豪華なルックスだけでなくサウンドも大きな魅力

悔しいが、乗っている本人よりも周りで聞いている人たちのほうが、かつてのCB750Fourのような低音域が響く、ドロドロした少し濁った大型マルチエンジンの排気音を楽しめる。それを回せば「咆哮」といった感じになる。乗っていても「いい音してるな」と思ってはいたが、他人が走っている音を聞いたとき、改めてそう思った。

画像: HONDA CB1100EX ●最高出力:90PS/7500rpm ●最大トルク:9.3㎏-m/5500rpm ●価格:133万8120円 ●発売:2017年1月20日

HONDA CB1100EX
●最高出力:90PS/7500rpm ●最大トルク:9.3㎏-m/5500rpm ●価格:133万8120円 ●発売:2017年1月20日

当然の事ながら、煩かったり、迷惑になるような音質音量ではない。かつての音を知る者でなくても、思わずもう一度聴き直したくなるようなサウンド。この音は、新型CB1100共通の魅力。どれに乗っても、また、どれが目の前を走っていても楽しめる。

RSは100㎞/h・6速の回転数が2800回転ほど。だが、EXはタイヤサイズの関係でそれが2600回転ほどで、高速道路を走っていてもその低音の響きが伝わってくる。しかも、そんな低回転域を使っているのに、追い越しなどもストレスなく、かなり力強くやってのける。たとえ5速くらいでも、2000回転以下からふつうのリッターネイキッドと変らない加速までするのだ。そのとき強烈な滑らかさと粘りで、ノッキングの気配すら感じさせない。粘りとトルクの厚みはこのクラスの直4の中でも群を抜いている。

そしてRSでも書いたが、3、4000回転あたりまでの中域レスポンスは過敏にではなく、非常に力強い。RSより少しロングな減速比になっているにもかかわらず、各ギアでの低中回転域からのダッシュでは、こちらの方が体感的に速く感じるほどだ。

画像: 止めておいて眺めてももちろん美しいCB1100EXのクラシカルなネイキッドスタイルだが、この写真を見れば走っている姿がさらに魅力的に見える。

止めておいて眺めてももちろん美しいCB1100EXのクラシカルなネイキッドスタイルだが、この写真を見れば走っている姿がさらに魅力的に見える。

見た目と味付けは違うが、フォークはRSと同じショーワのSDBVを採用した、滑らかで力強い作動をする優れもの。それにスポークホイールのしっとりとした接地感がEXの乗り心地を上質なものにしている。ただバネやダンパーがソフトな味付けになっているような性質のサスではない。突破的で大きな衝撃でも跳ねがなく、ウネリやちょっとした段差などを的確に衝撃吸収できるソフトな感触だ。常用域に的を絞った高級ショックの乗り心地だ。

ちなみにEXのスポークホイールは少し本数の少ない独特の張り方。これは駆動衝撃を弱めるバックトルクリミッター付きクラッチがあればこそ、の装備だという。それが乗り心地や穏やかでいて身軽なフットワークを実現している。

EXはCB1100のハイグレードバージョンだと思っていい。その魅力的なスタイルに加えて、何とも言えないリラックスできる乗り心地と空冷直4サウンドが走りのムードを盛り上げる。あえて触れなかったが、このEXだって、峠道を遊ぼうと思えば、浅めの許容バンク角が許す限り、ソツなく、愉しくスポーツできる。RSと同じローハンドル仕様のタイプ2ともども、ちょっとイキな使いやすいごく自然なスタンタードスポーツモデルといっていいだろう。

画像: フランジレス構造で実現した彫りの深い曲面基調の燃料タンクなどはRSと共通だが、前後18インチのスポークホイールを装着、さらにRSに対して1度キャスター角を寝かせたディメンションもあって、堂々たる存在感が強調されているEX。

フランジレス構造で実現した彫りの深い曲面基調の燃料タンクなどはRSと共通だが、前後18インチのスポークホイールを装着、さらにRSに対して1度キャスター角を寝かせたディメンションもあって、堂々たる存在感が強調されているEX。

画像: CBシリーズの伝統を現代のテクノロジーで表現した、日本オリジナルのトラディショナルスタイルというべきCB1100EX。フェンダーのメッキ化など、細かな部分のディテールを変更したことでもRSとの違いを出している。

CBシリーズの伝統を現代のテクノロジーで表現した、日本オリジナルのトラディショナルスタイルというべきCB1100EX。フェンダーのメッキ化など、細かな部分のディテールを変更したことでもRSとの違いを出している。

主要諸元 ※( )内はEX・TypeII
 
全長×全幅×全高 2200×830(800)×1130(1110)㎜
ホイールベース 1490㎜
最低地上高 135㎜
シート高 780㎜
車両重量 255㎏
エンジン形式 空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1140㏄
ボア×ストローク 73.5×67.2㎜
圧縮比 9.5
最高出力 90PS/7500rpm
最大トルク 9.3㎏-m/5500rpm
燃料供給方式 PGM-FI
燃料タンク容量 16ℓ
キャスター角/トレール 27度/114㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式(前・後) ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ(前・後) 110/80R18・140/70R18

注目ポイント

画像: 手間のかかる製法を使うことでタンク底板を縁取るシーム溶接のフランジをなくしたフランジレス構造の燃料タンク。ハンドメイドのような温かみのある立体感を実現している。

手間のかかる製法を使うことでタンク底板を縁取るシーム溶接のフランジをなくしたフランジレス構造の燃料タンク。ハンドメイドのような温かみのある立体感を実現している。

画像: CB1300用エンジンをベースに開発され、6速ミッションも組み込まれている空冷直4エンジンは最高出力などもCB1100RSと共通。シリンダーヘッドがシルバーに塗られているのはEXのみの特徴。

CB1300用エンジンをベースに開発され、6速ミッションも組み込まれている空冷直4エンジンは最高出力などもCB1100RSと共通。シリンダーヘッドがシルバーに塗られているのはEXのみの特徴。

画像: デュアルベンディングバルブを採用した動作性に優れた正立フロントフォークは基本的にRSと同様のものだが、アウターチューブのデザインとセッティングはEX専用だ。

デュアルベンディングバルブを採用した動作性に優れた正立フロントフォークは基本的にRSと同様のものだが、アウターチューブのデザインとセッティングはEX専用だ。

画像: コンパクト化されて重量も軽くなった新デザインのマフラー。内部は2室構造で、膨張室の容量と連通パイプの使用を最適化し、パルス感のある重厚なサウンドを際立たせつつ最新の騒音規制もクリア。

コンパクト化されて重量も軽くなった新デザインのマフラー。内部は2室構造で、膨張室の容量と連通パイプの使用を最適化し、パルス感のある重厚なサウンドを際立たせつつ最新の騒音規制もクリア。

画像: LEDテールランプはRSと同じものだが、メッキリアフェンダーや丸型ウインカー、リアガーニッシュ、厚めのワディングを採用したシートと組み合わされて伝統的スタイルを強調。

LEDテールランプはRSと同じものだが、メッキリアフェンダーや丸型ウインカー、リアガーニッシュ、厚めのワディングを採用したシートと組み合わされて伝統的スタイルを強調。

画像: 新採用の丸型LEDヘッドライトに、クラシカルな丸型ウインカーを組み合わせてトラディショナルな雰囲気を表現。ヘッドライトステーを新作し、ライトとウインカーの配置バランスを整えている。

新採用の丸型LEDヘッドライトに、クラシカルな丸型ウインカーを組み合わせてトラディショナルな雰囲気を表現。ヘッドライトステーを新作し、ライトとウインカーの配置バランスを整えている。

画像: アナログ2連メーターの間に多機能液晶パネルを配置。メーターケースはRSは黒い塗装仕上げに対してEXではクローム仕上げとなっている。

アナログ2連メーターの間に多機能液晶パネルを配置。メーターケースはRSは黒い塗装仕上げに対してEXではクローム仕上げとなっている。

RIDING POSITION(身長:176㎝ 体重:68㎏)

上体が起きている上にハンドルが大きく、手前にある。ハンドルに頼った操り方になりがちだが、昔のバイクよろしく、そのハンドルには手を添えるだけ、腰で乗るようにすると安定感が増す。取り回しもしやすく、足着きもよく、全てにおいてリラックスできる。

画像1: RIDING  POSITION(身長:176㎝ 体重:68㎏)
画像2: RIDING  POSITION(身長:176㎝ 体重:68㎏)

 

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