全日本ロードレース第6戦「もてぎ2&4」が終わりました。鈴鹿8耐明けから、特に関東は天候が不順で、半月のあいだ、毎日どっかの時間帯で雨が降って、もてぎ大会も不順な天候のなかで開催されました。公式予選が行われた土曜には、朝のうち雨が降り、走行時間帯はドライコンディション、夕方に豪雨、というお天気。日曜はやや回復したものの、夕方にザッと通り雨。けれどJSB1000クラスの時間帯には降らずに、ドライコンディションのまま行なわれました。

画像: スタート直後! 津田が一歩リードしますが、ヤマハのふたりがレースをリードします

スタート直後! 津田が一歩リードしますが、ヤマハのふたりがレースをリードします

レースは、ポールポジションからスタートした野左根航汰(ヤマハファクトリーレーシング)を、チームメイトの中須賀克行がピタリとマークし、ポジションを入れ替えながら周回を消化。レース序盤からこのふたりが抜け出し、3番手以降は3秒後方、5秒後方、と差が広がっていきます。序盤は3番手に津田拓也(ヨシムラスズキMOTUL)がつけますが、津田は90度コーナーでオーバーランを喫し、そのあとは高橋裕紀(モリワキMOTULレーシング)と高橋巧(MuSHASi RTハルクプロホンダ)、渡辺一馬(カワサキTeamグリーン)の3番手争いから高橋巧が抜け出し、さらに渡辺と高橋裕紀をかわした津田が、3番手争いになんとか再参加しようと追い上げます。

画像: 序盤の3番手争い。この時点では津田は6番手にいますね

序盤の3番手争い。この時点では津田は6番手にいますね

「スタート直後からちょっとトラブルを抱えてしまって、90度でオーバーランしてしまいました。その後はなんとか持ち直せました」と津田。これにより、前のエントリで『注目は津田』と言ってきた私の着眼点は外れてしまうわけです><
レース序盤のトラブルが後半につれて解消するってことは、ガソリン満タン時の重量配分なんかが関係しているのかな。この大会は、もてぎを23周(1周4.801km×23周=総距離110.423km)と長く、レース序盤と終盤は、車両重量が20kgも変わってしまうわけですからね。

トップ争いは、相変わらず中須賀×野左根の一騎打ち。3番手争いも、単独走行と思われていた高橋巧に津田が徐々に追い付き、ここでもバトルが繰り広げられます。その後方に高橋裕紀、渡辺、さらに後ろに山口辰也(TOHOレーシング)、清成龍一(モリワキMOTULレーシング)、濱原颯道(ヨシムラスズキMOTUL)といったオーダー。今回は、単独走行でポジションが決まるより、コースのあちこちでバトルがあったのが印象的でした。

画像: これは土曜の公式予選、#5野左根の背後にピタリとつけた#1中須賀

これは土曜の公式予選、#5野左根の背後にピタリとつけた#1中須賀

画像: こちら決勝レース レースの大半をこのポジションで周回しました

こちら決勝レース レースの大半をこのポジションで周回しました

ラスト5周には、10周かけて高橋巧との差を詰めていた津田が前に出て3番手に浮上。高橋は、最大で3秒以上あった差をレース終盤にグッと詰められ、とうとう逆転を許してしまいます。
「土曜の予選ではリアのグリップを出せなくて、日曜朝のフリー走行でセッティングを変えていいフィーリングになったんです。(注:日曜朝のフリー走行はトップタイム)それで、決勝に向けて、欲を出してもう一歩進んだ仕様にしてみたら、これが外れてしまった。減速で苦しみました。きれいに減速できないというか、すぐにリアが出てしまって、ペースが上げられない。それで津田さんに追いつかれ、逆転されてしまいました」と高橋巧。

トップ争いは、この頃に中須賀がペースアップを図り、ピタリと背後につけ続ける野左根を引き離しにかかりますが、ラスト3周にまさかの単独転倒! 6月のもてぎ大会では、V字コーナー立ち上がりで周回遅れと接触して転倒してしまった中須賀ですが、今度はV字コーナーの入り口、ブレーキングでフロントを逃がし、単独で転倒してしまいました。そういえば、中須賀は野左根に先行され、2位に終わった公式予選終わりに、こう話していました。

画像: 転倒、再スタートからピットに戻った中須賀 ラスト3周の出来事でした…

転倒、再スタートからピットに戻った中須賀 ラスト3周の出来事でした…

「優勝できた鈴鹿8耐では、ブリヂストンの16.5インチタイヤを使ったんですが、今回のレースからまた17インチに戻ります。木曜のフリー走行では結構てこずってて、前回のもてぎほどはタイム出なかったんですが、フィーリングも悪くないし、戻ってきている。決勝は勝負できると思います。調子もいいし、全力で(野左根を)倒しに行きます」
中須賀に、いぜん残る16.5インチと17インチタイヤの違和感。鈴鹿8耐前に話を聞いた時には、16.5インチを使用していた2016年モデル、ほぼそのままのマシンに17インチを履いていたので、前回のもてぎ大会からスイングアームを変え、車体の剛性バランス、前後の重量バランスなどを見直したことで、走りは戻ってきた、と語ってくれていました。
事実、その改良型の車体を持ち込んだもてぎ大会でトップを独走。最終ラップで転んでしまいましたが、あの偶発的アクシデント、もらいクラッシュがなければ、間違いなく優勝したでしょう。続くオートポリス大会では、今シーズン初優勝を達成しましたしね。

画像: 今シーズン2勝目を挙げた野左根 フォームのクセがスゴい

今シーズン2勝目を挙げた野左根 フォームのクセがスゴい

結局、レースは中須賀の脱落で、野左根が6月のもてぎ大会に続く今シーズン2勝目を挙げ、2位に津田、3位に高橋巧が入りました。高橋は津田にかわされてから、うまくマシンに乗り方を合わせてペースダウンを避けられた、と言いますが、一度かわされた後に、再び津田との差を詰めながら、再逆転には至らず、でした。4位にJSBクラス自己最高タイ記録となる高橋裕紀が入りましたが、高橋裕紀とトップの差は約27秒。これは納得できない4位でしょう。

画像: 2位に入った津田、順位を落としたあとのカット フロントタイヤに泥がついています

2位に入った津田、順位を落としたあとのカット フロントタイヤに泥がついています

画像: 3位に入った高橋巧 減速時の安定性に苦しんでの3位 苦しいときにもポイントを獲るのが大事!

3位に入った高橋巧 減速時の安定性に苦しんでの3位 苦しいときにもポイントを獲るのが大事!

「前回のもてぎに続いて、中須賀さんの転倒で優勝したかんじですが、前回はぜんぜん歯が立たずに、今回は終盤まで勝負できた、そんなレースでした。ずっと中須賀さんの背後について、毎周のようにアタックするポイントを考えていたんですが、中須賀さんも毎周のように走り方やラインを変えてきた。何度か前に出たんですが、逃げられずにすぐに前に出られる、の繰り返しでしたね。終盤、少し離されてしまいましたが、前回よりは自信がついた。優勝は素直に嬉しいんですが、口惜しい部分もあります」と野左根。野左根はこれでシーズン2勝目。開幕戦を転倒で落とし、6月のオートポリス大会は世界耐久と日程がかぶって欠場していますからランキングは6位ですが、勝利数は高橋に並ぶ最多勝。残り3戦4レースありますから、まだチャンピオン争いは混とんとしていますね。
■シリーズランキング(第5戦終了時)
1 津田拓也  ヨシムラスズキ   117P
2 高橋巧   ハルクプロホンダ  112P
3 渡辺一馬  チームグリーン   110P
4 藤田拓哉  ヤマルーブ     91P
5 濱原颯道  ヨシムラスズキ   85P
6 野左根航汰 ヤマハファクトリー 82P

画像: もてぎで2連勝を挙げた野左根 高橋も野左根も、本調子の中須賀に競り勝って優勝したいところでしょう

もてぎで2連勝を挙げた野左根 高橋も野左根も、本調子の中須賀に競り勝って優勝したいところでしょう

まだ優勝はありませんが、全戦ポイントを獲得し、2位3回を獲得している津田拓也がランキングトップ。5ポイント差で優勝2回、ノーポイント1回の高橋巧が2位につけ、その2ポイント差に全戦ポイント獲得の渡辺一馬が3位につけています。現在は、この6人くらいがチャンピオン候補と言ったところでしょうか。

先輩越えを果たした野左根、序盤のコースアウトから追い上げが激しかった津田。そして悪いときにもきんとポイントを持ち帰る高橋巧。この3人が軸となってシーズンが進んでいきます。
次戦オートポリス大会は9/10が決勝日。今シーズン3度目の2&4レースです!

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