2023年3月24日、ポルトガルでMotoGP世界選手権が開幕した。例年中東のカタールで開幕戦を迎えていたMotoGPだが、今年は2006年以来のヨーロッパでのシーズン開幕となった。Moto3クラスには日本人ライダーが5名参戦しており、MotoGPクラスでの活躍を目標とする若手たちによる激しいバトルが繰り広げられるクラスでもある。有望なルーキーと飛躍を誓う2年目のライダーたちの台頭により、これまで以上に予想がつきにくい今シーズンは一体どんな結末が待っているのだろうか。

チャンピオン候補である佐々木歩夢が開幕戦でポールポジションを獲得

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決勝日前日に行われた予選で、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が今季初のポールポジションを獲得した。今年のMoto3クラスには佐々木以外にも、古里太陽(Honda Team Asia)、鈴木竜生(Leopard Racing)、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)、山中琉聖(Autosolar GASGAS Aspar M3)が参戦している。

FP1からFP3のコンバインドタイムで上位14位に入った佐々木、鳥羽、山中がQ2から、古里と鈴木はQ1からの出走となり、鈴木がQ1で2番手タイムを出しQ2に進出している。

全ての順位が決まるQ2では、セッション前半に佐々木が1番時計となる1分46秒798と記録。ライバル勢もセッション後半にかけてタイムアタックをするものの、佐々木のタイムを更新するライダーが現れずセッションは終了。佐々木の今季初のポールポジションが決定した。

Moto3クラス参戦7年目となる佐々木は昨年ランキング4位を獲得。上位3名がMoto2クラスにステップアップし、今シーズンを引っ張っていく存在でもある。チャンピオン候補として名が挙がる中、いきなり速さを見せてくれた。予選2位はルーキーのホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)、3位にはジョエル・ケルソ(CFMOTO Racing PruestelGP)と、有望な若手が名を連ねた。

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激戦となった決勝レースはオルガドが初優勝 佐々木はレースを引っ張るも悔しい6位

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日曜日に行われた決勝レースはMoto3クラスらしい何台も入り乱れる激戦となった。今年からMotoGPクラスにスプリントレースが行われることになり、スケジュールの変更がなされている。これまで決勝日の朝にウォームアップ走行が設けられていたが、今年からMoto2とMoto3のウォームアップ走行が廃止された。

レース当日に決勝に向けた確認を行う重要なセッションだっただけに、ライダーやチームにとって厳しいスケジュール変更となった。そのため、グリッドにつくまでのサイティングラップでも走り込んでいるライダーが多く見受けられた。

19周で行われた決勝レースは予選3番手スタートのケルソがトップで1コーナーへ。4番手のダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech3)もスタートを決め2位に上がる。さらに予選14位のダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)、予選9位のジャウマ・マシア(Leopard Racing)など後方から追い上げてきた実力者もトップ争いに加わり、トップ集団は10台以上で繰り広げられた。

佐々木も先頭集団で周回を重ね、強みでもある安定したブレーキングでトップに浮上するものの、最終コーナーからホームストレートにかけてスリップを利用され抜け出すことができない。

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集団でトップ争いが繰り広げられているため、全体のラップタイムが上がらない状況の中、佐々木は集団の中で戦況を見つつ周回。そして16周目に一気にトップに浮上する。

しかし、17周目の1コーナーで6番手にまで後退。大きく回り込む最終コーナーからホームストレートにかけてスリップを利用され、一気に抜かれてしまったのだ。

残り2周でトップ争いは5台に絞られ、佐々木は5位を走行。ファイナルラップの1コーナーでさらに1台に追い抜きを許してしまい6位でのチェッカーとなった。

優勝はフリー走行から速さを見せていたオルガドが自身初優勝。チェッカー直後、喜びに浸り減速していたオルガドに、減速に気づかなかったケルソが追突してしまうアクシデントもあった。

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2位には後方グリッドから巻き返したムニョス、3位はディエゴ・モレイラ(MT Helmets - MSI)が初の表彰台獲得となった。この軽量級クラスでブラジル人が表彰台に登るのは初である。

初優勝、キャリア最上位タイ、初表彰台と若い力の台頭を感じさせる表彰台となった。

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2023 Moto3 開幕戦 決勝結果

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レポート:河村大志

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