FMXの世界的大会が開催されるのは、2014年のレッドブルXファイターズ以来。モト部門では、2010年代から次第に定着してきた「ベストウィップ」がラインナップされている。マシンを真横にするウィップが進化しつづけた今、いったいどんなウィップを目の当たりにすることになるのだろうか。今XGAMESベストウィップのTV解説、そして日本のFMX黎明期を支えたライダー加賀真一に聞いてみた!

画像: 加賀真一、2014年。RedBull X-Fightersにて

加賀真一、2014年。RedBull X-Fightersにて

元々はレーシングライダーのキレが見所だったベストウィップ

稲垣:元々ウィップってレースで生まれたものですよね? 加賀さんは、現役のファクトリーライダー時代もキレのあるウィップで湧かせてたのを思い出します。いまスタイルとしてウィップをやってる人達と、なにが違うんでしょう?

加賀:モトクロスはあれですよね。早く遠くに飛ぶためのスクラブが主体なんですが、どんどんそれを見せるものとして進化を遂げたのが、いまのベストウィップですね。2008年ぐらいに、ロサンゼルスのXゲームで試験的に始まったものだと思います。

稲垣:たしか、バイクの棒高跳び的な「ステップアップ」の入れ替え的な存在だった気がしますね。

加賀:当時は、ジェームス・スチュワートとか、リッキー・カーマイケルとかレーシングライダーがXGAMESに登場してました。
レーサーの方がどうしてもウィップのスキルがあるわけでね。今は違うけど。あの頃はレーサーのトッププロが出てくるっていうところで、珍しかったっすもん。すでにバックフリップはみんなバンバンやってる時代でした。

画像: ババスクラブに、みんな憧れた。Chris Tedesco / Red Bull Content Pool

ババスクラブに、みんな憧れた。Chris Tedesco / Red Bull Content Pool

稲垣:ババスクラブ、最高でしたね。それで…今回みられる現在のベストウィップは、どんなかんじなんでしょう?

加賀:今は、ウィップ、ターンダウン、ターンナップ3つのスタイルがありますね。ウィップは、ほとんどのライダーが、キッカーから飛び出すときに座ったままでテイクオフして、頭が下でタイヤが上になる感じです。

稲垣:飛んだあとに、バイクを横軸に寝かせていくスタイルですね。

加賀:はい、どれだけ角度がつけられるかが大事ですね。ターンダウンは、進行方向と逆にバイクを向けるスタイルです。

稲垣:となると、ターンナップは逆ですか? 逆? どういうことだろ…

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