MotoGPの各クラスより、早くクライマックスを迎えることになる電動車によるロードレースシリーズ戦の「エネル MotoE ワールドカップ」。今シーズンの最終戦はサンマリノGPの舞台であるミサノの2レースですが、9月3日(土)のレース1のリザルトにより王者が決定することになりました。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年9月4日に公開されたものを転載しています。

ポールポジションは、ランキング首位のD.エガーターが獲得!!

イタリアの電動ロードレーサー、エネルジカ エゴ コルサを使うワンメイクレースであるMotoEは、MotoGPの各クラスのように明確なマシンの戦闘力差が存在しません(もちろん、チームの力の違いは存在しますが)。タイトル争いを優位に進める上で、予選で良いスターティンググリッドを獲得するのは非常に大事です。

注目の予選でポールポジションを獲得したのは、前戦オーストリア終了時点でランキング首位にいるドミニク・エガーター(ダイナモルト インタクトGP)でした。2、3位はともにポンス レーシング40に属するマティア・カサディとジョルディ・トーレス。エガーターとともに、タイトル争いの主役をつとめるエリック・グラナド(LCR E-チーム)は、グリッド上でエガーターの背後に位置する予選4番手という結果でした。

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途中、グラナドがエガーターをパスしましたが・・・

ドライコンディションで行われた8周のレース1、2列目スタートのグラナドは首位に浮上。しかし4周目にエガーターはグラナドをパスし、リードを奪い返しました。

画像: 首位を走るD.エガーター(77番)とそれを追うE.グラナド(51番)。この順位のままでレース1が終われば、両者のポイント差は22.5ポイントとなり、E.グラナドにもレース2で逆転タイトルの可能性が残されたのですが・・・。 www.intactgp.de

首位を走るD.エガーター(77番)とそれを追うE.グラナド(51番)。この順位のままでレース1が終われば、両者のポイント差は22.5ポイントとなり、E.グラナドにもレース2で逆転タイトルの可能性が残されたのですが・・・。

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しかし、2位走行中だったグラナドが14コーナーで転倒!! 首位を走るエガーターは、再スタートしたグラナドがノーポイントで終わり、自身が8位以内でレース1のチェッカーフラッグを受ければ、2022年MotoE王者になれるシチュエーションになりました。

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ライバルの転倒により、エガーターは心理的にだいぶ楽になった・・・と思いきや、レース後の彼のコメントによると、自身がタイトル獲得に優位という状況になったことでかえってナーバスになり、リラックスすることができなくなってしまったそうです・・・。

しかし集中力を維持して、限界までプッシュすることを心がけた結果、最終周の第8コーナーでM.カサディにパスされて優勝こそは逃すものの、2位でゴールして見事タイトルを獲得! なお3位には、マッテオ・フェラーリ(フェロ グレシーニ MotoE)が入賞しました。

画像: MotoE初年度の2020年シーズンは3位、昨2021年は7ポイント差で2位に甘んじたD.エガーターですが、3度目の正直? でついに2022年度のMotoEタイトルを獲得!! ダイナボルト インタクトGPのスタッフたちと、勝利の喜びを分かち合います。 www.intactgp.de

MotoE初年度の2020年シーズンは3位、昨2021年は7ポイント差で2位に甘んじたD.エガーターですが、3度目の正直? でついに2022年度のMotoEタイトルを獲得!! ダイナボルト インタクトGPのスタッフたちと、勝利の喜びを分かち合います。

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なお来週はマニクールで、MotoEと掛け持ち参戦している世界スーパースポーツ選手権を走らないといけないエガーターですが、先にMotoEタイトルを決めたことで気分良く世界スーパースポーツ選手権2連覇に向けて戦えるのではないでしょうか?

画像: 過去の鈴鹿8耐での活躍で、日本にもファンの多いD.エガーターですが、昨年はテン・ケイト・ヤマハのライダーとして、世界スーパースポーツ選手権初タイトルを参戦初年度で獲得。今シーズンは残り6ラウンドを残した時点でランキング首位に立っており、MotoEとのダブルタイトル獲得が期待されています。 www.intactgp.de

過去の鈴鹿8耐での活躍で、日本にもファンの多いD.エガーターですが、昨年はテン・ケイト・ヤマハのライダーとして、世界スーパースポーツ選手権初タイトルを参戦初年度で獲得。今シーズンは残り6ラウンドを残した時点でランキング首位に立っており、MotoEとのダブルタイトル獲得が期待されています。

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レース1でタイトルが決まったことにより、9月4日(日)のレース2の大きな見どころがひとつ減ってしまったわけですが(苦笑)、来シーズンからドゥカティV21Lにマシンが変わるため、エネルジカ エゴコルサ最後のMotoEになること・・・。そして唯一の日本人参戦ライダーである大久保光の活躍などを期待して、今シーズン最終戦のMotoEを観ることを楽しみにしたいです。

MotoE2022 第6戦サンマリノ レース1 リザルト
1 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 13'52.4130
2 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE +0.134
3 11 マッテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE +0.188
4 40 ジョルディ・トーレス Pons Racing 40 +0.288
5 17 アレイシ・エスクリチ Tech3 E-racing +5.086
6 7 ニッコロ・カネパ WithU GRT RNF MotoE Team +5.196
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7 78 大久保光 Avant Ajo MotoE +5.534

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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