4月9〜10日、全日本モトクロス選手権が開幕。各クラスでトップと競い合う若手の活躍が目立った今大会。特に、IA1ルーキーがここまで本格的に活躍するのは、何年ぶりだろうか。世代交代がなかなか進まないとされていた全日本モトクロスが、一気に動き出した感がある。

天候は土日ともに晴れ。Tシャツ一枚で過ごすことができるほど暑く、ライダーにとっては体力の消耗が激しい気候となった。コースは今大会に向けて全体を掘り起こし、こまめに散水が行われたため、いつも以上に荒れた状況に。ライダーには、正確なラインを見極めつつ、スピードを乗せていくテクニックが要された。

トップに迫るルーキーの勢い、IA1クラス

今シーズン、IA2からIA1に上がってきた大城魁之輔、大倉由揮、内田篤基の3人はIA2でトップを争った実力者。昨年度IA1チャンピオンの山本鯨が引退したことで、ホンダからはベテランのチャンピオン候補が不在という形に。そこでホンダがとった施策は、大城・大倉両名ルーキーをダブルエースに据えることであった。山本がチーム名に冠していた「Honda Dream Racing」は、HRCが関与する特別な扱い。ファクトリー活動は休止中なのでファクトリーには当たらないが、「ファクトリー級」と表現するに値するだろうか。

対して、ヤマハは昨年同様の富田俊樹・渡辺祐介の2名体制のファクトリーで臨む。こちらは、公道車などにも適用が想定されるヤマハの肝いりプロジェクトEPSの開発を主眼におく形の、新たなファクトリーの形。YZ450FMはEPSのみのアップデートだ。なお、このEPSの開発にあたり、オーストラリアからやってきたのがIA2でYZ250Fを駆るジェイ・ウィルソン。ウィルソンは、ヤマハチームの育成とEPSを目的にやってきており、IA1クラスの2名に対しても積極的にアドバイスなどをしていくという、強力な布陣である。

また、カワサキも昨年同様、能塚智寛がファクトリーを一身に背負う。こちらは、プロトタイプのKX450SRを投入しており、大幅な戦力アップを図ってきた。

画像: 大城魁之輔(#22)、渡辺祐介(#4)

大城魁之輔(#22)、渡辺祐介(#4)

ヒート1、予選でスタートに出遅れた富田俊樹が、決勝では好スタートを決めホールショット。順位が激しく入れ替わる中、富田、能塚、渡辺、大城という順で1周目を通過。能塚が富田との距離を詰め攻防戦を繰り広げたが、3周目に能塚が転倒しポジションを大きく落とした。富田、渡辺、大城、という順でトップ3が確立されると、そのままの順位でフィニッシュを迎えた。

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