ついに始まったダカールラリー2021。ステージ1は競技区間277kmを含む全行程623kmで争われ、TOPに躍り出たのはKTMファクトリーのトビー・プライスだった。
1位スタートのリッキー、最初のWP(ウェイポイント)で72位に
今年のダカールは、より高度なナビゲーションスキルが求められると言われていたが、昨年王者の想定をはるかに上回るものだった。実際のロードマップと地形を見ることが出来ないのが残念だが、今回のコースでは、川を渡ったところに分岐が設定されていたようだ。ただ川といっても当然、水が流れているわけではなく、似たような地形が続く中で、いくつか乾いた川のような地形があり、その中で、ロードマップが指し示すポイントで、分岐しななければならなかったが、残念ながら簡単なことではなかった。
プロローグのTOPグループとしてスタートした、リッキー・ブラベック、ホアン・バレダ、ダニエル・サンダーは最初のWP通過が遅れており、翻弄されたのはリッキーだけではなく、それほどに難しいナビゲーションだった。
追い上げを阻む岩場路面とタイヤ規制
最初のWPでミスをした彼らは言わずもがな速さに定評のあるTOPライダーであり、ミスをスピードでカバーしようと後半ペースを上げようとした。しかしながら、タイヤにダメージの大きい岩場(小石)の路面が現れ、また今大会から新たに安全に配慮して設定された”大会期間中に使用できる新品のリアタイヤは6本まで”のルールにより、明日も同じタイヤで走ることを考えると、思うようにペースを上げられなかった。
結果、ステージ1ではリッキーは24位、ホアンは20位、ダニエルは25位(スピード違反のペナルティにより18位から繰り下げ)となった。
着々と順位を上げていったトビー・プライス
TOP集団が翻弄される中、10位スタートのトビー・プライスは、少しのミスがあったもののの、すぐにリカバリーして、最初のWPを16位で通過。その後、WP毎に確実に、7位、2位と順位を上げ、4番目のWPで1位に。そのまま順位をキープし、ステージ優勝を飾った。
上位には、同じくKTMファクトリーのマティアス・ウォークナーは3位、サム・サンダーランドは4位。2位にHondaファクトリーのケビン・ベナバイズがランクインするも、KTMのTOP3が盤石な体制を築きつつある。
ステージ2では、今回とは逆に、KTMファクトリーがレースをリード、Hondaファクトリーが追いかける形になる。どのような展開となるのか楽しみだ
ステージ1順位表(暫定結果)
順位 | ゼッケン# | ライダー | チーム | タイム |
1 | 3 | (AUS) TOBY PRICE | RED BULL KTM FACTORY TEAM | 03H 17' 49'' |
2 | 47 | (ARG) KEVIN BENAVIDES | MONSTER ENERGY HONDA TEAM 2021 | 03H 18' 24'' |
3 | 52 | (AUT) MATTHIAS WALKNER | RED BULL KTM FACTORY TEAM | 03H 18' 24'' |
4 | 5 | (GBR) SAM SUNDERLAND | RED BULL KTM FACTORY TEAM | 03H 19' 52'' |
5 | 15 | (ESP) LORENZO SANTOLINO | SHERCO FACTORY | 03H 22' 14'' |
6 | 12 | (FRA) XAVIER DE SOULTRAIT | HT RALLY RAID HUSQVARNA RACING | 03H 22' 23'' |
7 | 6 | (ARG) FRANCO CAIMI | MONSTER ENERGY YAMAHA RALLY TEAM | 03H 22' 36'' |
8 | 9 | (USA) SKYLER HOWES | BAS DAKAR KTM RACING TEAM | 03H 23' 20'' |
9 | 77 | (ARG) LUCIANO BENAVIDES | ROCKSTAR ENERGY HUSQVARNA FACTORY RACING | 03H 25' 28'' |
10 | 87 | (ESP) ORIOL MENA | FN SPEED - RIEJU TEAM | 03H 26' 05'' |