1980年代のパリ・ダカールラリーマシンを最新テクノロジーでオマージュしたアドベンチャーモデルがデザートXだ。ドゥカティでは初となる、本格的なオフロード性能も視野に入れた注目モデルだが、まずはアドベンチャーとしてのツアラー適性を試してみた!
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

ドゥカティ「デザートX」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Ducati Desert X 総排気量:937cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:875mm 車両重量:223kg 発売予定:2022年10月 税込価格:199万9000円

Ducati Desert X

総排気量:937cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:875mm
車両重量:223kg

発売予定:2022年10月
税込価格:199万9000円

トータルバランスに優れステージを選ばない!

デザートXは、モンスターなどと同系列の、937ccユニットを搭載するパワフルなモデル。パワーは110PSを発揮、フロントタイヤには走破性に優れた21インチを選択したり、高いロードクリアランスや前後とも220〜230mmものホイールトラベルを確保するなど、オフロード指向が強いのが特徴。ムルティストラーダよりひと回りスリムで、背が高く、跨がるとその重さは3分の2くらいの手応えにしか感じない。スゴく軽い。

ルックスは完全なオフローダーで、実際にそんな道が大好物。6モード中2種類あるオフロード用のライディングモードを選択しておけば、スロットルによる抜重加重もしやすいし、ブレーキもよく利く。何より、その走破性が光る。ざくざくの溶岩砂利だらけのダートを飛ばしてみたが、段差通過などでの耐衝撃能力、車体の安定性もすばらしい…。

しかし、そのあたりのことはじっくりオフロードを試乗してから詳しくインプレする予定。今回はアドベンチャーとしての、日常的なオンロードでの使い勝手を紹介しよう。

画像1: ドゥカティ「デザートX」インプレ(宮崎敬一郎)

まず、これほど背が高いのに、高速道路を含め、舗装路を走っている時のハンドリングにクセがなく、安定性もいい。オフ系アドベンチャーにしてはかなり優秀だ。

よく動く前後サスの威力もあって、乗り心地もいい。ただ、コーナリングなどはその足周りを丁寧に落ち着かせながらリーンさせないと、スロットルを合わせるときにいくらか揺れが発生することがある。これはアフリカツインでもテネレ700でも同じ。とはいえ、ビッグオフの中ではかなり無理が利く。

画像2: ドゥカティ「デザートX」インプレ(宮崎敬一郎)

最近のテスタストレッタはかなり静かになっているので、エンジンフィールも快適。クルーズ用の6速レシオもいい仕事をしている。ライディングモードの「スポーツ」でもレスポンスは柔軟で、街でも使える。ただトラコンやABSの作動が他のモードより辛めで駆動力、制動力を優先した設定だ。

6400回転あたりから振動やノイズが少し強くなり、パワーも微妙に盛り上がるものの、基本的にはフラットな性格。一万回転までストレスなく回して使い切れる。これはピックアップが穏やかになる「アーバン」や「ツーリング」モードでも同じ。

軽さと、パワーや走破性、乗り心地がどんなコースでも活きるよう、うまくまとめられているバイクだ。ツーリングでも大型アドベンチャーに負けない。

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