近年、開発中であることが世界のメディアから伝えられていた、スズキの電動バーグマンこと「e-BURGMAN」の実証実験が東京都内で実施されることが明らかになりました。その期間は2023年4月から6月まで、とのことです。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2023年3月29日に公開されたものを一部編集し転載しています。

実証実験の場は、東京都「城南エリア」となります

ウェブサイトLawrenceでは今年1月、インドでテストされている電動バーグマンの記事をお届けしましたが、ついに日本の公道でも電動バーグマンことe-BURGMANが走ることになりました! 予想どおり? 特許図に描かれていた車体固定式バッテリーに代わり、交換式バッテリーが採用されることになっているのが、大きな注目点でしょう。

画像: ICE(内燃機関)搭載モデルである、バーグマンストリート125EXをベースに生み出された「e-BURGMAN」。日本での区分は「原付二種」となります。なおe-BURGMANのロゴの下には、日本初のバッテリーシェアリングサービスである「Gachaco(ガチャコ)」のロゴデカールが貼られています。

ICE(内燃機関)搭載モデルである、バーグマンストリート125EXをベースに生み出された「e-BURGMAN」。日本での区分は「原付二種」となります。なおe-BURGMANのロゴの下には、日本初のバッテリーシェアリングサービスである「Gachaco(ガチャコ)」のロゴデカールが貼られています。

1月の記事では、交換式バッテリーは日本の4メーカーも参画している"欧州コンソーシアム"ことSBMC=スワッパブル バッテリーズ モーターサイクル コンソーシアムの規格品になるのでは? と予想しましたが、e-BURGMANに採用されているのはGachacoでも使われている「ホンダ モバイル パワー パック e:」です。

ちなみにインドでは、HMSI(ホンダ モーターサイクル アンド スクーター インディア)が電動スクーター版の「アクティバ」を、2024年3月に投入すると予告しています。SBMCの規格がどうなるのか……についてはまだ明らかになっていませんが、電動版アクティバ同様に、2024年にe-BURGMANがインド市場に投入されることになれば、どちらも同じ交換式バッテリーを同じシェアリングサービス内で使うことが可能になるわけです。

日本コンソーシアムのGachacoは日本4メーカーと、エネルギー大手のENEOSホールディングスが生み出しましたが、SBMCもすんなり日本コンソーシアムを「丸呑み」してくれるといいのに、と思ってしまいます。もちろん、SBMCには国内外の多くの企業などが関与しているので、調整が大変なのは容易に想像できるのですけど……。

さて、今回のスズキの実証実験ですが、主に生活や仕事の足として使われることになる電動スクーターの、今後の開発のためのさまざまなデータを収集することがその目的です。実験エリアは東京都城南地区(目黒区、品川区、大田区、港区)で、Gachacoのバッテリーステーションが設置されているところが中心。使用拠点は、直営販売店であるスズキワールド世田谷南になります。

使用台数は8台で、スズキ関係者および2輪ユーザーのお客様ということですが、ヤマハが電動スクーター「E01」で行った実証実験に比べるとかなり台数が少ないので、実証実験に参加できるお客様はとてもラッキーだと思います。

特許図にはチェーン駆動方式で描かれていましたが……

配布されたリリースには、e-BURGMANの広報写真2カットが添えられていました。1点は前7/3で、もう1点は真横……そしてどちらも右側でした。過去記事で紹介した特許図では、車体中央にモーターを搭載し、チェーンを使って後輪を駆動するレイアウトが描かれていました。

これら駆動系は車体左側に配置されているので、この広報写真では駆動系が実際どうなっているのかはわかりませんでした(苦笑)。しかし、写真と見る限りでは比較的廉価な電動スクーターに使われるハブモーターではなく、やはり車体中央にモーターを搭載していると思われます。

画像: 公表されたe-BURGMANの主要諸元は、全長1,825mm、全幅765mm、全高1,140mm、シート高780mm、車両重量147kg、定格出力0.98kW、最高出力4.0kW、最大トルク18Nm、航続距離44km(60km/h定地走行、社内テスト値)というものです。

公表されたe-BURGMANの主要諸元は、全長1,825mm、全幅765mm、全高1,140mm、シート高780mm、車両重量147kg、定格出力0.98kW、最高出力4.0kW、最大トルク18Nm、航続距離44km(60km/h定地走行、社内テスト値)というものです。

一部の高性能スポーツや競技モデルと除き、静粛性やメンテナンス面を考慮しベルトを使うのが電動車のひとつの典型ともいえますが、未舗装路も多い過酷なインドの交通環境を考えてe-BURBMANはチェーンを採用した……と推察されています。

はたして日本の実証実験に使われるe-BURGMANの、ファイナルドライブはどうなっているのでしょうか? 日本や欧州では、ベルト仕様を用意するとか……? ともあれ、都内の公道を走るe-BURGMANの姿を早く見たいですね!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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