GSX-S1000GTを作り出した開発メンバーに話をうかがった。ハイパフォーマンスと快適性を両立させたスポーツツアラーを目指した、彼らの熱い想いに注目だ。
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸

【開発者インタビュー】スズキ「GSX-S1000GT」

画像: 写真左から村上智弥氏(デザイナー)、大畠雄介氏(エンジン設計)、鈴木星矢氏(エンジン実験)、利光秀康氏(車体設計)、安井信博氏(チーフエンジニア)、木幡大紀氏(電装設計)、犬木 翼氏(テストライダー)。

写真左から村上智弥氏(デザイナー)、大畠雄介氏(エンジン設計)、鈴木星矢氏(エンジン実験)、利光秀康氏(車体設計)、安井信博氏(チーフエンジニア)、木幡大紀氏(電装設計)、犬木 翼氏(テストライダー)。

スポーティで扱いやすい真のグランドツアラー

「〝GT〟は快適な長距離走行を想定したグランドツアラーを意味しています。GSX-S1000Fの進化形ではなく、基本的なツーリング性能を向上させた上でロングツーリングを楽しむライダーに向けた、真のグランドツアラーとして開発しました」

と話すのはチーフエンジニアの安井さん。そんな「真のグランドツアラー」を目指したGTには、さまざまな工夫が施されている。エンジン担当の大畠さんが語る。

「エンジンは従来型に比べ全域のトルクを向上させており、より扱いやすく、豊かなトルク特性としています。最高出力も向上させ、特に低中速域の出力特性を見直し、力強い加速フィーリングも実現させています」

画像: SUZUKI GSX-S1000GT 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:810mm 車両重量:226kg 発売日:2022年2月17日 税込価格:159万5000円

SUZUKI GSX-S1000GT

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:226kg

発売日:2022年2月17日
税込価格:159万5000円

扱いやすさの実現のために、最新の電子制御システム「S.I.R.S」も投入されている。その中のパワー特性切り替え機構の「SDMS」について鈴木さんに聞いてみた。

「1000ccクラスの出力をスロットル開度でコントロールするのは難しく、実走テストを重ねながら、SDMSの各モードのトルク特性をデザインしました」

エンジンの進化に合わせ、車体関係も磨き抜かれた。利光さんが語る。

「車体全体として、まず空力性能にこだわりました。解析や風洞実験、実走と何度も検証し、ミラーの形状、レイアウトを最適化し、ライダーの膝に当たる走行風のあたりを低減するウイングも設けました。快適な乗り心地を実現するため、グリップ部を14mm手前に近づけ、前傾姿勢も緩和しています」

こうした工夫でダイナミックな走行性能とスポーツツアラーらしい快適性を手に入れたGSX-S1000GTだが、スタイリングにも強いこだわりが貫かれている。デザイナーの村上さんに聞いてみた。

画像: 【開発者インタビュー】スズキ「GSX-S1000GT」

「デザインコンセプトは『GT Tour de Force』です。スーパースポーツ由来の軽快な車体のポテンシャルをスポイルしないよう、解析と風洞実験も繰り返しました。余分なところをそぎ落とし、最適なエアロダイナミクス形状を追求しました」

SUZUKI mySPINなど、最新インフォテインメントも導入され、装備も充実したGSX-S1000GT。安井さんは開発陣の想いをこう語ってくれた。

「GTはスズキの二輪車が目指す楽しさ、扱いやすさ、驚きを具現化したモデルです。ぜひ一度体感してください」

文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸

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