5月30日(土)、2026 AMAプロモトクロス選手権第1戦が、アメリカのカリフォルニア州にあるフォックス・レースウェイにて開催された
注目ポイント
・怪我明け復帰の開幕戦、フィジカル・メンタルともに万全の状態でレースに臨む
・バイクのセッティングとスタートに課題
・「80%くらいのパフォーマンス」下田が振り返る開幕戦
下田丈、怪我明けの開幕戦に万全の状態で臨む
5月30日、AMAスーパークロス最終戦から2週間の期間を経て、AMAプロモトクロス選手権が開幕した。スタジアム内に作られたコースで競うスーパークロスに対し、自然の地形を生かした屋外のコースを使用する「アウトドア」とも呼ばれる全11戦のシリーズ。30分+2周の2ヒート制とレース時間が比較的長いのも特徴だ。
この2シリーズを合わせたスーパーモトクロス(SMX)で、ランキング上位を争う唯一の日本人ライダーとして、下田丈がTeam HRC Progressiveから250ccクラスに出場している。今シーズンを振り返ると、AMAスーパークロス第12戦の転倒により下田は左腓骨を骨折。第13戦からの5戦を全て欠場し、約2ヶ月ほど療養とプロモトクロス選手権に向けて乗り込みを続けていた。
迎えた開幕戦当日。250MXのタイムドクオリファイでは、リーバイ・キッチンがトップタイム2:19.854を記録。2番手にセス・ハマカー(2:21.451)が続き、下田は14位につけた。
追い上げの4位フィニッシュ

© 2026 MX Sports Pro Racing
Moto1(決勝ヒート1)はハマカーがホールショットを獲得し、チームメイトのニック・ロマーノ、そしてケイデン・ダドニーが続く展開。下田はスタートでやや出遅れる形となり、後方からの追い上げを強いられた。フォックス・レースウェイはラインの選択肢が限られる特徴があり、後方からの追い上げは比較的難しい。それでも下田は着実に前のライダーを捉え、ポジションを上げ続け4位でフィニッシュを果たした。
なお、優勝は8番手から追い上げたキッチン。レース残り約9分30秒というところでハマカーをかわしてトップに浮上すると、そのままの勢いでレースを制した。2位にハマカー、3位にはコール・デイビスが入賞した。

© 2026 MX Sports Pro Racing
Moto2はジュリアン・ブーマーがホールショットを奪ったが、ハマカーが追い上げてレース中盤にトップを奪取。終盤はハマカーとブーマーの一騎打ちとなった。一方、下田は13番手から追い上げを強いられる。着実にポジションを上げるが、レース中盤には前のライダーにアタックを仕掛けたところでエンストしてしまう場面も。それでも下田は諦めることなく周回を重ね、7位までポジションを回復してフィニッシュ。
Moto2は1位ハマカー、2位ブーマー、3位ライダー・ディフランシスコという順位。両ヒートともに表彰台でまとめたハマカーが、自身初の総合優勝を獲得、下田は総合では4-7の6位という結果となった。
【ポイントランキング】
1位 セス・ハマカー:47pt
2位 リーバイ・キッチン:34pt
3位 コール・デイビス:34pt
4位 ケイデン・ダドニー:34pt
5位 ジュリアン・ブーマー:33pt
6位 下田丈:33pt
Fox Raceway 2026 | Pro Motocross 250 Class Highlights
youtu.be下田丈コメント
今大会について、下田はレース後のインタビューでこう振り返った。
「怪我は一応完治しているんですが、靭帯や可動域がまだ回復途中で、痛みも少しあります。ただ回復率はほぼほぼ100%に近い状態なので、ライディングには問題ありません。この開幕戦に向けて、1ヶ月半ほどしっかり準備期間を設けたので、フィジカル的にもメンタル的にも自信を持ってレースに臨めたのは良かったと思います。
フォックス・レースウェイは少し特殊なコースで、整備が入るとコースの片側だけが綺麗で、もう片側はマディという路面状況になって、ラインの選択肢が限られるんです。毎年トップから15位ぐらいまでのライダーのタイムは僅差なので、自分がどれだけ乗れていても、後ろから追い上げてパッシングするのが難しいです。今回特に大事だったのは、スタートで前に出て、序盤にどれだけ上位に入れるかというところ。そこができなかったのが今回の課題でした。
また、開幕戦に向けてフロリダでテストを重ねてきたのですが、普段練習しているコースがサンドなのもあり、サンド路面向きの偏ったセッティングでレースに臨んでしまいました。具体的には、サンドだとフロントをどんどん硬くして、逆にリアは柔らかく、いわゆる『チョッパー』な状態にするのが基本的な考え方です。ただ、そのセッティングのままハードパックを走ると、トラクションに問題が出たり、フロントが硬すぎて上手く曲がれなかったりする。バイク自体は安定するんですけど、小回りができなくなるんですよね。その辺をアジャストしていくのが少し大変で、8割ぐらいのパフォーマンスしか発揮できなかったです。
Moto2に関しては、レース中盤で前のライダーを抜かそうと仕掛けたのですが、上り坂でかつ砂埃で視界があまり良くなくて、走ったラインにあったギャップか石に当たってしまいました。転倒はしなかったんですが、エンストしてしまって、あれはもったいないミスでした。
課題もはっきり見えているし、チームもそれを理解しているので、今週テストしてしっかり修正していきます。ポイント的にも1位のハマカー以外は結構僅差なので、次のレースで両ヒートしっかり結果を残せれば、一気に引き離せると思っていますし、それを目標に頑張りたいです」
450クラスはハンター・ローレンスが完全勝利で開幕戦を制す

© 2026 MX Sports Pro Racing
450クラスでは、復帰戦となるジェット・ローレンスや、250ccからステップアップしたヘイデン・ディーガンの参戦に注目が集まった。そんな中両ヒートで優勝を飾ったのがHonda HRC Progressiveのハンター・ローレンス。タイムドクオリファイから見せていた勢いそのままに、Moto1はすぐに先頭に立つと、徐々に後続を引き離し、8.7秒差をつけてレースを制した。2位ホルへ・プラド、3位にジャスティン・クーパー、ジェットは4位、ディーガンは5位という結果でフィニッシュした。
Moto2は一時プラドがトップに立つも、ハンターがパスしてリードを奪い返す。その後6秒以上の差をつけて独走状態に持ち込む。一方、ジェットも前半のうちに3位まで浮上。ハンター、プラド、ジェットの順でゴールを果たした。総合順位は、ハンターがキャリア2度目の総合優勝を獲得。2位プラド、3位ジェットと続いた。
Fox Raceway 2026 | Pro Motocross 450 Class Highlights
youtu.be次戦は6月6日(土)、カリフォルニア州にあるハングタウンにて行われる。


