モトクロスのオリンピックと呼ばれる国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」がこの週末開催中。Off1.jpでは現地へ取材に赴きSNSなどで随時ナマの情報を更新中。24日土曜日は予選がおこなわれた

ゲートピックは最悪…

金曜日のグリッド決めクジの運は24番目。全34カ国で考えればいいほうかもしれないが、下田が顔をしかめるほどの悪条件でのスタートだった。アマチュア全国大会のロレッタリンでも下田はゲートピックのクジで苦戦を強いられた。もう少しいいグリッドから出られれば……。そんな苦々しい思い出がよみがえる。

クオリファイとは関係のない40分の練習走行では参考タイムが掲示されるが、大倉由揮はMXGPで27位、下田丈はMX2で2位、鳥谷部晃太はMXOPENで27位という結果であった。これをふまえて3名は各クラスの予選へ挑む。

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予選1番目のMXGPクラスでは大倉は好スタート。中盤あたりで飛び出してそのまま後方集団でバトルを繰り広げるものの、少しずつ下がってしまい24位。「はじめて走るコースだというのもあるのですが、たとえばゴーグルのティアオフを終わるまでに使い切ってしまって視界を失ってしまったり、走りのミスもあったりしました。練習走行よりは前についていけた感覚があったので、もう一度走れたとするなら20位くらいは狙えたかもしれませんね。20位以内はかなり層が厚いと感じました」とは大倉。

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下田は2番目のMX2クラス。このクラスで目下ライバルとみられるハンター・ローレンスとゲートピックの順位も並んでいて、スタートゲートもやはり隣合わせに。センターボックスより少し外側でのスタートとなったが、苦戦を強いられて中盤くらいの出だしになってしまった。それでもオープニングラップで持ち前のスピードでどんどん前に出るが、2周目に前を走るライダーの転倒に突っ込む形でクラッシュ。また中盤でも転倒してしまった。

画像: Shimoda crash | MX2 Qualifying | Monster Energy FIM Motocross of Nations #MXGP #Motocross youtu.be

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さすがの下田もここから上位を狙うことは難しく、挽回するも12位どまりでフィニッシュ。「少し身体は痛いけど、大丈夫です。ゲートピックの運が悪くてスタートでれなくて……前に絡んで転倒してしまったり、だいぶ運の悪いレースでした。自分のミスでもあるかもしれませんが、アンフェアな気持ちで、その……。今回運が悪かったですね。コースはいつものレッドバッドと同じで走るライダーが替わったからといって大きく轍などが変わったということもないですね。明日はやれることを全力でやるだけです」

下田の12位を受けてこの時点で日本は大倉24位とあわせて36pt。このタイミングでは19位でぎりぎり予選を通過できる順位だった。MXoNの予選はチームの3人のうちワーストの1名を省いた合計結果で争われる。予選通過を盤石にするには鳥谷部が大倉以上の結果を出して1ptでも稼ぐことが重要だった。

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MXOPENの鳥谷部はやはり中盤くらいの好スタートをみせるが大倉同様に少しずつおい下がる展開。最終的には23位で「最後のレースだったこともあってだいぶ荒れていましたね。自分が経験したことがないぐらい深いギャップができていました。レッドバッドは高低差があるので下りで特に跳ねられてしまうようなギャップがたくさんできてしまうようです。ラインをつなげていくのにかなり苦労しました」と言う。

3レースの結果で日本は35pt・22位に。南アフリカが32ptで決勝圏内19位に残り、同ポイント32ptでベネズエラが20位B決勝へ、アイルランドが33ptで21位。日本はB決勝へ参戦することになる。

B決勝から1チームだけ勝ち残る。日本は2015年にB決勝から本決勝へ進出

B決勝は優勝した1チームだけが、敗者復活となって決勝へと駒を進めることができる。日本は一度これで予選落ちとなってしまったが、この1枠しかない敗者復活の権利を争うことになるのだ。B決勝は20−32位の13カ国全員で出走するため、39台フルグリッドのレース。

画像: B決勝から1チームだけ勝ち残る。日本は2015年にB決勝から本決勝へ進出

日本代表チームの熱田高輝は「大倉、鳥谷部は予選落ちのリスクを避けるために今日は少しマージンをとっていると思いますが、明日はあとがないので全開でいってもらうことになると思います。B決勝は下田が1位を獲ったとしても他の二人が上位に入らないと勝ち残れません。ゲートピックはB決勝組の3番手だったことから、3−16−29番目で選ぶというルール。下田には3番目に選んでもらい、より450になれている大倉に16番目をまかせることになるのではないでしょうか。ライダー達とは今夜ミーティングをして今日の走りを振り返って、よりもいい走りができるような体制を整えたいと思っています」と語る。日本は2015年フランスはエルネーでおこなわれたMXoNにて、B決勝を勝ち上がってファイナルへ進出した経緯を持つ。2022年はいかに。

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