ソフトよりのコンパウンドながら、しかし耐久性は充分

オフロード用タイヤとしては、中間ぐらいのコンパウンドで、FIMエンデューロタイヤとしては柔らかい部類だと思います。これがとても調子が良くて、HTDEで多い、テクニカルセクションで完璧な仕事をしてくれます。特に、木の根が露出したシングルトラックや、河原のロックセクションで素晴らしいトラクションを発揮しました。

それでいて耐久性は充分です。私は1日目の走行終了後に、後輪だけタイヤ交換をしてからバイクをパルクフェルメに入れましたが、実際には摩耗は少なく、まだまだ性能は落ちていなくて、無交換でも問題なかっただろうと思っています。

画像: 1日目最後のタイムチェックでタイヤ交換をする鈴木健二

1日目最後のタイムチェックでタイヤ交換をする鈴木健二

柔軟性と排泥性の良さが両立している

HTDEのような競技では、厳しいコンディションでどれだけライダーを助けてくれるかが重要です。EN91のフロントに関しては、新しい台形状のブロック形状が、柔軟さと、泥での強いグリップの両方で優れています。リアは、ブロックが進行方向に傾斜していてグリップ感が強く、しかも排泥性が良好です。特に2日目に雨でコース全体がひどいマディコンディションになった時に完璧なトラクションを発揮してくれました。スピードが必要な時は、まったく躊躇することなくスロットルを開けることができました。現場にいた人ならわかると思いますが、本当にすごい雨で、林間のシングルトラックも、草地のクロステストも深いワダチだらけになりました。

EN91は、FIMエンデューロタイヤとしても、排泥性の高いアグレッシブなトレッドデザインで、今回の2日目では敵無しだったと思います。ブロックが柔軟でロックや木の根で乗りやすいのに、泥にも強いというのは、新しいブロック形状とトレッドデザインのおかげでしょう。

ムースはボリュームを調整して使用した

私のHusqvarna FE350に装着したEN91は、140/80-18サイズで、ムースもダンロップです。HTDEで使用するには、ムースが少し硬すぎると感じたので、チームはムースに適度に肉抜きの穴を追加してボリュームを調整してくれましたが、これも完璧なセッティングでした。ソフトでグリップが良く、かつ充分ハイスピード走行にも対応する剛性がありました。サイドウォールが柔軟でタイヤの脱着が容易なのも好きですね。

画像: 2日目、雨でヘビーマディとなったクロステストを飛ばす鈴木健二とSEROW250、その激走を支えたのもこのタイヤだった

2日目、雨でヘビーマディとなったクロステストを飛ばす鈴木健二とSEROW250、その激走を支えたのもこのタイヤだった

探し求めていた性能

このタイヤはデビューしたばかりですが、私と同じようにこのタイヤのファンになった人は多いと思います。ロングライフで、いろいろな路面で性能の高いタイヤを探しているレーサーには特におすすめできます。また、主にオフロードユースだけど、道路も走ることがあるという人にも。FIM規格のタイヤが必要なイベントに出場するなら、EN91を選んで間違いありません。

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