2000年代に入る直前の1999年型で突如現れた新フラッグシップ“ハヤブサ”。独特の形状や1299ccの排気量はジャンル分けや時代感さえも飛び越え、バイクの頂点の形として定着した。その歴代モデルを見ていこう。
※本企画はHeritage&Legends 2021年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

バイクの本質を究極的に昇華したスズキ・ハヤブサ

ハヤブサが初めて世に現れたのは1998年秋のことだった。聞き慣れないペットネームに、曲面を多用した独特の形状による空力ボディ。直列4気筒エンジを積み、その排気量は1299cc。レプリカでも、ツアラーでもない。いったい、どんなモデルだろうか……。

それがいざ発売されると、とてつもなく高いパフォーマンスを持ったバイクだと分かった。それと同時に、とてもフレンドリーで、オーソドックスな作りだということも見えてきた。

速いのは間違いない。でも、難しくない。まだ2輪界に普及し始めたフューエルインジェクションはしっかりと調教されてドン着きの不安もなく、車体は不用意に大きさを意識させない。しっかり曲がり、止まる。「あまり経験がなくても、それで大丈夫だから」と大きく包んでくれる印象。

そんな初代の特性と特徴は、2008年の2世代目にも継承された。’13年には安全性を高めるべくABSを追加した2.5世代とでも言うべき世代に入り、歴代で通算19万台近くの販売も記録した。

そして2021年には待望の3世代目がいよいよ現れたが、初代から2世代目にうまく継承された要素がしっかりと引き継がれている。十分なパフォーマンスを持ちながらも、自在に扱えて、ライダーが余裕を持って楽しめる。バイクの本質を、誰にでも、安全に味わえるように。それが“究極”の意味すること。だからハヤブサは見た目も中身も古びない。

ハヤブサはスズキだけでない、世界のフラッグシップとして、これからも長い歴史を紡ぐだろう。

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FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

【SPEC】エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒1299cc/ボア×ストローク81.0×63.0mm/圧縮比11.0:1/最高出力175ps/9800rpm/最大トルク14.1kg-m/7000rpm/変速機6段リターン/全長×全幅×全高2140×740×1165mm/ホイールベース1485mm 乾燥重量215kg/タンク22L/シート高805mm/キャスター角24.2度/トレール97mm/チェーン112リンク/タイヤ120/70ZR17・190/50ZR17 ※GSX1300R HAYABUSA 欧州仕様のデータ

画像1: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

1999/第1世代となる’99~’07年型は年ごとのカラー変更(写真は一部)と小改良で進む。

画像2: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2000/FIセッティング変更や燃料系の目詰まり対策。

画像3: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2001/速度計が300→280km/hになりECU(16→32bitに)やメインハーネス/セルモーター/燃料ポンプ位置を変更。

画像4: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2002

画像5: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2003/フォークインナーチューブにチタンコートを追加。

画像6: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2004

画像7: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2005/クリアウインカーレンズを採用する。

画像8: FIRST GEN. 1999-2007/オーソドックスな構成を極めることで究極性と汎用性を備えた元祖メガスポーツ

2007

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SECOND GEN. 2008-2020/排気量を拡大し各部の仕様を現代的に変更する正常進化

【SPEC】エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒1340cc/ボア×ストローク81.0×65.0mm/圧縮比12.5:1/最高出力145kW/9800rpm/最大トルク155N・m/7000rpm/変速機6段リターン/全長×全幅×全高2190×735×1165mm/ホイールベース1485mm/乾燥重量220kg/タンク21L/シート高805mm/キャスター角23.25度/トレール93mm/チェーン114リンク/タイヤ120/70ZR17・190/50ZR17 ※HAYABUSA(GSX1300R) 2008年型欧州仕様のデータ

画像1: SECOND GEN. 2008-2020/排気量を拡大し各部の仕様を現代的に変更する正常進化

2008/第2世代ではスロットルボディ径がφ[42→]44mmとなり、新たにSDTV=ツインバタフライバルブを採用。インジェクターも[気筒4ホール×1→]12ホール×2に。2本出しEXはトライアングル形状で、点火系にはGSX-R系同様の3モードセレクターを加える。フレームとスイングアームは各部の設計を改め、Fブレーキキャリパーは横置き6ピストンに換えラジアルマウント4Pを装着など、各部を現代化した。

画像2: SECOND GEN. 2008-2020/排気量を拡大し各部の仕様を現代的に変更する正常進化

2009/第2世代でもハヤブサの人気は衰えず、北米では年間1万台前後を販売し続けてきた。その’09/’10/’11/’12年型はそれぞれカラーリング変更のみを行う。

画像3: SECOND GEN. 2008-2020/排気量を拡大し各部の仕様を現代的に変更する正常進化

2010

画像4: SECOND GEN. 2008-2020/排気量を拡大し各部の仕様を現代的に変更する正常進化

2011

画像5: SECOND GEN. 2008-2020/排気量を拡大し各部の仕様を現代的に変更する正常進化

2012

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2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

画像1: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2013年型では6年ぶりとなるハード面の変更が行われ、ABSを標準装備(検知は前右/後ディスクインナー部で行う)し、フロントブレーキキャリパーはブレンボラジアル4Pとした。実質的な2.5世代と言っておこう。

画像2: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2014年型では各地の規制共通化に合わせた日本国内仕様が登場。197ps、180km/hリミッターとETC車載器装備が他地域仕様との違いというほどの共通仕様だった。国内仕様は2017年まで展開した。国内仕様とも、’14~’18年型までは色変更で推移。

画像3: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2015

画像4: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2016

画像5: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2017

画像6: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2018型まではモトマップ扱いの逆輸入車も展開された。

画像7: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2019、’20年型は色変更で北米仕様のみ展開(逆輸入なし)された。

画像8: 2.5 GEN. 2013~/各地の規制共通化に合わせて国内仕様も現れた

2020

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2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

【SPEC】エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒1339cc/ボア×ストローク81.0×65.0mm/圧縮比12.5:1/最高出力138kw<188ps>/9700rpm/最大トルク149N・m<15.2kg-m>/7000rpm/変速機6段リターン/全長×全幅×全高2180×735×1165mm/ホイールベース1480mm 装備重量264kg/タンク20L/シート高800mm/キャスター角23.0度/トレール90mm/タイヤ120/70ZR17・190/50ZR17 ※Hayabusa 2023年型国内仕様のデータ

画像1: 2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

2022/2021年に登場した3代目HAYABUSA(2022年型)は3色展開。こちらはグラススパークルブラック×キャンディバーントゴールド(黒×金)でシングルシートカバー装着状態だ。

画像2: 2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

2022/メタリックマットソードシルバー×キャンディダーリングレッド(マットシルバー×赤)でのシングルシートカバー装着仕様。

画像3: 2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

2022/パールブリリアントホワイト×メタリックマットステラブルー(白×青)で、こちらはシングルシートカバーを外した状態だ。

画像4: 2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

2023/2022年6月28日に発売された最新HAYABUSA(2023年型)も3色展開で、こちらはサンダーグレーメタリック×キャンディダーリングレッド(CJH)だ。

画像5: 2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

2023/ブリリアントホワイト×パールビガーブルー(JWN)

画像6: 2021 3rd Generation!/2021年に登場した3代目ハヤブサは、見れば見るほど正常進化の意味が強く伝わる

2023/グラススパークルブラック×マットブラックメタリックNo.2(KGL)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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