2021年にカワサキは、2022年末までに3機種の電動車を発表すると予告していましたが、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が公表したカワサキ2023年モデルのVIN(車両識別番号)更新から推察する限りでは、近々市場に登場するのは11kWのスーパースポーツとネイキッド・・・の2機種になりそうです・・・?
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年8月9日に公開されたものを転載しています。

世界的に注目を集めた、鈴鹿8耐・前夜祭に登場したプロトタイプ車!

3年ぶりの開催となった「鈴鹿8耐」の前夜祭(8月6日)に、カワサキが開発中の「EVスポーツ・プロトタイプ」と「ハイブリッド・プロトタイプ」がデモ走行を披露したことが話題になりました!

画像: 鈴鹿8耐の前夜祭で、デモ走行を行ったカワサキのEVスポーツ・プロトタイプ。 www.autoby.jp

鈴鹿8耐の前夜祭で、デモ走行を行ったカワサキのEVスポーツ・プロトタイプ。

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画像: EVスポーツ・プロトタイプの心臓部。モーター軸とチェーン駆動のドライブスプロケットの軸位置から、減速機構を備えていることが予想されます。重量配分を考慮したモーター搭載位置と、アンチスクワットの兼ね合いでこの構成になったのか? それとも、他の理由からなのか? 気になりますね。 www.autoby.jp

EVスポーツ・プロトタイプの心臓部。モーター軸とチェーン駆動のドライブスプロケットの軸位置から、減速機構を備えていることが予想されます。重量配分を考慮したモーター搭載位置と、アンチスクワットの兼ね合いでこの構成になったのか? それとも、他の理由からなのか? 気になりますね。

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画像: EVスポーツ・プロトタイプ同様、鈴鹿8耐の前夜祭に登場したハイブリッド・プロトタイプ。ICE(内燃機関)部は、並列2気筒DOHC・・・のようです。 www.autoby.jp

EVスポーツ・プロトタイプ同様、鈴鹿8耐の前夜祭に登場したハイブリッド・プロトタイプ。ICE(内燃機関)部は、並列2気筒DOHC・・・のようです。

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「NX011AP」と「NR011AP」という、チョー気になる2つのVINコード

カワサキは2021年秋のEICMA(ミラノショー)のブリーフィングで、2022年に最低でも3台の電動車を発表しますと予告して世界を驚かせました。その第一弾となったのは電動バランスバイクの「エレクトロード」でしたが、子供向け製品か・・・とガッカリした人は少なくなかったでしょう。

しかし、1994年創設のメディア「MOTORCYCLE.COM」の報道から想像するに、カワサキが予告した2022年度中に発表する電動車の残り2機種は、大人のための電動車になりそうです!

NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が公表した、2023年モデルとして更新されたカワサキの車両識別番号=VINデコーダーのリストには「NX011AP」と「NR011AP」という気になるコードが2つ存在します。そしてそのリストには前者はスーパースポーツ、後者はスポーツ・・・とカテゴリーが表記されていました。

既存のカワサキ製ICEモデルのモデルコードは、EX400がスーパースポーツのニンジャ400で、ER400がネイキッドスポーツのER400になります。"X"と"R"という法則性に当てはめると「NX011AP」はスーパースポーツで、「NR011AP」はネイキッドというカテゴリーであることがわかります。

そして「NX011AP」と「NR011AP」両方にある"011"ですが、"0"は排気量・ストローク・シリンダー数がいずれもゼロ・・・つまりICE搭載車ではなく電動車であることを示しており、"11"は11kW(14.8hp)という出力を発揮することを示しています。

あくまで推測ですが・・・これらVINコードが示すものは、2023年モデルとしてエレクトロードに続く2022年発表のカワサキ電動車の残り2機種は、鈴鹿8耐・前夜祭に登場した「EVスポーツ・プロトタイプ」をベースにしたZ系ネイキッドモデル(デモ走行を披露した車両)と、同じメカニズムを持つフルフェアリング版のニンジャ系スーパースポーツなのかもしれません。

パフォーマンス的にはEVスポーツ・プロトタイプを上回ると予想されるハイブリッド・プロトタイプの方は、現時点のVINデコーダーリストに掲載されていないことから、登場は電動の「NX011AP」と「NR011AP」の後・・・になるのかもしれません?

2022年の内に電動車3機種を発表・・・というカワサキの予告どおりに話が進むのであれば、「NX011AP」と「NR011AP」は今秋の大規模ショーである10月のインターモト(ケルンショー)、もしくは11月のEICMA(ミラノショー)で公開されることになると予想されます。その"答え合わせ"をするのが・・・楽しみですね!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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