興味が湧いてきている。

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「レインアーマー」のことがよく分かる動画

BMC代表・ローリー青野氏のYouTubeチャンネル「ローリー青野のバイクライフch.」では、「レインアーマー」の開発エピソードや機能・防水性がよく分かる動画が公開中。特に耐水テストの模様は必見!

▼Makkuのラボと開発風景が見られて、「撥水」と「防水」のちがいもよく分かる!

画像: #219 【レインアーマー①】絶対に浸みないバイク用レインウェア開発!走行雨に負けない耐水圧20,000mmの防水性とオートバイ専用設計で雨のライダーを守る! www.youtube.com

#219 【レインアーマー①】絶対に浸みないバイク用レインウェア開発!走行雨に負けない耐水圧20,000mmの防水性とオートバイ専用設計で雨のライダーを守る!

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▼ローリー青野氏の「レインアーマー」開発にかける情熱を知りたければこれ!

画像: 【レインアーマー②】最も大切な機能『防水性』に特化したバイク用レインウェア開発中!その他の機能は全て捨てます(笑)絶対に浸みない理由を解説します。(10MBラジオ#106) www.youtube.com

【レインアーマー②】最も大切な機能『防水性』に特化したバイク用レインウェア開発中!その他の機能は全て捨てます(笑)絶対に浸みない理由を解説します。(10MBラジオ#106)

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▼ホースを使って防水テストを実施、サンプル段階からそのタフネスさが高かったことが分かる!

画像: #227 【レインアーマー③】ヘルメットから首への雨水侵入を完全防御!驚きの防御方法を大公開!耐水圧20,000mmの防水性&オートバイ専用設計で走行雨からライダーを守る! www.youtube.com

#227 【レインアーマー③】ヘルメットから首への雨水侵入を完全防御!驚きの防御方法を大公開!耐水圧20,000mmの防水性&オートバイ専用設計で走行雨からライダーを守る!

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▼スーツ姿の上に「レインアーマー」を着用して耐水テストする模様は必見!

画像: #238 【レインアーマー④】「2りんかんで展開なるか?」激しい雨からライダーを完璧に守る!分厚い耐水圧20,000mm・トリプルシームテープの絶対に浸みないバイク用レインウェアが完成です。 www.youtube.com

#238 【レインアーマー④】「2りんかんで展開なるか?」激しい雨からライダーを完璧に守る!分厚い耐水圧20,000mm・トリプルシームテープの絶対に浸みないバイク用レインウェアが完成です。

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▼冬の雨での実走テストを敢行、防水性能の高さが分かりやすい!

画像: #244 【レインアーマー⑤】雨天試験完了!絶対に浸みないBMCバイク用レインウェアが遂に完成!雨からライダーを完璧に守る性能を刮目せよ!分厚い耐水圧20,000mm・トリプルシームテープの凄さとは? www.youtube.com

#244 【レインアーマー⑤】雨天試験完了!絶対に浸みないBMCバイク用レインウェアが遂に完成!雨からライダーを完璧に守る性能を刮目せよ!分厚い耐水圧20,000mm・トリプルシームテープの凄さとは?

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▼まとめ的な動画。サクッとレインアーマーの特徴を知りたければこちら!

画像: 【レインアーマー⑥】税込7,980円の衝撃!防水性に特化した絶対に濡れないレインアーマーが8月下旬に2りんかん全店発売!開発に1年以上かけた超大作が遂に出る!(10MBラジオ#136) www.youtube.com

【レインアーマー⑥】税込7,980円の衝撃!防水性に特化した絶対に濡れないレインアーマーが8月下旬に2りんかん全店発売!開発に1年以上かけた超大作が遂に出る!(10MBラジオ#136)

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▼完成品を着用しながら走行レビュー! サイズの選び方もこちら

画像: #258 【レインアーマー⑦】全方位の防水性でライダーを雨から守る!8月25日【レインアーマー】2りんかん全店デビュー!耐水圧20,000mmH2O丈夫な耐久防水素材で豪雨のバイクでも大丈夫! www.youtube.com

#258 【レインアーマー⑦】全方位の防水性でライダーを雨から守る!8月25日【レインアーマー】2りんかん全店デビュー!耐水圧20,000mmH2O丈夫な耐久防水素材で豪雨のバイクでも大丈夫!

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文:西野鉄兵/写真:井上 演、webオートバイ編集部

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