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数ある広大なフィールドの中でも一際人気の高い神立スノーリゾートで開催された、JNCC第6戦。全国的に大気が不安定な真夏のまっただ中ではあったものの天候に恵まれた。今季は熱田孝高、馬場大貴、渡辺学とスターライダーが集う同シリーズ、この大会もド級の実力派ライダーたちがやってきた

名門、神立スノーリゾート

関越トンネルをくぐりぬけると目を奪われるのは湯沢の街だ。アルプスの少女ハイジがブランコを漕いでいそうな緑のフィールドに囲まれたリゾート地は、温泉街と多くのスキー場の収入に支えられてきた。バブル期に乱立された高層ホテルやマンションはきらびやかで、旅情あふれる旅先ではある。神立スノーリゾートもこの湯沢に位置する名門スキー場だ。地上6階建てのリゾートホールと呼ばれる巨大なセンターハウスは近年きれいに修復され、JNCCの前日には休業中の巨大温泉が臨時開業される。ホスピタリティも充実しているのだ。

ゲレンデの最長滑走距離は3600m、標高460mから1000mまでバイクなら一気に駆け上ることができる。JNCCの多くのレース同様に、普段は走れないような圧倒的なロケーションを堪能できる。ライダーからすればそんな余裕はないかもしれないが、頂上まで駆け抜けるヒルクライムでみることができる湯沢の展望は筆舌に尽くしがたい。

画像: バイパスクライム。今回初めて開放されたセクションだけに爽快そのもの

バイパスクライム。今回初めて開放されたセクションだけに爽快そのもの

画像: どでかいスケールのヒルクライムが続く

どでかいスケールのヒルクライムが続く

JNCCがこの地で初開催されたのは2020年。難所の少ないハイスピードな展開となったが、3年間で路面はだいぶ走り込まれてこなれてきた。ざっくりいうとギャップが増えて荒れた路面が多く、走りごたえは十分。もちろん全開でかっ飛ばせるヒルクライムも残っており、いよいよクロスカントリーらしいフィールドに成長した感がある。今大会の見せ場はバイパスクライム。スタートからほど近い位置に丁寧に雑草を刈り込んだ巨大なヒルクライムが出現。百戦錬磨のJNCCスタッフが用意した新生神立、見応えも抜群だった。

画像: 「オアシス」では熱中症になりかけたライダーを介抱

「オアシス」では熱中症になりかけたライダーを介抱

勝負に出た渡辺学を、小方誠が下す

画像1: 勝負に出た渡辺学を、小方誠が下す

午後からおこなわれる最上位クラスCOMP GPは気温の上昇をうけて20分短縮が発表。さらには落雷のおそれありとのことで急遽レースを繰り上げ終わらせる緊急措置がありえる、との告知がなされた。今年COMP GPでは、スキー場ということも鑑みて使用可能タイヤをFIMエンデューロ規格にのっとったもの(ブロックは13mm以下、環境に配慮したタイヤ。一般にモトクロスタイヤやオフロード向けのタイヤよりもグリップに劣る)に制限していることもあり、タイヤチョイスが大きなファクターとなっている。前戦で優勝した馬場大貴はダンロップのEN91が功を奏したとコメントしている。今戦では渡辺学がブリヂストンE50を140幅サイズから、あまり使われていない120幅サイズへあえてダウン、勝負に臨んだ。

序盤は渡辺、小方、熱田のトップ3が三つ巴に。神立のコースは主にガレ、ヒルクライム、くだりの3要素で構成されるが、ライダー3者ともに得意なセクションが異なっている。軽いYZ250FXの渡辺は下りで攻め、圧倒的なパワーのCRF450RXを駆る小方はヒルクライムに分があった。エンデュランサーの熱田はガレでリードを稼いでいく。

画像: 重たい450ccでも下りのキャンバーターンで鋭い突っ込みを見せる小方

重たい450ccでも下りのキャンバーターンで鋭い突っ込みを見せる小方

画像: ここぞという時の攻めるスピードはとんでもないものがあった渡辺

ここぞという時の攻めるスピードはとんでもないものがあった渡辺

画像: ガレに優位性があった熱田。今季は念願の一勝を遂げているが、全日本モトクロスとかぶっているラウンドは参戦できないため、残すチャレンジは最終戦のみとなるだろうか

ガレに優位性があった熱田。今季は念願の一勝を遂げているが、全日本モトクロスとかぶっているラウンドは参戦できないため、残すチャレンジは最終戦のみとなるだろうか

中盤には熱田がこのトップ3から脱落、トップ争いは渡辺・小方に絞られる形でデッドヒートが繰り広げられた。先にピットインしたのは渡辺。その隙に差をつけようと小方はペースを上げるが、その周に渡辺は小方に追いついてみせる。これには小方も驚愕したという。さらにペースをあげることを余儀なくされる小方だったが、コースも荒れてくる後半10周目に、9分フラットのベストラップをマーク。渡辺が後半9分30秒付近で周回している最中の極端なペースアップで、一気に差が開くことに。そのリードは周ごとに開き、小方はJNCC初優勝をものにした。

「全日本モトクロスとかぶっていないところはJNCCに出るようにしています。日本はレース数が少ないからできるだけモトクロスじゃなくてもレースに出てレベルを上げたいんです。エンデューロは勉強になるんですよ? いかにスムーズに走れるところを見極められるかとか、ラインを変える練習にもなります。鈴蘭では学さんが目の前で器用にラインを変えていって、それを真似しようとしてもできなかったんですよね。今回は、速い人のラインをちゃんと走れたのがよかったんだと思います。そうそう、先日はダートスポーツの初心者向けレースにゲスト参戦したんですが、それでも勉強になったほどなんですよ!

優勝、うれしいです! 学さんと熱田さんとずっとやりあってたので、これはキツイレースになるぞって思ってました。ピット入ったあとに学さんに抜かれた時は、これはちょっとやそっとのペースでは追いつかないなと思って、死ぬ気で走りましたね!」

画像2: 勝負に出た渡辺学を、小方誠が下す
画像3: 勝負に出た渡辺学を、小方誠が下す
画像4: 勝負に出た渡辺学を、小方誠が下す

小方はこのJNCCに参戦しているトップライダーの中でも、唯一全日本モトクロスの現役ランカー。だがそのオリジンは河川敷のガレたコースにあり、クロスカントリー向きだともいえるのかもしれない。

画像: 120サイズのE50をチョイスした渡辺。横方向の軽さというより、縦方向の軽さが好印象だったそうだ。ブレーキング時やアクセルを開けたときの遅れ感がないとのこと。直前に思いついた策で、だめなら140サイズに履き替える予定だったとのこと

120サイズのE50をチョイスした渡辺。横方向の軽さというより、縦方向の軽さが好印象だったそうだ。ブレーキング時やアクセルを開けたときの遅れ感がないとのこと。直前に思いついた策で、だめなら140サイズに履き替える予定だったとのこと

画像: 下りはかなり荒れており、攻めるには相当な度胸が必要だ

下りはかなり荒れており、攻めるには相当な度胸が必要だ

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