2022年5月14日〜15日に決勝が行われた、フランス(ルマン)での「エネル MotoE ワールドカップ」。電動ロードレーサーを使用したこの選手権に、唯一日本人ライダーとして参戦している大久保光が、14日のレース1で見事表彰台に上がりました。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年5月18日に公開されたものを転載しています。

MotoE参戦10戦目での表彰台!

今シーズンよりMotoEは、FP(フリープラクティス)1、2のタイムに準じてQ(予選)1、2を行うフォーマットを採用しています。FP1で最速タイムを記録したのはマティア・カサディ(ポンス レーシング 40)でしたが、彼は転倒の影響でFP2ではタイムを伸ばせずQ1へ行くことになりましたが、見事Q1を首位で通過してQ1で2位の大久保光(アヴァント アジョ MotoE)とともにQ2へ進出します。

MotoEに冠スポンサーであるエネルが今シーズンより導入した新型充電器、エネルXウェイ・ポンプ60レースエディションの優れた充電速度の効果により、今シーズンよりMotoEはQ1、2制の予選を実施できるようになったわけですが、カサディはQ1、2ともに最速を記録した初のライダーとなり、ポールポジションを獲得しました。予選2位はわずか0.001秒差!! でドミニク・エガーター(ダイナボルト インタクトGP MotoE)。なお3位のケビン・ザンノーニ(オンゲッタ SIC58 スクアドラコルセ)も、0.021秒差という僅差でした。

14日のレース1のオープニングラップでは、シケイン出口でクラッシュしたジョルディ・トーレス(ポンス レーシング 40)がニッコロ・カネパ(WithU GRT RNF MotoEチーム)とシャビ・フォレス(オクト プラマック MotoE)にひかれるアクシデントが発生!! 2020〜2021年のMotoEタイトル防衛中の王者は残念ながら、左腓骨(下腿)を骨折してしまいました・・・。

1〜6周は先頭からカサディ、ザンノーニ、大久保、エガーターという順位で周回数を消化。しかし、ザンノーニはラストラップの13コーナーで痛恨の転倒!! 優勝はカサディで、2位には大久保をかわしたエガーターが入賞。昨年からMotoEフル参戦開始して、これまで最高位は5位(2回)だった大久保が、3位になって見事日本人ライダー初のMotoE表彰台登壇を記録しました。

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画像: Q1で2位、Q2で6位になった大久保光は決勝序盤から3位の座をキープ。終盤D.エガーターに抜かれ4位に後退するも、首位争いをしていたK.ザンノーニが最終周に転倒したことにより3位に復帰!! MotoE参戦10戦目という節目のレースで、見事初表彰台を獲得しました。 www.facebook.com

Q1で2位、Q2で6位になった大久保光は決勝序盤から3位の座をキープ。終盤D.エガーターに抜かれ4位に後退するも、首位争いをしていたK.ザンノーニが最終周に転倒したことにより3位に復帰!! MotoE参戦10戦目という節目のレースで、見事初表彰台を獲得しました。

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MotoE2022 第2戦フランス レース1 リザルト
1 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 13’54.984
2 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE +0.826
3 78 大久保光 Avant Ajo MotoE +1.223
4 11 マテオ・フェラーリ Felo Gresini MotoE +1.701
5 4 エクトル・ガルソ Tech 3 E-Racing +5.754
6 71 ミケル・ポンス LCR E-Team +6.389

レース2を制したD.エガーターが、ランキング首位に浮上!

日曜日のレース2は、前日の勝者でポールポジションスタートのカサディが序盤からレースをリード。しかし2周目に大久保をパスして3位に浮上し、3周目にザンノーニをパスして2位になったエガーターがカサディへの追撃を開始。3〜7周目までは首位カサディ、2位エガーターの状況が続くものの、最終周前の最終コーナーでエガーターがオーバーテイクに成功し、そのまま0.567秒差で8周のレースのチェッカーを真っ先に受けました!

画像: 2番グリッドからスタートしたD.エガーターは、スタート後4位までポジションを落としますが、順調に2位までポジションを回復してカサディとの一騎打ちを制してレース2の勝者となりました。 www.intactgp.de

2番グリッドからスタートしたD.エガーターは、スタート後4位までポジションを落としますが、順調に2位までポジションを回復してカサディとの一騎打ちを制してレース2の勝者となりました。

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2位はカサディ。3位には今年からWithU GRT RNF MotoEチームに移籍したN.カネパが入り、3年目で初のMotoE表彰台を獲得しています。前戦までのポイントリーダーのエリック・グラナド(LCR E-チーム)はレース1で7位、レース2で5位に終わり、ランキング首位の座をエガーターに譲ることになりました・・・。

次戦のMotoEは、今月末にムジェロで開催されるイタリアGPで併催されます。これまで2ラウンド4レースで3人の優勝者が誕生したわけですが、ワンメイクゆえに毎回激しいバトルが繰り広げられるMotoEゆえに、ムジェロで新しいウィナーが誕生することになることも考えられます。静かながらも熱いバトルを期待しましょう!

MotoE2022 第2戦フランス レース2 リザルト
1 77 ドミニク・エガーター Dynavolt Intact GP MotoE 13'56.2520
2 27 マティア・カサディ Pons Racing 40 +0.567
3 7 ニッコロ・カネパ WithU GRT RNF MotoE Team +1.688
4 21 ケビン・ザンノーニ Ongetta SIC58 Squadcorse +1.696
5 51 エリック・グラナド LCR E-Team +1.831
6 78 大久保光 Avant Ajo MotoE +2.181

MotoE2022 ランキング ※2022年5月15日時点
1. D.エガーター スイス 78
2. E.グラナド ブラジル 70
3. M.カサディ イタリア 61
4. M.フェラーリ イタリア 48
5. 大久保光 日本 47
6. M.ポンス スペイン 44

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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