ツーリングライダー待望の新作タイヤ、ブリヂストン「BATTLAX SPORT TOURING T33」。ロングライフ性能を筆頭に、大幅進化を果たしたという注目のタイヤだけに、さっそく編集部ではツーリングテストを実施。その実力を検証してきた!
画像1: ライフ性能が47%アップ!!!!! ブリヂストン「BATTLAX SPORT TOURING T33」の進化ポイントをツーリングで検証する!

レポート 佐川健太郎

バイク歴は約40年、モーターサイクルジャーナリスト、ライディングスクール講師。YouTubeチャンネル「ケニー佐川のMOTOCOMチャンネル」では、詳細なライディングテクニックのノウハウを公開しているほか、バイクイベントのトークショーなどでも活躍中。

ツーリング性能の向上で、よりライダーに優しい仕様に進化!

BATTLAX SPORT TOURING T33(以下、T33)は従来のT32の後継モデルとなる最新スポーツツーリングタイヤだ。ほぼ全ての性能面で全方位的に進化しているが、特にライフ性能(耐摩耗性)が大幅に引き上げられているのが特徴である。データによると、なんと47%アップ。ということは、従来のT32に比べて1.5倍も長持ちするというから驚きだ。どんなタイヤなのか検証するため、BMW・R1250RSに履かせて房総半島に繰り出した。

画像: BATTLAX SPORT TOURING T33を装着したのは、BMWのスポーツツアラー「R1250RS」。快適な長距離ツーリングを実現しつつ、スポーツライディングにも対応する人気のモデルだ。

BATTLAX SPORT TOURING T33を装着したのは、BMWのスポーツツアラー「R1250RS」。快適な長距離ツーリングを実現しつつ、スポーツライディングにも対応する人気のモデルだ。

画像: 東京から東京湾アクアラインを越えて房総半島へ。高速道路、ワインディング、街中をしっかり走ってきた。

東京から東京湾アクアラインを越えて房総半島へ。高速道路、ワインディング、街中をしっかり走ってきた。

まずタイヤの顔であるトレッドパターンをじっと見てみる。深くしっかりと刻まれた溝がウェット性能の高さを誇示している。派手さはないがシンプルで信頼できるデザインだ。触った感じ表面のゴムは柔らかく一見してフレンドリーな感じ。3月中旬で気温10〜12℃の中、東京湾アクアラインの吹きさらしを走った直後でもタイヤを触ってみると思っていた以上に温かい。まずは好感触だ。高速道路の直進安定性も素晴らしく、相応の速度域でもぴたっと安定。追い越しでの節度感があるレーンチェンジでまったく不安がない。R1250RS自体の性能の高さもあるが、リラックスしてバイクに身を任せられる安心感があると感じた。国際基準で作られているので当たり前ではあるが、アウトバーンを全開で突っ走りたい妄想が広がった。

景色を楽しむ余裕が生まれる、ニュートラルなハンドリング!

路面とのコンタクトで言うと、フロントがしなやかでリアはしっかり剛性感がある感じ。乗り心地はソフトだがコシ感があり、アスファルトの細かい凹凸を包み込むような柔らかなタッチが印象的。加速では重量級マシンの強力なトルクをしっかりと受け止めて前に進めてくれる。

画像: 撮影日の最高気温は約13℃、やや肌寒いコンディションの中で新作タイヤのフィーリングを試した。

撮影日の最高気温は約13℃、やや肌寒いコンディションの中で新作タイヤのフィーリングを試した。

画像: タイヤの空気内圧は車両の指定に合わせて、フロント250kPa、リア290kPaで走行した。

タイヤの空気内圧は車両の指定に合わせて、フロント250kPa、リア290kPaで走行した。

コーナリングではハイグリップ系のねっちりしたグリップ感ではなく、比較的サラッとしたタッチだがそれでいて接地感は豊富。ハンドリングは極めてニュートラルで、あれこれ小細工せずとも目線を向けるだけでコーナーに吸い込まれていく。軽快だが過敏ではなく、リーンアングルによる過渡特性も穏やかなので扱いやすい。たとえば、峠道でよくありがちな、途中からRが変わる奥が深いコーナーでもバンク角を変えながらラインを修正しやすいのだ。ある意味イージー。こうした作業をあまり意識せずにできる点が、ユーザーがツーリングタイヤに求める特性にフィットしていると思う。

休憩を挟んで再び走り出すが、ほどなくして普通にコーナーに入っていける安心感があり、肩の力を抜いて走れる。路面コンディションをあまり気にする必要がないので、そのぶん走りに集中できる。ツーリングなら景色を楽しむ余裕が生まれ、神経を消耗しないから疲れにくく、結果的に長い距離を稼げると思う。

画像: リアタイヤに新設計コンパウンドを採用することで、大幅な耐摩耗性の向上を果たした「T33」。

リアタイヤに新設計コンパウンドを採用することで、大幅な耐摩耗性の向上を果たした「T33」。

画像: フロントは「T32GT」を踏襲し、リアは「T32」と「T32GT」の中間に設定したというパタン剛正。最適化されたことで、ロングライフと穏やかなハンドリングを実現した。

フロントは「T32GT」を踏襲し、リアは「T32」と「T32GT」の中間に設定したというパタン剛正。最適化されたことで、ロングライフと穏やかなハンドリングを実現した。

圧倒的な摩耗ライフ向上! 「T32」より全域に渡り性能が向上!

そして驚きの耐摩耗性! ABSとトラコンが作動するような急加速と急減速をあえて何回も繰り返してみたが、トレッド面はさらっとしたもの。アブレーションは無論のこと、ハイグリップ系でよく目にする“消しゴムのカス”も出ていないのにはビックリ。ゴムを削りながらグリップするのではなく、路面に柔らかく食い込ませながらホールドしているような新しい感覚だった。

試しに編集部スタッフとタンデムにもトライしてみたが、ハンドリングの変化は少なくコーナリング時もとても安定していた。同スタッフも「安心できる乗り心地ですね」と笑顔。「それはライダーの腕だよ」と返した(笑)が、頑張らなくても自然に上手く走れる隠れた優等生的なタイヤでもある。今回の試乗は往復200kmほどの距離だったが、素性の良さは良く分かったと思う。自信を持ってすべてのツーリングライダーに推したいタイヤである。

画像: 男性スタッフ(体重65kg)とのタンデム走行も実施し、ハンドリングの違いを試してみた。

男性スタッフ(体重65kg)とのタンデム走行も実施し、ハンドリングの違いを試してみた。

画像: 圧倒的な摩耗ライフ向上! 「T32」より全域に渡り性能が向上!

BATTLAX SPORT TOURING T33サイズ表

BATTLAX SPORT TOURING T33サイズ表(フロント)

120/70ZR17 M/C (58W) TL ¥27,500
標準リム幅 3.50インチ
適用リム幅 3.50~3.50インチ
外径 603mm/トレッド幅 121mm

120/70ZR18 M/C (59W) TL ¥28,380
標準リム幅 3.50インチ
適用リム幅 3.50~3.50インチ
外径 629mm/トレッド幅 120mm

110/80R19 M/C 59V TL ¥29,700
標準リム幅 2.50インチ
適用リム幅 2.50~3.00インチ
外径 662mm/トレッド幅 108mm

120/70R19 M/C 60V TL ¥31,240
標準リム幅 3.50インチ
適用リム幅 3.00~3.75インチ
外径 652mm/トレッド幅 122mm

画像2: ライフ性能が47%アップ!!!!! ブリヂストン「BATTLAX SPORT TOURING T33」の進化ポイントをツーリングで検証する!

BATTLAX SPORT TOURING T33サイズ表(リア)

画像3: ライフ性能が47%アップ!!!!! ブリヂストン「BATTLAX SPORT TOURING T33」の進化ポイントをツーリングで検証する!

150/70ZR17 M/C (69W) TL  ¥35,530
標準リム幅 4.00インチ
適用リム幅 4.00~4.50インチ
外径 641mm/トレッド幅 150mm

160/60ZR17 M/C (69W) TL  ¥35,420
標準リム幅 4.50インチ
適用リム幅 4.50~5.00インチ
外径 624mm/トレッド幅 163mm

170/60ZR17 M/C (72W) TL  ¥38,940
標準リム幅 4.50インチ
適用リム幅 4.50~5.50インチ
外径 637mm/トレッド幅 168mm

180/55ZR17 M/C (73W) TL ¥40,370
標準リム幅 5.50インチ
適用リム幅 5.50~6.00インチ
外径 629mm/トレッド幅 181mm

190/50ZR17 M/C (73W) TL  ¥41,140
標準リム幅 6.00インチ
適用リム幅 5.50~6.00インチ
外径 624mm/トレッド幅 193mm

190/55ZR17 M/C (75W) TL  ¥41,910
標準リム幅 6.00インチ
適用リム幅 5.50~6.00インチ
外径 643mm/トレッド幅 187mm

写真/南孝幸

ブリヂストン公式サイト

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