250ccマルチは回してなんぼで楽しむ! 一般にはそう思われがちだが、新開発したマフラーを装着したストライカーのデモ車は、ZX-25Rの本領となる高回転域のフィーリングに磨きをかけつつも、回さずとも楽しい特性も実現していた。
文:中村友彦/写真:ヘリテイジ&レジェンズ編集部
※本企画はHeritage&Legends 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

低中回転域の充実化で回さずとも楽しめる

排出ガスや騒音に対する規制が次々と入ってきたことや、それに対応するために車両側でもフューエルインジェクションや電子制御を加えたことで、かつてのようにはマフラー交換での効果が分かりにくくなっていたのではないか? 大排気量車なら重量面でのメリットもあるけれど、250㏄だとどうなのかとも思っていた。

ところが、ストライカー製フルエキゾーストの効果は絶大だった。より大きな効果を得る手段もあるかもしれないが、マフラー変更だけで、ノーマル車とまったく異なるフィーリングが堪能できたのだ。

画像: ▲ストライカーの山田さん(左)によると、開発時に最も苦労したのは音。エキパイの構成が決定してからは、性能を維持したまま音量を抑えるため、サイレンサーの内部構造を何度も見直したという。

▲ストライカーの山田さん(左)によると、開発時に最も苦労したのは音。エキパイの構成が決定してからは、性能を維持したまま音量を抑えるため、サイレンサーの内部構造を何度も見直したという。

中でも感心したのは、日常域の元気の良さ。ノーマル車の場合は、低中回転域は線が細く、高回転域に向けての助走区間という雰囲気があるのだが、ストライカー車はスロットルの開け始めからトルク感が濃厚で、低中回転域でもはっきりと抑揚が伝わって来る。つまりストライカー車は、回さずとも楽しめるのだ。これは大いにあり! そう思えた。いくら250㏄とは言っても、常に高回転域を維持して乗るわけではないのだから。

この日常域の元気の良さには、マフラー重量が5.3㎏軽くなったことも影響しているはず。ZX-25Rのノーマルマフラーは操安性への影響が少なさそうな超ショートタイプだから、当初は軽量化の恩恵はあまり意識していなかったけれど、ストライカー車で感じた進路変更やコーナリングでのキビキビした動きは、間違いなく排気系軽量化のおかげだろう。

画像: 低中回転域の充実化で回さずとも楽しめる

一方の高回転域ではどうだったか。おそらく最高出力は上がっていても2~3㎰程度の上乗せか。でも、このストライカー車は、パワーピークに至るフィーリングがノーマル車とは別物だった。具体的に言えば、回転の上昇スピードが明らかに速くなっているし、音域が高低の両方に広がった排気音は、何だかオーケストラのシンフォニーのよう。前述したようにストライカー・フルエキは回さずとも楽しい特性を実現しているのだが、このように高回転域でも、250㏄並列4気筒ならではの魅力に、きっちり磨きをかけている。

カスタムはマフラー交換から。最近はそういうライダーが少なくなったと聞くのだけれど、ストライカー・フルエキのデモ車を体感してみて、マフラー交換の意義を改めて実感することとなった。

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STRIKER ・ZX-25R(2021) Detailed Description【詳細説明】

画像1: STRIKER ・ZX-25R(2021) Detailed Description【詳細説明】

カーボンエンドキャップ以外の素材はチタン。サイレンサーの表面仕上げは3種類設定。重量はノーマルが8.8㎏でストライカーは3.5㎏。価格は22万円~23万1000円

画像2: STRIKER ・ZX-25R(2021) Detailed Description【詳細説明】
画像3: STRIKER ・ZX-25R(2021) Detailed Description【詳細説明】

4-2-1という形式はノーマルと同様だが、低中回転域の特性に影響を及ぼす、4-2部分と2-1部分の形状にはかなりの試行錯誤を重ねたという。

画像4: STRIKER ・ZX-25R(2021) Detailed Description【詳細説明】
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バックステップは、4もしくは6ポジション可変式になる予定。ZX-25R SEで標準装備されるクイックシフターにも対応。試乗時のバー位置はノーマルに対して30mm上/30mm後ろで、スポーツライディングではなかなかの好感触が得られた。価格は6万500円。

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ボディ側面に備わるスライダーは3種あり、ステーがシルバーのスタンダードが1万4300円、オールブラックが1万6500円、カーボンが2万7500円。

取材協力:カラーズインターナショナル

まとめ:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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