5月4日(土)、アメリカのコロラド州デンバーにあるエンパワーフィールドにて、AMAスーパークロス選手権第16戦が開催されました。

2024シーズンのAMA SXも、残すは2戦。チャンピオン争いも佳境に入り、それぞれのクラス、ポイント差にも注目が集まります。
Team Honda HRCの下田丈が参戦する250SX WESTは、クラス単体のレースは今回が最後で、次戦は250SX EASTと混走のショーダウンとなります。ここまでの8レース、マシントラブルでリタイヤした第2戦サンフランシスコを除く7戦でトップ4フィニッシュを果たし、後半4戦は連続表彰台を獲得している下田丈。ここ2戦は2位を獲得しているため、今回はさらにその先を期待したいところです。
下田の現在のランキングは、トップと28ポイント、3番手と10ポイント差の4番手。この2戦次第でランキングトップ3も充分狙える位置にいます。WESTのポイントリーダーはRJハンプシャー、2番手に2ポイント差でリーヴァイ・キッチンがつけており、このチャンピオン争いも盛り上がりそうです。

メインイベント進出をかけた6分間+1周のヒートレース、下田はヒート1に出場し、中央イン寄りのグリッドからスタートします。ゲートドロップと同時に飛び出した下田はホールショットを獲得すると、ファステストラップを記録しながら独走体制に。タロン・ホーキンス、ジョードン・スミスらがそこに続く一方で、キッチンはやや出遅れ8番手で1周目を抜けていきます。中盤、スミスがホーキンスをパスして2番手に立ちますが、その後転倒して後退。レース後半で追い上げてきたキッチンがホーキンスを捉え2番手に。
既にトップの下田がかなり遠かったため、そのまま下田、キッチン、ホーキンスのオーダーでゴールしました。下田は後続に8.6秒の差をつけて今シーズン2度目のヒート優勝を果たし、メインイベントに向けて弾みをつけました。

画像1: 下田丈、ヒート・メインイベント共にポールトゥウィンでHRC移籍後初優勝

ヒート2ではライダー・ディフランチェスコがホールショットを獲り、そこにネイト・スラッシャー、ジュリアン・ブーマー、ハンプシャーが続きます。中盤、レース序盤からディフランチェスコを追い続けたスラッシャーがトップに立ち、そこにポイントリーダーのハンプシャーも追いついてきたため、レース終盤にスラッシャーとハンプシャーがトップ争いを展開。周回遅れをうまくかわしたハンプシャーがトップに立ちかける場面もありましたが、抜ききれず、このバトルはスラッシャーに軍配が上がりました。

メインイベントでは、下田はチャンピオン候補のキッチン、ハンプシャーと並んでイン寄りのグリッドをチョイス。スタートでヒートレース同様抜群のスタートを決めた下田は、そのまま好ペースで後続を引き離していきます。下田の後ろにはキッチン、スミス、ハンプシャーと続き、レース中盤にはハンプシャーとスミスがバトルを繰り広げてスミスはコースアウト、ハンプシャーが3番手に。下田は徐々にキッチンとの差を広げていき、終始2〜3秒のアドバンテージを築いて走行します。
計時終了後からラストラップにかけて、下田の姿を捉えたキッチンが下田に迫っていきますが、下田は最後まで自分のペースを貫き、逃げ切って優勝。2021年のソルトレイクシティ1ぶり2度目、そしてHRC移籍後初優勝を飾りました。

画像2: 下田丈、ヒート・メインイベント共にポールトゥウィンでHRC移籍後初優勝

今回の優勝により、下田はポイントリーダーから23ポイント差、そして3番手のスミスとは2ポイント差に縮まり、ランキング3位が実現できそうなところまで上がってきたほか、チャンピオンの可能性も残っています。チャンピオン争いはさらに加熱し、キッチンとハンプシャーはともに3勝を挙げて再び同ポイントに並びました。残すは最終戦のみ、ランキング上位陣の行方に注目です。

下田丈(Team Honda HRC

「スタートはずっと自分の課題でしたが、SXでは特に重要で、今回はホールショットを取れたことと、そこから数周で後ろとギャップを作れたことが大きな勝因でした。実を言うと、最後キッチンが近づいてきていたことは知らなくて、あとどれくらいプッシュすれば良いかわかっていませんでした。去年の終わりにチームを変えて、今シーズン前半は少し苦しみましたが、一度も諦めずにきて、シーズン終盤についにやりました。HRCのスタッフ全員、特にメカニック、そして家族に感謝したいです。またここに立てるように頑張ります」

今回の下田の優勝は、長年の課題であったスタート、そしてペース、安定感の全てが噛み合った結果と考えられます。特にスタートに関しては、近年特に重要性を増しており、スタートで結果が決まると言っても過言ではありません。下田は今シーズンの後半以降スタートが大幅に改善しており、今回はヒートレース、メインイベントともにホールショットを獲得する抜群の出来。最終戦のショーダウンと、続くアウトドアのシーズンにも期待が高まります。

画像: Supercross Round #16 250SX Highlights | Denver, CO Empower Field at Mile High | May 4, 2024 youtu.be

Supercross Round #16 250SX Highlights | Denver, CO Empower Field at Mile High | May 4, 2024

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450クラスのヒート1では、ハンター・ローレンスがホールショットを獲得。クーパー・ウェブ、マルコム・スチュワート、シェイン・マケラスが後に続きます。中盤、ハンターのミスでウェブが先行しトップに。ハンターはそこからレース終盤までウェブの後を追いチャンスを狙いますが、この勝負はウェブが制しました。

ヒート2では、ジェット・ローレンスがスタートからトップを快走し、ヴィンス・フリーズ、チェイス・セクストン、ジャスティン・バーシア、ジェイソン・アンダーソンの4台が2番手争いをする展開に。このバトルからセクストンがいち早く抜け出してジェットに次ぐ2位でゴール、次点はアンダーソンでした。

メインイベントでは、ハンター・ローレンスがホールショットを獲得し、そこに弟のジェット・ローレンス、ジャスティン・クーパー、トマック、アンダーソンが続きます。ファーストコーナーではセクストンが転倒し、スチュワートもそこに巻き込まれる波乱が。そんな中2台で抜け出したローレンス兄弟でしたが、レース中盤ジェットが兄ハンターをパスしてトップに立ちます。トップのオーダーはそのまま変わらず、ジェットが優勝、ハンターが2位で兄弟でワンツーフィニッシュを果たし、3位にはアンダーソンが入りました。ジェットはこれがシーズン8度目の優勝で、ランキング2番手のウェブとの差は20ポイントに。チャンピオン獲得に王手をかけました。

画像: Supercross Round #16 450SX Highlights | Denver, CO Empower Field at Mile High | May 4, 2024 youtu.be

Supercross Round #16 450SX Highlights | Denver, CO Empower Field at Mile High | May 4, 2024

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次戦は5月11日(土)、最終戦ソルトレイクシティです。

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