MotoGPの併催イベントである電動バイクのロードレースシリーズ「エネル MotoE ワールドカップ」は、2019年から昨年まで計20のレースが行われましたが、イタリアGPの舞台であるムジェロでのMotoE開催は今シーズンが初めてのことでした。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年5月30日に公開されたものを転載しています。

好調のD.エガーターが、レース1を制す!

2022年5月28日の予選は、フランスのレース2で今シーズン初優勝したドミニク・エガータ(ダイナボルト インタクトGP)がポールポジションをゲット! 以下、ケビン・ザンノーニ(オンゲッタ SIC58 スクアドラコルセ)、マティア・カサディ(ポンス レーシング40)、エリック・グラナド(LCR E-チーム)、マッテオ・フェラーリ(フェロ グレシーニ MotoE)、ケビン・マンフレディ(オクト プラマック MotoE)が続きました。

上述のトップ6は、いずれも予選タイムが1分59秒台。使用するマシンがエネルジカ製のエゴ・コルサのワンメイクということもあり、毎戦接戦が繰り広げられることになるのが、MotoEの魅力のひとつといえるでしょう。

5月29日のレース1はウェット状態でしたが、雨量が少なかったために各車スリックタイヤに交換してスタート。好スタートを切ったザンノーニ、フェラーリ、そしてポールのエガーターの順で最初の周の1コーナーを通過。その後、ニッコロ・カネパ(WithU GRT RNF MotoEチーム)とグラナドの接触で車体パーツが脱落するシーンがありましたが、大きな波乱に発展することなく、予選順位の位置にポジションを戻したエガーターが首位となり1周目を消化しました。

画像: D.エガーター(77番)、M.フェラーリ(11番)らの激しい首位争い。 www.intactgp.de

D.エガーター(77番)、M.フェラーリ(11番)らの激しい首位争い。

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2周目はグラナド、3周目はエガーターが首位になる展開でしたが、2人を追うライバルたちとの差は小さく両者の一騎打ちということにはならず、4周目はフェラーリ、グラナド、マルク・アルコバ(オープンバンク アスパー チーム)、ミケル・ポンス(LCR E-チーム)がトップ4となり、エガーターは5位で最終周を戦うことになります。

しかしエガーターは諦めることなく、前走車をパスして首位フェラーリに肉薄。チェッカーへ向けての直線勝負わずか0.033秒差で制し、前戦フランスのレース2に続き勝利をゲット! 2位フェラーリの後にゴールしたのは怪我をしたブラッドリー・スミスの代役アンドレア・マントヴァーニ(WithU GRT RNF MotoEチーム)でしたが、レース後の車検でタイヤ空気圧が低かったことにより残念ながら失格。代わりにグラナドが表彰台最後の位置におさまることになりました。

MotoE2022 第3戦イタリア レース1 リザルト
1 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE 10'10.9130
2 11 マッテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE +0.033
3 51 エリック・グラナド LCR E-Team +0.245
4 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 +0.975
5 70 マルク・アルコバ Openbank Aspar Team +0.983
6 7 ニッコロ・カネパ WithU GRT RNF MotoE Team +1.063

MotoE初年度(2019年)王者が今シーズン初勝利!!

5月29日、ドライコンディションのレース2で、好スタートを切ったのはザンノーニ。それを追うのはレース1で2位になったMotoE初年度(2019年王者)のフェラーリ。2020年はランキング2位、2021年はランキング3位と、安定感ある実力者は残り4周でザンノーニをパスし、新たなレースリーダーとなりました。

画像: 首位に立った2019年度MotoE王者のM.フェラーリ。 www.gresiniracing.com

首位に立った2019年度MotoE王者のM.フェラーリ。

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そして6周のレースを走り切り、フェラーリが勝利して今シーズン初優勝! その0.529秒後ろで2位に入ったのはエガーターでしたが、3位アルコバとの差は0.001秒!! であり、ファステストタイムをタイブレークとして順位を決定することが要求されることになりました。

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しかしアルコバは、レース後に黄旗中の追い越しのペナルティが科されることになり7位に降格。3位の座には4番目にゴールしたポンスがおさまることになりました(カネパもペナルティで降格)。イタリアラウンドを終えた時点でチャンピオン争いは、3勝のエガーターがランキング首位、以下2勝のグラナド、そしてそれぞれ1勝のフェラーリとカサディがランキング2〜4位となっています。

画像: フランスのレース1で3位表彰台を獲得した大久保光(78番)は、レース1は11位、レース2は1周走り切る前に転倒リタイアに終わりました。ランキングは7位(52ポイント)に後退しましたが、今後の巻き返しに期待しましょう! ajo.fi

フランスのレース1で3位表彰台を獲得した大久保光(78番)は、レース1は11位、レース2は1周走り切る前に転倒リタイアに終わりました。ランキングは7位(52ポイント)に後退しましたが、今後の巻き返しに期待しましょう!

ajo.fi

6月のカタルーニャ、ドイツの両GPではMotoEは開催されず、次戦は6月24〜25日のオランダ・アッセンまで時間が空くことになります。接戦が続く今シーズンのMotoEですが、次戦ではまた新しいウィナーが誕生することになるのか? 注目しましょう!

MotoE2022 第3戦イタリア レース2 リザルト
1 11 マッテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE 12'04.3680
2 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE +0.529
3 71 ミケル・ポンス LCR E-Team +0.566
4 9 アンドレア・マントヴァーニ WithU GRT RNF MotoE Team +1.621
5 21 ケビン・ザンノーニ Ongetta SIC58 Squadracorse +1.726
6 7 ニッコロ・カネパ WithU GRT RNF MotoE Team +0.739

MotoE2022 ランキング ※2022年5月29日時点
1. D.エガーター スイス 123
2. E.グラナド ブラジル 95
3. M.フェラーリ イタリア 93
4. M.カサディ イタリア 74
5. M.ポンス スペイン 66
6. N.カネパ イタリア 57

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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