ダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ第4戦、茨城県下妻市の筑波サーキット ジムカーナ場で2022年9月18日に開催された。台風の接近にともなう不安定な天気の中で開催、途中から雨が降り出す中でも154台がエントリー。まず最初は、二輪ジムカーナの最高峰クラスであるA級の雨の中での戦いをレポートする。

A級1位 吉野 昇選手&CRF450X / 1分16秒648

画像1: A級1位 吉野 昇選手&CRF450X / 1分16秒648

開幕戦でダンロップ杯で久々の勝利を挙げた吉野選手は、7月の第3戦では全てが噛み合わずにクラス20位、ポイント圏外に沈んでしまった。しかしこの第4戦では、第3戦での失敗の原因を徹底的に見直して突き止め、「マシンのセッティングも走り方も、失敗を繰り返さないように対策をしてきましたから」という吉野選手。

第1ヒートのNO級途中から雨が降り始め、A級がスタートする頃にはすっかりウエットになったスリッピーな路面コンディションの中、軽量でパワフルなCRFの持ち味を活かした豪快なライディングで1分17秒425という、2位を1秒以上引き離す圧倒的なトップタイムをマークし暫定トップに。

画像2: A級1位 吉野 昇選手&CRF450X / 1分16秒648

さらに雨脚が強まりヘビーウエットとなった第2ヒートでもその速さは変わらず。第1ヒートのトップタイムは結局更新されることはなかったが、最終アタッカーとして悪化したコンディションの中でも全開アタック。何と1分15秒648までタイムを削り取って見せる。ペナルティが1つあり1秒のタイム加算を受けて記録上のタイムは1分16秒648となったが、その雨中での驚異的な走りはギャラリーを驚かせた。

この勝利でランキングトップの冨永選手との差も縮め、ランキング2位。競技終了後、吉野選手は「前回ノーポイントだったのを少し取り返せたかな。あと2戦あるし、面白くなってきたね」とコメントしていた。

A級2位 濱田 令選手&YZ250X / 1分17秒917

画像: A級2位 濱田 令選手&YZ250X / 1分17秒917

今シーズンからJAGE・A級に昇格したばかりの濱田選手&YZ250X。開幕戦であわやA級デビューウインかと思われたが2位、第2戦でも5位入賞だったが、第3戦では吉野選手と同じく結果を残せず16位。しかしレインコンディションの第4戦では勢いのある走りが再びタイムに結びつき、第1ヒートは1分19秒537で暫定7位。第2ヒートでは吉野選手に届かなかったが1分17秒917までタイムを縮めて今シーズン2回目の2位となり、ランキングも3位に浮上した。

A級3位 冨永崇史選手&NSR250R / 1分18秒220

画像: A級3位 冨永崇史選手&NSR250R / 1分18秒220

第2戦・第3戦を連勝し勢いに乗る冨永選手&NSR250Rだったが、この第4戦は細かな失敗に足をすくわれた。第1ヒートではアタック自体に失敗、珍しく足着きでのペナルティも受け1分21秒021で15位。第2ヒートでは1分18秒220で3位までリカバリー。しかし実はタイヤウォーマーのトラブルで、熱の入っていないタイヤでのアタックだったという。「いや、今日はやらかしちゃいました。3位になれて良かった。ランキングトップだけど、ダンロップ杯は全6戦中5戦の有効ポイント制だから、まだ分からない。吉野さんとの争いですね」と冨永選手。

A級4位 角谷岳司選手&YZ250X / 1分18秒474

画像: A級4位 角谷岳司選手&YZ250X / 1分18秒474

久々に完全なウエットコンディションとなったこの日、CRF450Xで走る吉野選手以下、モタード勢が大活躍。2位の濱田選手と同じくYZ250Xを駆る角谷選手も、軽量で小回りが効き、2ストらしい瞬発力というマシンの特徴を活かし、昨年見せた速さを取り戻して第2ヒートで1分18秒474を記録して4位に入賞。

A級5位 三崎雅也選手&DR-Z400SM / 1分18秒779

画像: A級5位 三崎雅也選手&DR-Z400SM / 1分18秒779

DR-Z400SMで参戦する三崎選手は1分18秒779で5位。実は6位の小川選手&NSR250Rと全くの同タイム! ところが、オートバイ杯のレギュレーションでは同タイム時の規定が存在しなかった。そこで表彰式で呼び出されたその場で、三崎選手と小川選手がジャンケンをして順位を決めるという珍事となった。

A級6位 小川直人選手&NSR250R / 1分18秒799

画像1: A級6位 小川直人選手&NSR250R / 1分18秒799
画像2: A級6位 小川直人選手&NSR250R / 1分18秒799

シリーズポイントでは5位11ポイント、6位10ポイント。1ポイントの差を掛けたこのジャンケン勝負は、アイコを一度挟んで三崎選手(写真右側)が見事に勝利! 雨中で切れた走りを見せた小川選手が涙を飲み、5位・三崎選手、6位・小川選手で順位が確定した。

A級7位 作田隆義選手&ZRX1200R / 1分18秒835

画像: A級7位 作田隆義選手&ZRX1200R / 1分18秒835

A級8位 大川彰人選手&NSR250R / 1分18秒930

画像: A級8位 大川彰人選手&NSR250R / 1分18秒930

A級9位 清野雅之選手&GSX-R750 / 1分19秒086

画像: A級9位 清野雅之選手&GSX-R750 / 1分19秒086

A級10位 矢嶋 尊選手&GPMR250X / 1分19秒252

画像: A級10位 矢嶋 尊選手&GPMR250X / 1分19秒252

ビッグバイクが不利な雨をものともせず、作田選手&ZRX1200Rがいつもの繊細さと豪快さをバランスさせた走りを見せて1分18秒835をマークし7位に。8位には大川選手&NSR250Rが1分18秒903と僅差で続く。清野選手&GSX-R750は1分19秒086で9位、10位は矢嶋選手&GPMR-250Xで1分19秒252だった。

画像: オートバイ杯第4戦のA級入賞者 右から1位・吉野選手、2位・濱田選手、3位・冨永選手、4位・角谷選手、5位・三崎選手、6位・小川選手

オートバイ杯第4戦のA級入賞者
右から1位・吉野選手、2位・濱田選手、3位・冨永選手、4位・角谷選手、5位・三崎選手、6位・小川選手

今回のオートバイ杯第4戦のレポートは月刊『オートバイ』11月号の誌面上でも掲載予定。二輪ジムカーナに関連する各種情報はオートバイ杯の運営行なっているJAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページで確認できる。またジムカーナイベントの日程に関しては、全国各地を網羅していてカレンダー形式で使いやすい「モトジムカーナカレンダー」でチェックしよう。

また、YouTube上でジムカーナ関連動画を公開し、オートバイ杯の動画ライブ配信を行っている「Ramkhana」チャンネルでは、この大会の配信アーカイブや、さまざまなジムカーナに関する動画が楽しめる。

レポート:小松信夫

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