こんにちは、林道ママこと松下時子です。電動オフロードバイク「CAOFEN F80 STREETロングレンジ」とオグショートランポで遊ぶ林道ツーリング『ミライ・リンドウ』の連載も5回目を迎えました。今回は、大阪盆地の南西部に位置するお菊山とボンデン山の山頂近くを巡る、予定でした……
林道2本が通行止め。最後の望みを持って向かった「林道高倉線」
スタートは道の駅根来さくらの里。ここから、約900年の伝統を誇る根來寺(ねごろじ)方面に向かいます。このお寺、戦国時代に大きな勢力を備えていたため、豊臣秀吉軍によって大塔などを残し全山焼失させられています。その後、江戸時代に徳川家のもと復興。焼失をまぬがれた大塔は、高さ40mを誇る日本最大の木造多宝塔として国宝に指定されています。
そして、林道2本目の目的地として向かうお菊山は、豊臣秀次の娘、おきくの伝説がある山です。「大坂夏の陣」でおきくが見た、落城の情景や生き抜いた体験談が『おきく物語』として残されています。そんな歴史的ロマンに満ちた舞台が今回のエリアです。
だけど、先に言っておきますね。林道は予定していた3本中1本のみ走行できて、ダート区間は1.8㎞でした……あぁ。
道の駅ねごろ歴史の丘からは、わずかな移動で「土仏林道~ボンデン山林道」への分岐に到着。分岐には「根来山げんきの森1㎞」の標識が立っています。これらの林道は約6㎞がダートで「ボンデン山林道」は高低差のあるシングルトラックもあり結構楽しめます。それに、大阪・和歌山の府県境上を走る区間は景色も開けていてとっても明るいです。
ボンデン山には展望台があります。大阪湾方角の展望は開けて気持ちよく、紀泉アルプス最高峰の雲山峰方角には緩やかな山並みが広がる景色を楽しめました……前回までは!
というのも、今回行ってみると、林道への分岐からわずか1㎞ほどで立入禁止に。あぁ残念。とはいえ、これは林道にありがちなシチュエーションなんですよね。
そんなわけで、ダートをこれっぽっちも走れずにUターン。今回走る予定だった林道3本中2本(土仏林道~ボンデン山林道)が走れないということで、3本目の「林道高倉線」に希望を託し、再出発します!
再び戻ってきたスタート地点の道の駅根来さくらの里を通過し、林道の堀河ダム側の分岐にたどり着くと、ゲートがオープンしていました! でも、次の分岐でゲートクローズ。どうも今日は、こんな日みたいです(笑)。それでもまだ希望はある。北側の入口に行ってみましょう!
府道63号で泉南市信達六尾まで来ると、泉南市民の里球場を目印に「林道高倉線」の北側入口にたどり着きました。通行禁止のゲート無し! よかった! そして本日初の砂利道がお出迎え。
嬉しくてカオフェンとグングン走っちゃいました。でもね、高倉林道展望所からのびのびと広がる大阪の景色を見逃してはいけません。泉南の町並に大阪湾上の関西空港、その奥には空と同じ青色の淡路島に神戸市を望みます。ブルーの色彩がステキ!
展望台から少し走ると「林道高倉線」の石碑がある峠に着きました。分岐する細い道は、最初にお話しをしたお菊山の山頂ルートで、自転車とバイクは進入禁止の札があります。そして清々しいほど平らなダートはここで終了! 7年間の間に2㎞の舗装化が進んでいました。
今回は、ルーティングの段階から走ったことがある箕面市周辺エリアも行政に確認をしましたが叶わず……諦めて今回のエリアにしました。走行できたダートはほんのわずかとなってしまいましたが、それでも林道から大阪府らしい景色を望めたことに救われました。
林道ツーリング好きの私としては、少しの林道と土地の恵みに触れて、歴史や伝統を楽しんでいただけたら嬉しいです。