トライアルでは、昨今クラッチをチューニングすることが常識になりつつあるそうです。クラッチをチューニングって、一体どういうことなのか…。トライアルのトップライダーも御用達のクラッチショップ、工房きたむらにて、セロー225を題材にその極められし秘技を取材してきました。これを読み終わる頃にはクラッチチューニングしたくてウズウズしていることを約束します。

そもそも良いクラッチとはどういうことなのか

画像: そもそも良いクラッチとはどういうことなのか

トライアルでは、クラッチを切った状態で2速や3速に入れて、思い切り全開にして100%の力をかけたい場面があったりします。そこで、力が逃げてしまったり、あるいは切っている時にキレが悪く、少し進んでしまったりしては、結果も出せません。ダイヤフラム式のクラッチがガスガスの手によって市販化され、それを契機に「クラッチをちゃんと精度を出す」ことが求められるようになったとのこと。

セローにおいても、ステアにチャレンジしたいようなライダーには、やっぱり「良いクラッチ」が必要です。ちなみに、良いクラッチは、クラッチのつながる位置も安定しているので、フロントアップもすごく安定します! 北村さんのセロー225で、僕もめっちゃ簡単にフロントをあげることができました!!

クラッチの安定性を生み出すヒミツ

まずは工房きたむらで販売しているクラッチリテーナー。これを装着するとなめらかなクラッチが手に入るという代物。では、なぜそのようなパーツが必要になるのか? その理由を工房オーナー北村さんの解説を交えて色々聞いてみました。

画像1: クラッチの安定性を生み出すヒミツ

プレッシャープレートの穴中に傷があるのが見えるでしょうか。これは穴の中でクラッチスプリングが暴れたためについたもの。スプリングが動いてしまうことによって振動が生まれ、それがクラッチ全体に伝わります。すると、その振動がクラッチの摩擦を阻害するために繋がりにくくなるのです。「つまり振動が生まれるから繋がりにくくなるわけであって、その最初の振動をいかにして抑えるか、の1つの方法としてクラッチリテーナーが役に立ちます。セローはその効果が特に実感できると思いますよ」と北村さん。

画像2: クラッチの安定性を生み出すヒミツ

リテーナーの取り付け方法は簡単。純正のボルトを付属の物に変えて、リテーナーの受け側の溝にスプリングをを合わせるだけです。リテーナーがクラッチスプリングにフィットすることでスプリングの揺れが抑えられます。そうすることで正確なクラッチ操作を生み出し、寿命も伸びるというわけなんです。

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