この週末はMotoGPイギリスGPが行なわれました。レースウィークは、イギリスらしくパッとしない天気で、土曜は強風と雨、日曜朝のウォームアップにも雨が降り出しちゃうような状況だったんですが、決勝レースはなんとかドライで行なわれました。
予選は2週間前のチェコGPを制したカル・クラッチロー(ホンダ)がトップタイム。ただし、これは雨が降り出すスキをついてのタイムでのポールポジションで、予選までのフリー走行では、マーベリック・ビニャーレス(スズキ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が絶好調! ただし、これまでもスズキは、フリーや予選はよくても、決勝はズルズル……ってパターンが少なくありませんでしたから、今回もドライになったら、マルク・マルケス(ホンダ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)の3強に、ドゥカティのイアンノーネとドビツィオーゾのWアンドレアが前に出てくるんだろうな、そんな予想をしていた関係者、ファンも多いと思います。僕もそうでしたしね、ごめんよ、マービィ。

画像: ケビン・シュワンツをして「新しい時代の乗り方をしてる」というビニャーレス。予選は3番手でした。

ケビン・シュワンツをして「新しい時代の乗り方をしてる」というビニャーレス。予選は3番手でした。

赤旗再スタートを乗り越えて

しかし、決勝スタートから、この予想は見事に裏切られます。レースはスタート後にポル・エスパルガロ(ヤマハ)とロリス・バズ(ドゥカティ)のクラッシュがあって、いったん赤旗で再スタートとなったんですが、赤旗提示時点にも、実はビニャーレスが好スタートを切って、2番手以下をグングン引き離していたのです!
「あぁぁ、マービィもったいない!」と思いました。こんなスーパースタート、もう1回はなかなかできないんだよなぁ、と思っていたら、レース2では、ホールショットこそ逃して、中断前のようなスーパーダッシュこそなかったものの、1周目からスルスルスルッと前に出て、2番手以下を引き離しにかかります。

画像: いつものメンツにロレンソがいませんが、ビニャーレスが逃げ切れないような2番手争い

いつものメンツにロレンソがいませんが、ビニャーレスが逃げ切れないような2番手争い

けれど、2番手グループが猛者ぞろいで、クラッチロー、マルケス、ロッシ、イアンノーネの集団で、じきこの中から誰かが抜け出してきてビニャーレスに襲い掛かって……っていう展開になるんだろうなぁ、そう思っていたんです。
けれど、レースは2番手争いがバチバチと火花を散らして、事実TVもそのバトルがずっと映っている状況。そのなかでも、なんとビニャーレスはグングン逃げていたんです。2番手がバチバチやってると、トップは逃げやすくなるって言いますが、まさにその通り。さらに、天候の悪いときによく話題になるタイヤ選択にしても、ビニャーレスは他の上位陣と大きな差はなく、いわゆる「スーパーソフト逃げ」じゃない。こ……これはもしかして!
レースは、本当に2番手争いがし烈になって、ロッシがこの集団を引っ張ったかと思いきや引き離すには至らず、勢いのあったイアンノーネは転倒。終盤にはマルケスがひっかきまわして、最後はクラッチローがロッシもマルケスも引き離すというハードファイト!

画像: ガッツポーズも初々しかったですね 勝利のウイリーを決めようとしたけど、アンチウイリーのスイッチ切ってなかったのか(笑)あんまり上げられず! ドンマイ、マービィ!

ガッツポーズも初々しかったですね 勝利のウイリーを決めようとしたけど、アンチウイリーのスイッチ切ってなかったのか(笑)あんまり上げられず! ドンマイ、マービィ!

早かった! スズキ MotoGP復活1年半目での優勝!

結局、ビニャーレスはTVにあんまり映らないくらいにぶっちぎりを決めて、以下クラッチロー、ロッシ、マルケス、ペドロサの順。「荒れた天候になったらオレは強いぜぇ」って言っていたクラッチローが、マルケスとロッシというファクトリー勢を下して2レース連続の表彰台を獲得しました。ロッシは、現在のメインテーマである「マルケスより前でフィニッシュする」って目標をクリアしたんだけど、マルケスはロッシの直後でフィニッシュして、ポイントロストをわずか5ポイントに収めましたね。
勝ったビニャーレス、21歳は、これがMotoGPクラス30戦目での初勝利! スズキの優勝は、2007年5月のフランスGP以来、9年4か月ぶり! そのレースも雨のクリス・バーミューレンによる優勝でしたから、ドライのレースとなると、なんと2ストローク時代の2000年10月のパシフィックGP(もてぎ大会ですね)以来16年ぶりということになります。
※追記:2001年バレンシアGPでセテ・ジベルノーが優勝していますが、あれも「ウェットレース宣言」こそ出ていませんが、雨が降り終わった後のウェット路面でのレースでしたので「ドライでのレース」からは除外しました※
スズキがGP活動を休止、復帰して1年半目の優勝で、これは遅かったような早かったような、いやフラットな目で見たらすごく早い時期での復活優勝だったような気がします。
「僕のMotoGP初優勝だし、スズキにとっても07年以来の優勝、いやぁ本当に感動した! 調子は良かったし、イケるかな、とは思ったけど、レースが終わるまではわかんないしね。本当にチームが前回よりいいバイクに仕上げてくれた。赤旗が出る前の1回目のスタートは本当にいい感じで、まだ余裕もあると思えたし、だから2回目のスタートでも自信持って行けたんだ。バイクの感触はパーフェクト! スタートからガンガン行けたし、リードを作って、レース全体をコントロールできたね。前回のチェコGPから、マシンはイケると思ってたんだ。マシンの仕上げの方向性が正しいことも証明できたね!」(ビニャーレス)

画像: 第5戦フランスGP以来、人生2度目のMotoGP表彰台が初優勝!

第5戦フランスGP以来、人生2度目のMotoGP表彰台が初優勝! 

これでMotoGPは、第6戦イタリアGPから7戦連続7人の違うウィナーが誕生していて、1シーズンに7人のライダーが勝つなんて、ちょっと記憶にない……と思ったら、2000年に8人(マッコイ、ロバーツJr、ノリック、クリビーレ、カピロッシ、バロス、ロッシ、ビアッジ)が勝ってますね。少なくとも02年のMotoGP期になってからは初めてなんじゃないかな。も少し調べてみたら78/79/92/96/99年に6人、93年に7人(シュワンツ、レイニー、ビーティ、ドゥーハン、カダローラ、コシンスキー、バロス)が勝ってます。シーズン7人はそれ以来の記録。2016年は、あと勝ちそうで勝ってないといえば、ドビツィオーゾがいるし、ペドロサも年に1回は勝ちますからね、こりゃ記録更新が期待できるかも!(笑)

画像: スズキのスタッフも喜びが途切れず、なんとパルクフェルメで高さのある胴上げ(笑) うれしそうだったね~

スズキのスタッフも喜びが途切れず、なんとパルクフェルメで高さのある胴上げ(笑) うれしそうだったね~

次のGPは今週末にミサノワールドサーキットでサンマリノGPが開催されます。2週連続です、その次1周空いてアラゴンが終わったら、10月中旬にはいよいよもてぎですよー!

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