鈴鹿8耐への超実戦的テスト? 

先週末は、MotoGPアメリカズGP、全日本選手権の開幕戦・筑波大会、それに世界耐久選手権の開幕戦ル・マン24時間耐久が行われました。ル・マンはこれが39回大会、おぉ鈴鹿8耐と同じだ! ずっと24時間ってことは、同じ開催回数で3倍走ってるってことだよね、これはすごい(笑)。
このル・マンには、日本からTSRホンダが勇躍フランスまで挑戦に出かけていました。TSRの総帥、藤井正和さんによると、この挑戦は「TSRホンダというチームの総合力を世に問うことと、日本のモノづくりをアピールする」とのことだけど、モノづくりとは、TSRホンダと長年のパートナーであるF.C.C.クラッチが浜松の会社ということもあって、浜松が「バイクのふるさと」「ものづくりの街」として知られていることからの挑戦でした。

もちろん、8耐が人生の中心だ、と言い切る藤井さんにとってみれば、今年の鈴鹿8耐への超実戦的テストでもあるはず。昼夜問わず走り続け、鈴鹿の比じゃないほどトラブルやアクシデントが襲い掛かる24時間耐久を走り切れば、鈴鹿では何が起こったって大丈夫、ということなんでしょう。

マシンは自社製のレーシングマシンCBR1000RR。TSRホンダは、ご存じのように鈴鹿8耐ではホンダワークスマシンを走らせますが、ル・マンへは自社製マシンでの挑戦。2015年限りでMotoGPのタイヤサプライヤー契約を終えたブリヂストンがサポートしていたのも、鈴鹿8耐の前に実戦テストを行っておきたい、というブリヂストンの思惑とも一致したはずです。

ライダーは、今年の鈴鹿8耐もTSRホンダから走ることが発表されている渡辺一馬と、TSRシャシーでMoto3を走っていたフランス人ライダーであるアラン・ティシェ、そして耐久スペシャリストのダミアン・カドリン。2015年の秋には参戦を決意していたというル・マン挑戦が、いよいよ現実のものとなり始めるのです。

画像: 鈴鹿8耐への超実戦的テスト?

海外経験豊富なTSRだからできたル・マン挑戦

ひと口に海外挑戦といっても、その労力は途方もなく大きいものです。マシンや機材は鈴鹿8耐だって10tトラック一杯分はあるし、それが24時間耐久、日本とフランスの距離、レース前のプラクティスから決勝まで考えると、スタッフの渡航費や滞在経費も考えると、かかる費用も数千万円、それも後半ケタくらいはかかるもの。

藤井監督って人は、「そこまでしなくても、鈴鹿の準備なんかできるじゃん」じゃないんですね、いいと思ったらやる、チャンスがあるならなんでやらないんだ、って人。鈴鹿8耐の前に24時間耐久を戦っておくことは、こと耐久レースを戦うということに限って言えば、プラスにこそなれ、マイナスなことなんて何ひとつないはずですからね。

もちろん、これも海外経験豊富なTSRだからできること。まったく初出場のチームが、完全に自前でゼロから挑戦を始めたら、とてもとても1年なんかじゃ準備できるものじゃありませんからね。
自社製ニューマシンの鈴鹿テストを重ね、現地での走行、レースウィークに入ってのプラクティス、そして公式予選を経ての24時間耐久。残念ながら、この世界耐久に関して言えば、十分な情報も日本に届かないし、日本語のプレスリリースすらないレースですから、あちこちからかき集めた情報で、TSRの挑戦のほんのさわりだけをお伝えしましょう。

走行初日はホンダ勢最上位の6番手、予選1回目は雨どころかヒョウも降るようなコンディションのなかで暫定2番手、予選2日目がドライコンディションでの13番手。ちなみにル・マンはライダー3人の平均タイムが予選順位。TSRホンダのエースは、やはり地元カワサキの耐久スペシャリスト、ダミアン・カドリン。ただし、TSRホンダCBR1000RRやブリヂストンタイヤの経験値に関しては渡辺が上のはずですから、このあたりがセッティングを合わせ込んでレースの準備を進めたのでしょう。

なんと初出場で3位表彰台を獲得!

決勝スタートから、TSRホンダはトップを快走します! 序盤こそ#50Aprilモトスズキがトップに立ち、TSRホンダは先頭集団の後ろにつけていたものの、カドリンが最初の走行セッションからトップに浮上。ラップチャートでは最初の3時間、リーダーボードの一番上にゼッケン5番のTSRホンダが鎮座していました。

4時間目からトップに立ったのが#11SRCカワサキ。グレゴリー・ルブラン/マチュー・ラグリブ/ファビアン・フォレという、いろんなトップチームを渡り歩いた耐久スペシャリストを揃えたチームで、スタートしてからの序盤でクラッシュを喫したものの、2時間目に5番手まで落ちながら、4時間目からトップを快走することになります。

トップグループはSRCカワサキにTSRホンダ、それにポールシッターのBMWモトラッド、ホンダエンデュランスといった錚々たる顔ぶれ。SRCがミスなくコンスタントに周回を重ね、2番手がくるくる入れ替わる展開。TSRホンダは、ずっとそこのトップグループの位置をキープ。そのうち、7時間目にはBMWモトラッドがエンジントラブルで姿を消し、14時間目にはホンダエンデュランスが電気系トラブルで大きくポジションダウン。一時はTSRホンダをパスして2番手にまで上がったボリジャースイスカワサキも、18時間目には脱落し、リタイヤしてしまいます。この時点では、カワサキZX-10Rの1-2体制だったんですね。

ボリジャースイスと決着をつけたTSRでしたが、残り5-6時間という終盤には、1時間目の転倒で大きく順位を落としていたAprilモトスズキのアタックを受け、ラスト2時間といったあたりでジリジリ離されてしまいます。結局このままチェッカーを受け、TSRホンダは、SRCカワサキ、Aprilモトスズキに続く3位でチェッカー! なんと初出場で3位表彰台という、素晴らしい結果を残したのでした。
ボルドールやル・マンというフランスの24時間耐久にめっぽう強いSRCカワサキが優勝した一方で、チャンピオンチームであるS.E.R.T.が序盤から2度の転倒で大きくタイムロスし、SRCカワサキに17周差の5位入賞が精いっぱいだったり、14年チャンピオンチームのGMT94はレース中盤でリタイヤ、ホンダエンデュランスは19位でレースを終えるなど、大番狂わせの多かった2016年のル・マン24時間。
それよりなにより、現地のファンにとっては、日本からやって来たチームが3位表彰台をかっさらって行ったのが、いちばんのビッグニュースだったことでしょう!
藤井監督、渡辺一馬が帰国次第コンタクトを取って、あらためて月刊オートバイやここのFaceBookで詳細をお知らせしますね!

画像1: なんと初出場で3位表彰台を獲得!

画像2: なんと初出場で3位表彰台を獲得!

■決勝レース
①#11 SRCカワサキ:819周 
②#50 AprilMotoMotorsスズキ:810周 
③#5 F.C.C. TSRホンダ:808周 
④#2 TeamR2CLスズキ:804周 
⑤#1 SuzukiEnduranceRacingTeam:802周 
⑥#38 Team3ART ヤマハ:800周

(写真/TSRホンダ公式Webサイト、TSRホンダ公式FaceBook)

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