2023年5月14日、MotoGP第5戦がフランスのブガッティ・サーキットで行われた。世界選手権1000回目のレースというメモリアルな大会となったフランスGPでは多くのGPファンが押し寄せた。Moto2クラスはペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)とトニー・アルボリーノ(Elf Marc VDS Racing Team)が同ポイントで並んでおり、シーズン序盤にしてチャンピオン争いは接戦となっている。

勢いそのままにS.ロウズが連続ポールポジション獲得

画像: 1発の速さに定評のあるS.ロウズ。

1発の速さに定評のあるS.ロウズ。

復帰して順調にポジションを挙げてきている小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)はQ2から出走。また、怪我による欠場が続いていた野左根航汰(Correos Prepago Yamaha VR46 MasterCamp)は、現地入りをしていたものの、メディカルチェックの結果欠場することが発表された。

ポールポジションが決まるQ2。小椋はアタックを連続で行うもタイムを更新することができない。一方、ランキング上位勢は順調にタイムを更新していく。そんな中、前戦スペインGPで完全復活を遂げたサム・ロウズ(Elf Marc VDS Racing Team)がオールタイムラップレコードを更新しトップに浮上する。僚友アルボリーノも続きElf Marc VDS Racing Teamの2台が速さをみせた。

最終的にロウズがポールポジションを獲得、2位にはアロンソ・ロペス(Lightech SpeedUp)が割って入り、アルボリーノは予選3番グリッド獲得となった。

小椋は16番手で予選を終了。序盤に出した自身のタイムを更新することができなかった。

画像: Elf Marc VDS Racing Teamが2台揃ってトップ3。2位にはA.ロペスが食い込んでいる。

Elf Marc VDS Racing Teamが2台揃ってトップ3。2位にはA.ロペスが食い込んでいる。

T.アルボリーノが今季2勝目! 小椋は粘りの走りで9位

画像: 27万人ものファンが見守る中レースはスタート。 www.motogp.com

27万人ものファンが見守る中レースはスタート。

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快晴の中行われた22周の決勝レースはレース序盤から波乱が起きた。2周目のターン1からターン2にかけて、ポールポジションスタートのロウズが転倒。ターン5ではアルベルト・アレナス(Red Bull KTM Ajo)、マニュエル・ゴンザレス(Correos Prepago Yamaha VR46 MasterCamp)、アロン・カネット(Pons Wegow Los40)による多重クラッシュが発生。このアクシデントによりレースは3周目に赤旗が出され中断となった。

レース中断後、14周でレースは再開。アルボリーノを先頭にロペス、アコスタ、フィリップ・サラック(QJMOTOR Gresini Moto2)がトップ集団を形成し、レースを引っ張っていく。

周回数が減ったことでタイヤのセーブが予想より必要としなくなったことが影響したのか、序盤からペースを上げ後続との差を引き離していくアルボリーノ。チャンピオン争いを繰り広げているアコスタはなんとかアルボリーノを捕らえたかったが、5周目のターン7で痛恨の転倒。これでアルボリーノが2位以下に大きなマージンを得ることとなった。

ところが、アルボリーノと2位サラックの差が0.5秒まで詰まってしまう。ミスによるものか定かではないが、レース序盤から一転し、接近戦となったトップ争い。しかしアルボリーノはサラックとのさを維持しながらトップを死守。最終的には0.6秒差でアルボリーノが今季2勝目をマークした。2位はあと一歩届かなかったサラック、3位はロペスが入っている。

小椋は再タートからポジションを上げ、9位でフィニッシュ。きちんと順位をあげ、見事シングルフィニッシュでポイントを獲得している。また、2周目に転倒を喫したロウズは赤旗が提示されたことによりレースに復活。マシン修復が間に合わず最後尾からのスタートとなってしまったが、15位に入りポイントを獲得している。

画像: 今季2勝目を挙げたアルボリーノ。ライバルアコスタの転倒により、ラインキング首位の座を取り戻した。

今季2勝目を挙げたアルボリーノ。ライバルアコスタの転倒により、ラインキング首位の座を取り戻した。

2023 Moto2 第5戦 決勝結果

画像: resources.motogp.com
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次戦の舞台はイタリアのムジェロサーキット

画像: 昨年3位表彰台を獲得している小椋。 https://www.motogp.com/ja/gallery/2022/05/29/moto2-race-gran-premio-d-italia-oakley/423308

昨年3位表彰台を獲得している小椋。

https://www.motogp.com/ja/gallery/2022/05/29/moto2-race-gran-premio-d-italia-oakley/423308

第5戦が終了し、次のレースは約1ヶ月後に行われるイタリアGP。舞台はヨーロッパラウンドの中でも人気の高いムジェロサーキットだ。

1キロを超える長いロングストレートや高速の右コーナーが連続するアラビアータなどチャレンジングなサーキットで知られているムジェロは、タイヤに攻撃的であり、他のサーキット以上にタイヤマネジメントが求められる。

そんなチャレンジングなムジェロサーキットだが、昨年のイタリアGPで小椋は見事3位表彰台を獲得している。初優勝を果たした思い出の地であるヘレスでは、今年は接触により転倒してしまったが、得意のサーキットでは常に上位に食い込む走りをしているだけに、イタリアGPにも注目が集まる。

また、今回出場が叶わなかった野左根にとって、イタリアGPが初戦になる可能性が高い。開幕戦のフリー走行で大怪我を負った野左根だが、フランスではサーキット入りを果たした。次戦は1ヶ月先ということもあり、回復に努め、万全の状態で臨んでもらいたい。

レポート:河村大志

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