画像: 3連覇を目指すヤマハファクトリーレーシング。左からマイケル・ファン・デル・マーク、中須賀克行、アレックス・ロウズ

3連覇を目指すヤマハファクトリーレーシング。左からマイケル・ファン・デル・マーク、中須賀克行、アレックス・ロウズ

鈴鹿8耐ヘ向けて、事前合同テストも終わり、いよいよ決戦まであと2週間! 今年の鈴鹿8耐は、決勝日が7/30のため、毎月1日発売の本誌は、いかなフル回転で超速報をしようとしても、誌面に載ることはありません。なので、レース前情報、鈴鹿入りしてからの情報は、ここWebオートバイで詳報します! よろしくご覧ください^^

ヤマハ全社あげてモチベーションを上げるイベント!

今日は、ヤマハ本社へイベント取材に行ってきました。とはいえ、平日に本社横のコミュニケーションプラザで行なうってことは、一般のファン向けイベントではありません。そう、ヤマハ発動機の社員へ向けての宣言というか、壮行会ですね。ヤマハという大企業の中にあって、必ずしもレースグループのやっていることを知っている社員の方ばかりじゃありませんからね。それを周知徹底させて、会社全体のモチベーションを上げていこう、って狙いのイベントなんです。
イベント開始時刻は18時、社員のみなさんが終業してからです。勤務地もバラバラなヤマハ社員の皆さんが徐々に集まってきて、いつのまにか、100人収容のホールはいっぱいになり、立ち見が出るほどの盛況となったのです。最終的に130人ほどのお客さんがいらっしゃいました。

画像: コミュニケーションプラザのホールに詰めかけたヤマハ社員のみなさん プレゼント抽選会まで!w

コミュニケーションプラザのホールに詰めかけたヤマハ社員のみなさん プレゼント抽選会まで!w

まずは「ヤマハファクトリーレーシング」として参戦した、2015~2016年の様子をおさらい。もちろん、ハナ金にわざわざ終業後に集まるんですから、来てくださっているのは社員の中でもレース好きなみなさん。ヤマハファクトリーレーシングの2連覇は、当然のように知っています。
出席者は吉川和多留監督、ライダーの中須賀克行、それにヤマハレースグループの辻部長、開発部の橘田主査。司会進行は、鈴鹿サーキットレースアナウンサーの辻野さん。
以下、主要な一問一答です。

画像: イベントに出席した、左から橘田主査、中須賀克行、吉川監督、辻部長の4人

イベントに出席した、左から橘田主査、中須賀克行、吉川監督、辻部長の4人

――事前テストは順調に終わったようですが、まず吉川監督。今年の流れはいかがですか?
吉川「中須賀を軸に、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マークの3人で戦います。みんな本職がR1乗りなんで、去年のMotoGP乗りのポル・エスパルガロより、ある意味スムーズに事が進んでるかな、と。今のところは、中須賀が普段作っているマシンが、基準としていいマシンになってるのか、いい感じで進んでいます。3人ともライダーがお互いを尊重してね。マイケルは、これまでまでハルクプロさんから出場して、2回優勝してますよね。あいつがいいヤツでね。好青年というか、育ちがいいというか、いいヤツですよ」
――これまで2連覇しています。今年の分の上積みはいかがですか?
吉川「2015年はR1デビューイヤー。まだまだ手探りの中で、ドキドキで見てたレースでした。それから1年、2016年は予定通りにコトが全部進んで、最後の方は、すごく安全方向に、じっくりピット作業を進めたり、余力を持っての優勝でした。もちろんレースは相手あってのこと、今年はまわりが新型マシンになって、戦闘力が上がってきているから、昨年のような余裕はないです。ここを詰めていくレースになると思います。事前テストは、タイムアタックというより、いろんなセッティングを試してみたり、急に条件が変わった時の想定をしたり、ロングランやって燃費をチェックして。ぼく走るわけじゃないんで言っちゃいますけど、3人とも2分06秒で走ってくれるでしょう(笑)」
――その中須賀さん。8耐直前のオートポリス大会で優勝。涙の優勝でしたね。
中須賀「全日本の話題はやめませんか?(笑)いや、オートポリス後の涙っていうのは、それほど優勝に飢えていたというか、これほどうれしいものか、と。初めて優勝したような喜びだったし、チームにいい流れを持ってこられた、いい勝利でしたね」
――今年のペアライダーはどうですか?
中須賀「アレックスとは去年も一緒にやって、マイケルはオートポリスにも出場して、そこからですね。マイケルはかなり大きなライダーで、手足が長くて、僕よりコブシ一個分くらい腕が長いんです、それはショックでした(笑)。ハンドルの開き角がちょっと上半身が辛い、っていうんで、ポジションも少しイジって、3人でいいアベレージタイムが出せています。みんなR1のこと、走らせ方を良く知ってるんで、そこは強みになると思います。3人、仲もいいし、上手くいってますね。去年はポルがうるさかったんですけど(笑)、今年はアレックスがその役になっちゃった。マイケルはそれをおとなしく見てるというか」

画像: まさにマイケルのポジションをチェックしているカット(笑) 15→16年は、基本的に中須賀仕様のマシンを、残り二人が乗りこなしてくれた優勝でした

まさにマイケルのポジションをチェックしているカット(笑) 15→16年は、基本的に中須賀仕様のマシンを、残り二人が乗りこなしてくれた優勝でした

――今年のマシン進化の具合はいかがですか?
橘田「15年から16年にかけては、燃費とか、性能面も含めてマシンを大きく煮詰めましたけど、今年は、去年の成績もよかったことで、大きくは変えていません。足りないところは改善してね、詳しくは言えないんですが、少し調味料、隠し味を加えたというか」
中須賀「ぼく、その隠し味、気づいてないんですけど(笑)」
吉川「効いてるんだぞ、って僕が暗示かけてます(笑)」
――15→16年は150カ所もの改善点をつぶした、とおっしゃっていましたが
辻「今年は、この間ちょっと数えてみたんですが、全部ひっくるめると204項目ありました」
――え!去年より多いんですか!
辻「全部ひっくるめて、ですから。テクニカル以外の、例えばお弁当を美味しくするとか、そこも含まれます(笑)」
中須賀「200もあるって、不安になっちゃうじゃないですか(笑)」
辻「勝つためのレースシミュレーション、3人合わせてバランスよく速いのが重要ですから、ラップタイムを見ながら、目標周回数にどこが足りなくて、どこを詰めるか、最後はいかにライダーに楽をさせるか、改善して進んでいます。マシンも、まわりが新型になったので、せめても、とウチもカラーリングを少し新型にしました(笑)」

画像: カラーリングを一新した2017年8耐マシン ボディサイドの「R1」アピールがスゴイ

カラーリングを一新した2017年8耐マシン ボディサイドの「R1」アピールがスゴイ

――今年はライバルチームも手強いですね。
中須賀「去年は218周、219周に手が届く周回数ができたので、そこをまず目標に。まずはまわりに振り回されずに、219周を目指していこうと思ってます」
吉川「みなさん、録音しました? レースウィークに時々聞かせよう(笑)」
辻「我々の強みは総合力です。マシン、スタッフだけでは勝てないし、ライダーがメインだけど、そのもとにみんなで一丸となってやれるのが強みだと思っています。チームが緊張しているムードの中で、吉川監督がジョークを言って雰囲気を和らげてくれる、最高のチームですね」
――ズバリ、3連覇は狙ってますか?
中須賀「狙ってます! 全日本の最多チャンピオン回数も更新できた記録男なんで、なんとしてでも欲しい。全日本は開幕から流れが悪くて開幕戦の鈴鹿、菅生、もてぎと勝てませんでしたが、それでもオートポリスで優勝できて、上向きで8耐に臨めます。連覇、最多周回数、狙っていきたいです。優勝した後に、あの表彰台からの景色は、最高ですからね。表彰台の下に、ヤマハ以外のファンのひともたくさん集まってくれて、みんなが祝福してくれる、それが最高なんです」

画像: リラックスした表情の中須賀 万全の調子で8耐に向かっています

リラックスした表情の中須賀 万全の調子で8耐に向かっています

――出席のお客様で、質問がある方、いらっしゃいますか?
質問「中須賀さん、これまで2年スタートライダーを務めていますが、気にしていることとか、重要なスティントとして意識していることはありますか?」
中須賀「レース展開を作るなかで、チームの作戦もあって、これをキッチリこなす、と。それが周回数なのか、順位なのか、行き過ぎずに、決められたことをしっかりやる、というのが重要なんです。チームの言うことを聞くというか、ね(笑)。予定周回数をいかに実行するか、は大事なんです。そこをクリアしておかないと、レース後半のペースや作戦のコントロールができなくなる。そのなかでゆとりがあるなら、トップで帰ってきてもいいけど、必ずしもトップで戻るのが最優先ではない、ってことなんです」
吉川「スタートライダーっていうのは、とにかく速く走っているように見えますが、8耐っていうのは長いレースなんで、最初に早めにピットに入っちゃえば、もううちの戦略がバレちゃう。もちろん転んだら終わりだし、難しい役割なんで、そこを中須賀にあれもこれも、いろいろお願いしてる、と。今年も頼むぞ」
――じゃぁ今年もスタートは…
中須賀「はい…いま吉川さん、言っちゃったじゃないですか(笑)」

吉川「いま2連覇。3連覇目指して、またヤマハを代表して外へのアピールをしたいです」
中須賀「この中でも現地に来て下さる方、TVを見てる方いろいろいらっしゃると思うんですが、8時間の長いレース、最後まで応援して下さい」
橘田「こんなたくさんの方に来ていただいて、期待をひしひし感じます。それを力に変えて、3連覇してきます」
辻「もちろん3連覇を狙いますが、それだけじゃなくて、今回の鈴鹿は世界耐久選手権の最終戦なんです。いまヤマハは、GMT94が1ポイント差でランキング2位にいるし、YARTもチャンピオン獲得可能な位置にいる。ファクトリーチームも含めて、この3チームで表彰台を独占したいです。その姿を現場で見て下さい! ぜひ鈴鹿にいらして下さい」

8耐3連覇に向けて、死角をなるべく減らすのが、今のヤマハの最大の目標でしょう。
あすは、その中須賀克行のインタビューをお送りいたします!

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