8耐明けは何かが変わる?? パドックでお話を伺ってきました!

8月6日に鈴鹿サーキットで行なわれた「2023 FIM世界耐久選手権 "コカ・コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会」。

今年もいろんなドラマが繰り広げられた真夏の祭典『鈴鹿8耐』でしたが、その熱がまだ冷めきっていないこの状態で、私もまだ8耐のレポートを書き上げていないこの状態で、今週末モビリティリゾートもてぎでは「もてぎ2&4」が開催されます!

「2&4」というのはご存知の方も多いと思いますが、全日本フォーミュラ選手権と全日本ロードレース選手権の、いわゆる2輪と4輪が併催して行なわれるレースイベント。
この2&4の時は全日本ロード選手権の中でも「JSB1000」という排気量も大きく、改造していい範囲も広い、このクラスのみが行なわれます。

全日本選手権のシリーズは4月にもてぎでのレースからスタート。6月までで前半が終了、7月から8月中旬までは夏のインターバルがあり、今週末からまたもてぎを皮切りに後半戦が始まっていきます。そして、この夏のインターバル中に行なわれたレースが鈴鹿8耐。

鈴鹿8耐では普段、全日本ロードレース選手権でバトルをしている選手同士や、クラスの違う先輩後輩とチームを組んだりして、2~3人で1つのマシンを共有し一緒に戦うのですが、この鈴鹿8耐を終えて後半戦から勢いがでてくる選手もいるので、この1戦はかなり注目ポイントになります。

JSB1000クラスに参戦されているライダーのみなさんは、鈴鹿8耐でエースライダーとして活躍された方も多く、8耐マシンのセッティングはこのJSB1000クラスで走っているマシンを元に、他のライダーやチームと相談して作られることも多いそうです。

JSB1000クラスにエントリーしている選手の中には、8耐には参戦していないライダーもいますが、この夏のインターバルをはさんで、何を感じ、どんな気持ちで挑む後半戦かというのはホントに楽しみです♪

そんなもてぎ2&4に向けての意気込みやインターバル中のお話を、2人の選手に聞いてきました(*´꒳`*)ノ

まずはAstemo HondaDream SI Racingの水野涼選手!

実は猛暑の鈴鹿8耐で、大量の鼻血を出しながらも頑張って走っていたライダーがいるんです。
それがAstemo Honda Dream SI Racingの水野涼選手。
そんな水野選手に、夏のインターバルにあった事や8耐についてお聞きしました!
ここからその内容を会話形式でお伝えします。

画像: いつもピースサインをして下さる水野涼選手です。写真は8耐 終わりに撮らせて頂いた1枚。

いつもピースサインをして下さる水野涼選手です。写真は8耐 終わりに撮らせて頂いた1枚。

梅: 8耐も含め夏のインターバルはどうでしたか?

水野選手: 全日本前半戦の最後にあったSUGOからSBKのミザノに出たり、8耐も走行時間がとれて、プラスで自分は開発テストもさせてもらったりして、自分で乗っていてもライダーとして一歩進めたかなという手応えがありました。

梅: 1番感じたタイミングはどこですか?

水野選手: ミザノを出たあとですね。8耐テストですぐに転んで1ヶ月あきましたけど、7月の頭のテストとかもペースの作り方、ライディング中の余裕だったりが大きくて。
実際にバイクに乗ってて"これができるようになった"とかっていう成長を感じるのは難しいんですけど、1周目のペースの上げ方とか全体的に余裕が持てて。余裕が出来たことによって8耐決勝もスタートで出遅れて前を追いかけなくちゃいけなかったんですけど、その中でもわりと自分のペースで坦々とレースできて、8耐も終えて自分なりの進歩があるのかなと思います。

前半戦にあったヤマハとの差を埋められるのが楽しみだし、プラスで前半戦は3戦目でやっと表彰台にものれて(第3戦SUGO大会 RACE1で3位表彰台を獲得)、表彰台にのれるくらいのベースもできてきたので後半に向けて、やっと戦う準備が1つ1つできてきた! 今はヤマハが強いですけど、どこかで止めなきゃいけないって思っているし、自分は残り4戦ある中で、もてぎと鈴鹿、正直ここしかない!って思っているので。

梅: それはバイク的にですか?

水野選手: バイク的にです。あとは、今回(もてぎ2&4)に関していうと暑くて…その暑い方がちょっと差が埋まるって自分は思っているので。

梅: 暑さには強いですか?

水野選手: まぁ、8耐走っていますし、ヤマハは出ていないので! 暑い中でのタイヤのマネージメントだったり、暑い状況でのセットアップというのはサーキットは違えど通ずる物があると思います。
ヤマハはファクトリーだからってあると思うんですけど、自分は全然勝ちしか狙ってないからそこは負けずにやりたいなって思っています。

梅: いつも全日本は1大会に2レースありますが、今回は1レースしかありません。そのあたりはいかがですか?

水野選手: 今年初めての1レースなんで、ウィークの使い方、セッションの使い方もちょっと違うかなってありますね。
予選は40分って時間もあるのでタイムは狙っていくんですけど、タイヤの使える本数も決まっているので、セットアップをしっかり煮詰めて自分はこの時間も使って決勝レースを勝つことだけを考えていこうかなと思っています。

金曜日の練習走行前に聞いたお話ですが、ウィークを通して、とにかく決勝で結果を残したいというのがヒシヒシと伝わる表情や言葉の強さを感じました。

画像: #36 水野選手。

#36 水野選手。

また暑い中で20周するのが、「もてぎ2&4」なのですが、寒いとタイヤを温めるのが難しく、暑いと垂れてくるのでタイヤをもたせるのが難しい。
どちらの方が難しいか聞くと「基本は持たせる方が難しいです」と教えてくれました。

水野選手はJSB1000で初めて表彰台に登ったのがこの暑いもてぎの2&4ですし、8耐での追い上げの走りは観ている人の目に焼きついています。トラブルやチームメイトの転倒などいろいろありながらも9位フィニッシュという結果を残したAstemo Honda Dream SI Racing。
金曜日の練習走行では、マシントラブルで中々思うように走れずフラストレーションもたまっているかもしれませんが、開幕戦のもてぎから前半戦とインターバル中のSBKや8耐で積み上げてきたものをどうやってぶつけるのか、どんな走りを魅せてくれるのか!「決勝に合わせて頑張る!」という言葉から決勝の走りが凄く楽しみです♪

8耐明けの心境も聞かせてくれたTOHO Racing 清成龍一選手!

もう1人は丸坊主姿が印象的な清成龍一選手。
webオートバイの取材で、私自身沢山の選手にお話を聞かせて頂いているのですが、清成選手と1対1でお話をするのは初めて。
清成選手の見た目のオーラに緊張しながらも、とても興味深いお話を聞かせてくれました。ちなみに清成選手は金曜日の練習走行後に聞きました! こちらも会話形式で。

画像: 清成龍一選手。

清成龍一選手。

梅: なんだか8耐よりも暑くないですか?

清成選手:暑いですね。8耐でも、木金土あたりは暑かったけど、決勝は半分くらい天気も崩れたし暑くなかったですね。

梅: そうですよね! 今回はそんな8耐よりも暑い中のスプリント20周ってどうですか?

清成選手: いやぁ、汗の量がちょっと...。走ってる時はまぁ風があるのでいいけど、ピットとかいると暑かったなぁ。

と、ここまで世間話をして、気持ちを整えて改めて。笑

梅: 今回後半戦が始まります。前半戦を走って、8耐でもこの車両をベースにマシンを仕上げていると思うのですが、後半戦が始まるこの段階で最初より煮詰まってきた所とか変わった部分ってありますか?

清成選手: んー、8耐はなんだろうなぁ。ちょっと別物で、繋がっては...ないですねぇ。あまりにもかけ離れているし。8耐は車体も重くなるし、燃費の問題もあってパワーはだだ下がりだし、自分のバイクなのでそれは1番わかっていて...。で、8耐で新しいパーツを試してその流れでそのままきていて。

梅: と、いうことは今回新しいパーツがついているんですか?

清成選手: そうです。スイングアームが違うんですけど、8耐は上手くまとまったんですけど、フルパワー・JSBのスプリント仕様ってなるとちょっとまた違って...予想はしていたんですけど、大幅に違ったので。

この後いろいろ聞くとどっちが良いとか、悪いとかではなく、8耐で使っていたマシンと今回走るJSBマシンでのギア比や燃料をはじめいろいろ違うから、それぞれに対応しながら速く走る為にやらなきゃいけない事が沢山あるから大変という事を教えてくれました。

ベースとはいっても話を聞くとホントに違って、清成選手がいう「別物」という表現。全部はわからなかったのですが、少し知る事ができ、改めて規定に合わせて車両を作るって難しそうだな。そうやってチームで力を合わせて試行錯誤して戦っているライダーって走るだけじゃなくて、こうした部分もみんなで頑張っているんだなと感じた部分でした。

ちょっと真面目な話をした後に「今回は1レースしかないですけどいかがですか?」と聞くと「2レースあると賞金半分だから1レースの方がいいよ」と、なんとも清成選手らしいというか、まさか賞金の話が出るとは! 思わず笑ってしまいました♪ またここから会話形式でお伝えします。

清成選手: 1レースの方が賞金がいいからテンション上がるのと、ライダーはそうでもないんですけど、8耐終わってJSB1000仕様に戻して、ウチらは(チームの拠点が)広島なんで広島から来てって、もうドタバタなんですよ。短すぎます!なので1レースで良かったかな。

梅: 清成選手自身はゆっくりする時間はありましたか?

清成選手: ゆっくりはしました。ただ気持ち的に整理が...。体力的にはどこも疲れていなかったけど…。

梅: いろいろありましたもんね。メンタル面ですよね。

清成選手: そうですね。失格というのは正直次の日の午前中にわかって、ただ正式結果が出るまでは信じたくないっていう気持ちがあって...リザルトが出た時点でやっぱり相当落ち込んで。気持ちの整理がつかないですね...とてもじゃないけど。でも、救われるのは仲間というかチームがいた事で、応援してくれている人もそうですけど、スポンサーさんも現地にきて手伝ってくれて、誰も手を抜かず頑張ってくれて、僕は広島で一緒に準備しているからわかるけど、みんなギリギリの状態でやっていて。ホントに鈴鹿8耐のレースウィークで最初走る時に嬉しかったんですよね。ホント大変な思いをしてやってきて、サボっているやつもいなかったし、休んでるやつもいない"いや、休めなかったし"。だから"悔しい"...だけど誰のせいでもないし、責められない。いろんな思いがあるけど...。

梅: でもそれだけ頑張ってきたチームで、この全日本にもきているんですよね?

清成選手: みんな一緒です。人数はちょっと減っていますけど、同じメンバーですね。

そう語る清成選手の表情やこれまで聞いた言葉の端々から、本当にこのチームを引っ張って作り上げているライダーなんだなと感じる部分が多く、だからこそチーム力もあげて、みんなで準備から一生懸命一緒にやって、テッペンに立ちたいという気持ちが伝わってきました。

そんな清成選手に、8耐での残り1時間半あたりのあの熱い走りを観たら、全日本でもヤマハを倒すのは清成選手でしょ!と期待したくなります。そんな話をしたところ、8耐を通じて「やっぱり中須賀さんって凄いなと改めて感じた」という言葉が出てきて驚きました。

それは正式結果が出る前、暫定表彰式で2位表彰台にのぼったとき、素直に喜べなかったそうです。「僕はスタートして1番にチェッカーを受けるのが好きなんですよね。だから目標を表彰台って考えていたのは違うと思ったし、もちろん優勝を目指してやっているけど気持ちが少なかったかもしれない」。それをずっとやり遂げている中須賀さんが凄いと感じたと仰っていました。

清成選手は8耐での優勝経験も沢山あるライダーで勝ち方を知っているからこそ、少しずつの違いを感じて、そこはチームにも話していて...とホントにみんなで仲間と一緒に優勝する為に今まさにチーム作りをしているんだと感じました。

画像: 話すうちにいろんな表情を見せて下さった清成選手。仲間の話をしている時の優しさと愛のある表情が素敵でした。

話すうちにいろんな表情を見せて下さった清成選手。仲間の話をしている時の優しさと愛のある表情が素敵でした。

もてぎ2&4に関しては、新しいものは難しいとも仰っていましたが、それでも清成選手のあの走りが出た時には、いろんなピースが噛み合う時なので、後半戦どこでその走りが観られるのか? 開幕戦のもてぎの走りとはどう違うのか? ホントに楽しみです♪

注目のGSX-R1000R、それぞれの走りが楽しみ!

お二人ともホントにいろんなお話しをしてくださり、走りが楽しみですが、他にも金曜日の練習走行でコースインから勢いよく出ていき、午後の走行ではトップタイムを出した津田拓也選手。
また8耐は走れず悔しそうな表情もしていましたが、実況やトークショーをして盛り上げながらもチームに帯同して、海外の選手の走りやコメントを聞き、後半戦に気持ちをぶつけてきそうな亀井選手。

このお二人は スズキGSX-R1000Rで全日本ロードレースを戦うライダーですが、スズキといえば8耐での中盤までの勢いや、それぞれのライダーの頑張りはかなり盛り上がったポイントでした!
全日本も練習走行の結果だけをみるとヤマハvsスズキのような構図にも感じますが、実は、練習走行中にスズキの旗を掲げて応援している人もいました。そんな想いも背負ってお二人がどんなバトルを仕掛けにいくか気になるポイントです。

画像: 鈴鹿レーシングの杉山選手(左)と亀井選手(右)。元同僚です。

鈴鹿レーシングの杉山選手(左)と亀井選手(右)。元同僚です。

画像: #5 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN 亀井選手。

#5 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN 亀井選手。

画像: 後輩に愛されている津田拓也選手。

後輩に愛されている津田拓也選手。

画像: #37 AutoRace Ube Racing Team 津田拓也選手。

#37 AutoRace Ube Racing Team 津田拓也選手。

また、8耐には参戦していないので久しぶりに見る事ができたヤマハの中須賀選手と岡本選手。ファクトリーというオーラを感じさせるあの雰囲気は、インターバル挟んでも変わらずでした。

また8耐で表彰台に上がった名越選手の走りも注目ですし、どのライダーもそれぞれに物語や、積み重ねてきたものがあるのでホントに楽しみです。

私は決勝はYouTube観戦になってしまうのですが、練習走行を見ながらやっぱり決勝は自由席ならZ席かV字コーナー席で生の音や、あの雰囲気を味わいたかったなぁと感じました。
やっぱり現地観戦が一番ですからね!!

画像: もてぎのコースとパシャリ。

もてぎのコースとパシャリ。

2023 イデミツFIMアジアロードレース選手権のASB1000クラスに、SDG Motorsports HARC-PRO Homda PH から参戦していた埜口遥希選手が、インドネシアでのレースアクシデントで亡くなられたことを悼み、「もてぎ2&4」が開催されるモビリティリゾートもてぎで、参加選手、関係者らによる黙とうが行なわれました。
次戦九州大会の開催時に、改めて追悼セレモニーが行なわれる予定となっています。
謹んでお悔やみを申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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