※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2025年4月30日に公開されたものを一部編集し転載しています。
3輪ゆえに安定して移動可能な電動キックボード「ストリーモ」
ホンダの新事業創出プログラム「IGNITION」から生まれたベンチャーのストリーモは、3輪の電動キックボード「ストリーモ(Striemo)」の開発・販売を手がけている。
同製品の特徴は、3輪構造と独自開発のバランスアシストシステム。停止時に自立するだけでなく、一般的な二輪式の電動キックボードではバランスを保ちにくい1〜2km/h程度の超低速域から、法定最高速度の20km/hまで、ふらつかずに安定して走行できる特徴を持つ。

低速走行でも高速走行でも安定して運転できる。
こうした低速でもふらつきにくい点や、停車するときに足を道路につかず乗車したまま停止できるといったメリットを活かして、個人利用だけでなくレンタル(シェアリング)や物流倉庫における業務用車両として事業者への導入も進んでいるようだ。
たとえば、2025年4月に開幕した大阪・関西万博に向けて360度カメラと通信機能を搭載した消防巡回車両が製造された。災害時の被災状況を知らせるライブ映像配信・移動式通信中継器として現場ネットワークを構築する役割を担っているという。
建設業、物流業、工場などの現場で、人や荷物を便利に移動可能に
今回発売される業務用パッケージは、ストリーモを導入していた事業者からのフィードバックをもとに開発されたもの。一部のパーツは業務用に特化することで私有地走行専用となるモデルもラインナップされている。
収納ボックス
容量約7L(内寸:95×320×240mm)で最大積載重量1.2kgのボックスで、書類やファイルなどを収納できるカゴとして用いるパーツ。装着した状態でも車両を折り畳むことができ、車体の機能性を損なわずに利用できる。

けん引取り付けアタッチメント
けん引台車を取り付けるためのパーツ。ナンバープレート装着にも対応しており、台車をはずした状態であれば公道走行することもできる。

けん引台車&大型コンテナ(敷地内専用、公道走行不可)
容量約73L(内寸:615×415×290mm)で、最大30kgまで積載できる台車。最小回転半径1.2mと小回りが利くため、倉庫や建設現場の通路など狭いスペースでもストレスなく荷物を運搬できる。

パンクレスタイヤ(敷地内専用、公道走行不可)
パンクしないだけでなく、定期的なタイヤ空気圧の調整が不要になるエアレスのタイヤ。コンクリートの床にタイヤ跡が残りにくい仕様のタイヤもラインナップされる。

同社は、今後も事業者が抱える課題の解決に向けて、より良い製品やサービスを開発・提供することで貢献していくとしている。「自立できる3輪電動キックボード」のストリーモは、移動・運搬車両としても普及していくことになるかもしれない。