画像: スタート後、1コーナーのシーン #56山根のアウト側から#62井手が加速していきます!

スタート後、1コーナーのシーン #56山根のアウト側から#62井手が加速していきます!

ニュースタイル筑波サーキットへ

この週末は、筑波サーキットで全日本ロードレース第5戦が行なわれました。とはいえ、この筑波大会はこの2022年からちょっと変則的な大会に変わっていて、日曜日に予選→決勝を行うワンデー制、開催はJ-GP3クラスと、MFJカップのJP250のみとなりました。

これは、1周を1分足らずで走る全長2000mの筑波サーキットで、転倒事故からの負傷事例が少なくなく、多重クラッシュも頻発していたこともあり、エスケープゾーンの広さも満足でない筑波サーキットで、国内トップクラスのライダーたちの600/1000ccが選手権をかけて走るのはちょっと危険なレベルに達している、という判断からの措置です。

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古くは全日本ロードレース500ccクラスが行なわれている1980年代から言われていることでしたが、ようやく筑波でのトップクラスチャンピオンシップが行なわれないことになりました。
寂しいことだけど、しょうがない! では筑波は新しいレーススタイル挑んでいこうぜ、となったのがこの大会。んじゃJ-GP3とJP250開催は平気なのか、と聞かれると証明できるすべはありませんが、まずJ-GP3とJP250はやってみよう、と。筑波は筑波にしかないゆるぎない魅力があるんだから、新しいサーキットに変わっていくといいですね。

さて、そのJP250です。JP250は、前戦・菅生大会で、22年から出場OKとなったYZF-R3+横江竜司がブッチギリで優勝<https://www.autoby.jp/_ct/17546121>したことで、250ccのCBR250RRと320ccのYZF-R3の戦いがヒートアップしてきたんですが、この筑波大会にもYZF-R3が参戦! 菅生で横江が乗ったTEC2のマシンで、今度は井手翔太がエントリー。井手は今年の鈴鹿8耐にも参戦予定のライダーで、前戦・菅生大会では、稲垣誠率いるアケノスピードからST600クラスに参戦、3位表彰台を獲得してます。

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井手でR3かぁ、そりゃ速いよー、って前評判どおり、井手は金曜からのフリー走行でもトップタイムを連発。日曜午前の公式予選での井手のタイムは1分04秒802! ちなみに21年大会の予選トップタイムは1分10秒143(=CBR250RR+篠崎佐助)、これはハーフウェットタイムだったので、決勝のレコードタイムは1分05秒146(=CBR250RR+梶山采千夏)。予選とはいえ、参戦間もないマシンがレコードブレイク! やっぱR3速いねぇ、が筑波スズメたちの意見でした。

しかし! ここまでもてぎ大会、菅生大会と総合優勝・クラス優勝を果たしてきた山根昇馬(キジマKISSレーシングチーム)が立ちはだかります。公式予選では、R3の井手に遅れることわずか0秒176で予選2番手を獲得。予選3番手の中沢寿寛(iファクトリー&Mガレージ)が1分05秒434で続き、石井千優(SDG Nプランレーシング)と中村龍之介(ENDLESSチームSHANTI JP)までが1分05秒台で続き、このあたりまでがレースをリードする予感でした。

画像: 2周目には#62井手が#56山根をかわしてトップへ!しかし…

2周目には#62井手が#56山根をかわしてトップへ!しかし…

そしてJP250は、日曜の最終レース。スタートでホールショットを奪ったのは2番グリッドからスタートの山根で、ポールシッター井手は、1コーナーでやや大回りして、S字に向かって早くも山根をかわします! 
この2人に、KTM RC390の比企徹(Voice!&オートショップHIKI)、中沢、石井がつける展開で、予選から見ていても、やっぱりYZF-R3速いです! 高回転回っているエリアあたりでは、まだCBRのトップスピードも速い感じなんですが、筑波のようなレイアウトで、特にコーナー脱出なんかのシーンで、R3のトルクがグッとマシンを前に出す感じ。筑波だと、1コーナーで、ヘアピンで、アジアシケンで、第2ヘアピンで、立ち上がりですこーしずつR3が前に出る感じです。

画像: 井手のリタイヤから山根が独走、4台の2番手グループが追います

井手のリタイヤから山根が独走、4台の2番手グループが追います

レースは、2周目にもう井手がトップに立ち、そこに張り付く山根、3番手以下に比企、石井、中沢、中村の順。トップ2台が3番手以下を引き離しにかかります。
しかし、この2周目に井手のR3がスローダウン! マシントラブルであっけなくR3とCBRの勝負に決着がついてしまいました。うーむ、面白そうな戦いだったのに残念!

画像: 筑波選手権も勝った山根 どんどんレース場数を踏んでます スゴいライダーになりそう

筑波選手権も勝った山根 どんどんレース場数を踏んでます スゴいライダーになりそう

3周目からは、山根を追う比企、石井、中沢、中村といったレース。山根は危なげなくトップを走り、2番手争いから石井が抜け出して、後方に中村、中沢、比企というオーダー。結局このままフィニッシュとなり、国内ライセンス山根が総合優勝→クラス優勝→総合優勝で3連勝。国際ライセンスは女性ライダーの石井が初優勝、中村、中沢までが表彰台に上りました。

画像: 開幕戦もてぎ大会こそケガで欠場した#27石井ですが、負傷明けでワンランク速くなってます!

開幕戦もてぎ大会こそケガで欠場した#27石井ですが、負傷明けでワンランク速くなってます!

画像: 国際ライセンス2番手には中村龍之介! もてぎの巻き込まれ転倒がもったいなくなってきた!

国際ライセンス2番手には中村龍之介! もてぎの巻き込まれ転倒がもったいなくなってきた!

画像: ヤングタイガー揃いのJP250で気を吐くベテラン中沢50歳!

ヤングタイガー揃いのJP250で気を吐くベテラン中沢50歳!

画像: 国内ライセンス4位の久川 中学3年生、YZF-R3初レースでした!

国内ライセンス4位の久川 中学3年生、YZF-R3初レースでした!

台数が増え始めたYZF-R3は、井手のリタイヤはあったものの、国内ライセンスの4位に久川鉄平(125TEAM KYOEI with ARATA)のR3も入りました。これから先も、R3の台数、増えてくる気がします。ちなみに総合優勝の山根とこの久川、中学校3年生ですよ!

画像: 22年型の日本入荷待ちのRC390 WSS300で優勝経験もあり、常に上位を走るマシンです

22年型の日本入荷待ちのRC390 WSS300で優勝経験もあり、常に上位を走るマシンです

そして嬉しいシーンがもうひとつ。Voice!&オートショップHIKIの比企徹のKTM RC390が、予選6番手から終始セカンドグループを走って、決勝総合6位でフィニッシュ。RC390は2022年モデルの日本入荷待ちのチームが多く、日本登場しだい、もっと台数が増えるんじゃないか、って言われていますね。それ楽しみかもー!

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写真・文責/中村浩史

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