モトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」が、10月3日から5日にかけて開催中。Off1.jpでは会場となるアメリカ・インディアナ州にあるアイアンマン・レースウェイで現地取材を行い、速報をお届けする
フリープラクティス
予選日となる大会2日目、午前中に40分間のフリープラクティスが行われた。各クラスのベストラップタイムを見ると、MXGPクラスはジェット・ローレンスがトップに立ち、2番手以降のティム・ガイザーやルーカス・クーネンと2秒ほど差が開いている状況。一方MX2クラスはジャスティン・クーパーがトップ、MX OPENクラスはハンター・ローレンスがクラス内最速のラップタイムを叩き出した。日本代表メンバーのベストラップタイムを見ると、大倉がクラス内22番手、中島は16番手、下田は6番手。予選に向けてマシンの調整を行いつつ、調子を上げていった。
総合10位、2016年以来の決勝進出

迎えた予選1組目、MXGPクラスには#79大倉由揮が出場した。序盤19番手あたりにつけると、混戦の中でも徐々にポジションをアップ、15番手あたりまで順位を上げる。その後も前を走るライダーを猛追し、勢いのある走りで攻め続けたが、レース終盤で身体がマシンから吹っ飛ぶほどの大クラッシュ。しかしすぐに復帰し、順位を大きく落とすことなく19番手でフィニッシュを果たした。

予選2組目は#80中島漱也が出場するMX2クラス。中島もスタートで良い反応を見せ、1周目を12番手あたりで通過。12〜15番手あたりは集団となり、接戦が繰り広げられたが、中島も周りに負けずバトルを展開。結果14位でチェッカーを受けた。

最後の予選となったMX OPENクラスには#81下田丈が出場。好スタートで抜け出し4番手につけると、レース序盤から上位争いを展開。かなりの接戦となったが、冷静に前のライダー2人をパスし2位に浮上した。その後、トップのハンター・ローレンスを追いかけるも、序盤で差が開いていたこともあり、そのままの順位でゴール。初めての450ccでのレースとなる中、下田のテクニックとスピードが光った。

MXoNはチーム内上位2名の順位の合計で総合順位が決まる。結果は大倉が19位、中島が14位、下田が2位となり、日本は14+2で16ポイント。総合10位で、見事決勝進出を果たした。なお、日本代表が決勝へ行くのは2016年以来9年ぶりだ。
ライダーコメント

「初めてのコースだったので、まず40分間のフリープラクティスではしっかり乗り慣れていこうという気持ちで走りました。何回かアタックしたのですが、ジャンプの距離感などが掴み切れず22番手タイムで終えました。予選はトップバッターということで緊張がかなりあったのですが、気持ちを落ち着かせて、序盤15番手くらいにつけて良いペースで走れていました。レース終盤にかけて前のライダーに追いついて、チームのためにもうひとつ順位を上げたいとプッシュしたのですが、その時に派手に大クラッシュしてしまいました。転倒してしまった……と一瞬気持ちが落ち込んだのですが、バイクに跨った瞬間に観客の方が「Yeah!!」と声援をくれて。それが後押しになりました。あんなに大きな転倒がありながらも19位でまとめられてよかったです。決勝もやりきりたいと思います」(大倉)

「グリッドは真ん中より少しアウト側を選びました。イン側のライダーがアウトに膨らんできて少し押し出されましたが、MXGPクラスのスタートを見てこの傾向があることはわかっていたので、予測して走りつつ、10番手くらいにつけることができました。公式練習の最後10分くらいで感覚を掴めたので、その慣れが予選に生かされて、自分の走りに集中できました。序盤に前を走るライダーに追い付いたのですが、手こずってしまって、その間に後ろからライダーが近づいてきて一つの集団になってしまいました。早めに前に抜け出すことができればもう少し上にいけたと思うので、レース前半のスピードは決勝に向けての課題です。僕の役目としては、なるべく良い順位で終えて丈へのプレッシャーを軽くするということだったので、少しは力になれたかなと思います。予選通過して安心しましたが、決勝を走りにきてるので、気を抜かず頑張ります」(中島)

「4年に一回アメリカで開催するということで、今回は450ccマシンに乗って出場するという新たなチャレンジも含めて参加させてもらいました。9年ぶりに決勝進出ということで、チームにとっても良い結果になってよかったですし、予選ですけど良い結果で終えることができたのはシンプルに嬉しいです。450ccにしたのは、日本チームが予選通過する確率が一番高いのがまず僕がMX OPENに出場することで、個人的にも450ccでチャレンジしてみたかったというシンプルな理由です。ただ、SMXシーズンが直前まであったので、実はMXoNに向けて450ccに乗って練習できたのが3回しかなくて。当日のフリープラクティスでも最後まで調整をしつつ、かなりぶっつけ本番みたいな感じで挑みました。マシンを乗りこなすのは難しいですが、HRCの最高峰のチームスタッフたちがマシンを作ってくれているおかげもあって今回の結果が出せたと思います。決勝も楽しんでいきたいです」(下田)
決勝レースは日本時間で10月6日2:10から。有料ではあるがライブ中継も行われる。