ヤマハの250ccネイキッドスポーツ「MT-25」は2020年3月にモデルチェンジ。フロントマスクをはじめデザインを一新し、倒立フォークを採用するなど走行性能も高めている。
文:太田安治、オートバイ編集部

ヤマハ「MT-25 ABS」インプレ(太田安治)

画像: YAMAHA MT-25 ABS 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:780mm 車両重量:167kg 税込価格:63万2500円

YAMAHA MT-25 ABS

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:780mm
車両重量:167kg
税込価格:63万2500円

スポーツランで輝く倒立フォークの「効果」

MT-25に試乗して、まず目に付くのが獰猛な印象のフロントフェイス。ヘッドライトのLED化でデザインの自由度が高まり、インパクトある顔つきになった。だが、僕が注目したいのは倒立フォークの採用。剛性向上に効果的だが、ストリートユース前提のMTにマッチするのか気になるところだ。

試乗すると、街乗りでは倒立フォークの優位性はほとんど感じられない。バネ下重量が減っているので路面追従性は上がっているが、高剛性と引き換えに乗り心地は少し硬く、低速域での軽快感も薄れたように感じる。ただ、ハンドル位置が44mm高くなって上体の前傾度が減り、ギャップ通過時に手首や腕が突き上げられることはない。

画像: ヤマハ「MT-25 ABS」インプレ(太田安治)

ペースを上げていくと、倒立フォークのメリットがようやく出てくる。フルブレーキングからフルバンク、という走りでもフロントがバタつかず、ジワッと沈んでストロークの奥でグッと踏ん張り、ブレーキを残したまま寝かし込んでもフロントフォークにねじれは出ない。タイヤの接地感も明確に伝わり、安心してスポーツライディングを楽しめる。

つまり、MTの操縦性は低速域での軽快感と優しい乗り心地を削って、中高速域でのダイレクト感と安定性に振り分けつつ、ハンドル高を上げて街乗りやツーリング適性も確保したもの。幅広いステージに対応する車体に仕上げられ、乗り込むほどに納得する設定なのだ。

ヤマハ「MT-25 ABS」ライディングポジション・足つき性

シート高:780mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像: ヤマハ「MT-25 ABS」ライディングポジション・足つき性

前モデルから44mm高くなったハンドルで上半身はごく軽い前傾。シートの前寄りに座れば上体はほぼ直立になり、腕や肩への負担はまったくない。780mmのシート高で身長150cm台のライダーでも不安なく扱える。

ヤマハ「MT-25 ABS」注目ポイント

画像: エンジンは従来型のものを継承。回すと爽快なパンチ力を楽しめるが、低中域でも扱いやすいのでビギナーにも人気。

エンジンは従来型のものを継承。回すと爽快なパンチ力を楽しめるが、低中域でも扱いやすいのでビギナーにも人気。

画像: 強烈なインパクトのヘッドライトデザイン。MT-07や09といった兄弟モデルにも採用されるファミリーフェイスだ。

強烈なインパクトのヘッドライトデザイン。MT-07や09といった兄弟モデルにも採用されるファミリーフェイスだ。

画像: モデルチェンジを機に採用された37mm倒立フォーク。剛性アップはスポーツハンドリングに貢献、ABSも標準装備。

モデルチェンジを機に採用された37mm倒立フォーク。剛性アップはスポーツハンドリングに貢献、ABSも標準装備。

ヤマハ「MT-25 ABS」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2090×755×1070mm
ホイールベース1380mm
最低地上高160mm
シート高780mm
車両重量167kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量249cc
ボア×ストローク60.0×44.1mm
圧縮比11.6
最高出力26kW(35PS)/12000rpm
最大トルク23N・m(2.3kgf・m)/10000rpm
燃料タンク容量14L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量95mm
タイヤサイズ(前・後)110/70-17M/C(54S)・140/70-17M/C(66S)
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格63万2500円(消費税10%込)

文:太田安治、オートバイ編集部

ヤマハ「MT-25 ABS」関連のおすすめ記事

This article is a sponsored article by
''.