「お前は何しにここに来たんだ?」
2021年はコロナ禍で中断してしまっていたこのEnduroGPへの挑戦ですが、今年は6月24日〜26日に開催されるイタリア大会に参戦できることになりました。僕としては3度目のEnduroGPになります。
EnduroGPは自分のエンデューロ人生に大きな影響を与え、もはや僕を形成する要素として欠かせないものになりつつあります。初めての参戦は2017年、IBに昇格した年(エンデューロ歴2年目)。今考えれば、右も左もわからず、スピードもテクニックもまだまだなのに、正直なところよく行ったと思います。
結果は両日DNF。
下手くそながら世界の壁を痛感し、日本では決してできない多くの貴重な経験をしました。そしてそこで「お前は何しにここに来たんだ?」と言われ、観客には中指を立てられ…。まさに身の程知らずという言葉がぴったりだったかもしれません。
僕はエンデューロと出会う前はトライアルに取り組んでいました。そのため、幼い頃からモトクロスやエンデューロに取り組んできたライダーに比べ、スピード競技に取り組むのが遅かったと思います。しかしそれは言い訳に過ぎませんし、言っても仕方ないことです。
EnduroGPからの帰りの飛行機で「どうしたら速くなれるのか」をひたすら考えた結果、帰国した翌日に勤めていた会社に退職届を提出。競技に対してかけられる時間を確保する方向に生活をシフトしていきました。
そして紆余曲折ありながらも2018年の夏、縁あってBetaライダーとして、よりいっそうエンデューロ漬けな生活を始め、2019年はイタリアへ半年の武者修行に行きました。2020年は若手に世界を見せたいという気持ちから保坂修一、青木琥珀を引き連れて2度目のEnduroGP参戦。
残念ながら肩の怪我が要因で完走には至らず。2021年はコロナの事もありましたが費用的にも厳しいと判断し、全日本エンデューロ選手権に集中して取り組みました。スピードトレーニングの甲斐もあり、得意なテストでは1番時計を連続で獲ることもでき、年間ランキングは自己最高位の5位でシーズンを終了。
2022年にはEnduroGPに再度出場し、もう一度自分の力を試したいという思いが沸々と湧き上がっていました。
EnduroGP出場にあたっての障害
プライベーターにとってEnduroGP参戦への1番の障害となるのが遠征費用です。その中でも大きいのがレンタル車両価格の高騰。全体的に物価も上がっているため、予想よりも経費が多くかかる見込みとなっていました。
以前までの参戦は貯金を切り崩すなどして参戦していましたが、その貯金も残すは微々たるもの。全日本出場、練習にも費用がかかる為出費が嵩みます。
「仕事をしないと費用が貯められない。しかし仕事ばかりだと練習時間が取れない」
こんな悪循環に陥りかけたところを多くの方々にご支援を賜り、この度実現に漕ぎ着けることができました。Tシャツをご購入いただいた皆様、個人スポンサーとなって下さった皆様、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
GAMMyがEnduroGPにこだわる理由
自分がEnduroGPに出場する理由は三つ。
1、挑戦しリザルトを残したい。そして世界との物差しとなる。
2、パイオニアとなり次の世代への橋渡しとなる。
3、自分の経験を日本の若手に還元し育成していきたい。
もちろん自己実現が1番先にきますが、EnduroGPが自分をエンデューロに惚れさせ、EnduroGPが自分のモチベーションであり、成長するきっかけとなったレースだからです。
日本の大会にはないコースのレベル。
日本の大会にはない盛り上がり。
日本の大会にはない環境。
などなど。
これらを生で見て感じて日本に輸入し、日本の競技レベル向上に繋げたいと切に願っています。
トライアル世界選手権への帯同
既に全日本トライアル選手権を観戦された方などはご存じだと思いますが、同じ宗七音響Wise Beta Teamのトライアルライダー、小川毅士のTrialGPフル参戦に伴い、仕事としてアシスタント業務を請け負う事となりました。
費用面の軽減の意味もありますし、お互いにフォローし合って、レースに取り組む形をとる事になっています。これに関してはメリット・デメリットは互いにありますが、メリットを重視し、おまけに競技種目は違えど海外でのレース経験ができるチャンスと捉えています。
今後この場を借りて、僕のイタリアGP、および小川毅士のトライアル世界選手権の内容も含めて情報を発信して行くつもりです!