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「ぼくが走れたぐらいですから、エンデューロならではのテクニックはそんなに必要ないですよ。それよりも、これはモトクロスですね…」。最もキツいルートが続いてライダーたちをコテンパンにした4日目、渡辺学はそう話した…。 ISDE2019ポルトガル大会の取材から。

画像1: BTM通信 Vol.20 - 渡辺マナブが見たISDEの真実 - 取材者雑感

第74回FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ・ポルトガル大会
文 / 春木久史
写真 / 稲垣正倫

画像2: BTM通信 Vol.20 - 渡辺マナブが見たISDEの真実 - 取材者雑感

今年のシックスデイズはどうなんだろう。厳しい大会になるのか、比較的やさしい大会になるのか。プレスルームにいる人たちと、そんな会話をすることがありますが、結局は次のような言葉で議論は終わります。

簡単なシックスデイズなんてないよ

「コースが簡単に見えたり難しく見えたりすることはあるけど、6日間を通じて、毎日のスペシャルテスト(タイムトライアル区間)で実力のすべてを出して勝負し続ける。その意味で簡単なシックスデイズなんてものは無くて、6日間を走り切るのはいつも難しい」。

エンデューロというと、今や多くの人は、エルズベルグロデオに代表されるエクストリームエンデューロのような、見た目にも激しく、前進するのも大変なコースで行われるレースを想起します。それは、間違いでもありません。ISDEにもそういう場所はあります。が、それはこの競技の一面に過ぎません。モーターサイクルの信頼性とライダーの技術向上に資する目的で、モーターサイクル工業の黎明期から続けられているこの競技は、6日間を通じて、まさに、それを試そうとするものです。あらゆゆる条件下で、確実に移動する能力、速さ、耐久力、様々な局面への適応力。

画像1: 簡単なシックスデイズなんてないよ
画像2: 簡単なシックスデイズなんてないよ

ライダーとしてのすべてを試す

11月のポルティマンの気候は、必ずしも快適ではありませんでした。乾燥、冷雨、強風、ひどい埃、強い日射。ドラスティックに変化する天候も、モーターサイクルとライダーを試しました。競技日程半ばには寒さがライダーを襲いました。長いリエゾンを走り抜けてスペシャルテストのスタートに到着したライダーが、かじかんだ手をマフラーの排気で温めている姿が印象的でした。

画像: ライダーとしてのすべてを試す

日本代表メンバーの一人、渡辺学は6日間の終了後、次のように話しました。「これはエンデューロではなくてモトクロスですね」。ISDEで良い成績を出すには、とにかくスペシャルテストでのスピードが必要で、いわゆる難所的なセクションで求められるエンデューロならではのテクニックはそれほど必要ない、と。

あのマルコム・スミスが走った6日間を

これはISDEという競技の本質を、少しわかりにくいですが、鋭く突いた言葉です。ISDEというのは「エンデューロライダー」というスペシャリストが集まって競い合っているものではないということです。モーターサイクルの基本的な操縦技術、あらゆる局面でそれを走らせ続ける技術を競う。マルコム・スミス、ステファン・エバーツが走ったISDEを思い出していただいても良いと思います。

日本のワールドトロフィチームは2006年ニュージーランド大会への挑戦から始まりました。今年のチームは、ひとつのステップを上がったのではないかと感じています。それを象徴しているのが、渡辺学の言葉です。

画像: あのマルコム・スミスが走った6日間を

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