2019年は全7戦が組まれているENDURO GP (FIMエンデューロ世界選手権)」。2ストローク125ccから、4ストローク500ccまで、いろいろなエンデューロマシンが走っているが、ここで排気量クラスについて解説しておきたい。
ENDURO GPのクラス区分
E1クラス 2T250cc/4T250cc
E2クラス 4t450cc
E3クラス 2T300cc/4T500cc
GPクラス E1.E2.E3の総合
EJクラス 23歳以下
ユース125クラス 21歳以下 2T125cc
E1.E2.E3に参加しているライダーは、GPクラスにも自動的に登録され、オーバーオール成績を競っていることになる。
E1クラス
2ストローク250ccと4ストローク250ccが同じクラスで戦っていて、マシン的には2ストの方が有利という見方が一般的だ。現在、Beta RR2T 250のブラッド・フリーマンが首位。4ストローク250ccでは、ShercoのSEF-R250が健闘している。
E2クラス
4ストローク450ccがメインのクラス。今年は新体制となったホンダオフィシャルチームRed MotoのCRF450RXの活躍が目立つ。またイタリアのtmレーシングが走らせている4ストローク300ccも優れたハンドリングで好タイムを出している。YZ450FXも好調だ。
E3クラス
2ストローク300ccと4ストローク500ccのクラスだが、ここ数年は事実上、軽量でエンデューロ向きのパワーデリバリーを持つ2ストローク300ccのクラスになっている。オーバーオールのGPクラスのタイトルも、3年連続でE3マシンだ。中でもBetaのRR2T 300ファクトリーマシンが強い。今年はtmレーシングの300も一勝を挙げそうだ。
ユース125ccクラス
現在2ストローク125が活躍するのはこのクラスだけ。ライダーもやんちゃだが、マシンも元気なのが揃っていて面白い。このヤングスターたちに人気なのが、Beta125、Sherco125、それにヤマハYZ125のユーザーもいまだに多い。基本設計を約20年前に完成させたというマシンだが、今も世界の頂点を目指す多くの才能を育てているのだ。
排気量クラスの今後
ENDURO GPは、ヨーロッパを中心としたモータースポーツ文化の典型で、比較的小規模なメーカー、小チームが活躍する場であり、またファンも自ら競技にも参加するという熱心なユーザーたちだ。そうしたメーカー、チームが存分に活躍し、ファンを満足させるために、こうした多様なクラス区分がある。排気量クラスは、これまでも数年のスパンで変更されてきたが、今後もそうした変化は続けられるだろう。特に、現在は4ストロークマシンの活躍の機会が少ないため、これが見直されていくことになるはずだ。