1801cc空冷フラットツインを、重厚なスタイルのボディへ搭載するBMWのR18は、ゆったりとした走りを味わえるレトロなクルーザーとして注目された。そして2021年に登場した「R18トランスコンチネンタル」は、長距離ツーリングを快適にこなせるR18のツーリングクルーザー版。また、同時に発表された「R18B」は、スクリーンをショートに変更。また、トップケースも備えず、シートもスリムなものとしてスマートな印象の「バガー」風に仕上げたモデルとなっている。
文:山口銀次郎、小松信夫/写真:柴田直行

BMW「R18トランスコンチネンタル」「R18B」インプレ(山口銀次郎)

画像: BMW R 18 TRANSCONTINENTAL 総排気量:1801cc エンジン形式:空油冷4ストローク水平対向2気筒 シート高:720mm 車両重量:440kg 税込価格:403万2000円~

BMW R 18 TRANSCONTINENTAL

総排気量:1801cc
エンジン形式:空油冷4ストローク水平対向2気筒
シート高:720mm
車両重量:440kg
税込価格:403万2000円~

画像: BMW R 18 B 総排気量:1801cc エンジン形式:空油冷4ストローク水平対向2気筒 シート高:720mm 車両重量:410kg 税込価格:341万8500円~

BMW R 18 B

総排気量:1801cc
エンジン形式:空油冷4ストローク水平対向2気筒
シート高:720mm
車両重量:410kg
税込価格:341万8500円~

フルドレスクルーザーとしてフレームから新設計!

味わい深いエンジンが、気の遠くなるようなストレートを往く長旅には必要なのかもしれない。そして、贅を極めれば快適性も高くなり、航続距離も伸びるというもの。

ツアラーとは異なるクルーザーに求められる性能は、大陸移動を常としない日本人の私たちにとってはイメージし難いかもしれない。BMWからビッグボクサーエンジン搭載のR18がデビューし、約1年後に発表されたR18BとR18トランスコンチネンタル(以後TC)を前にして、改めてクルーザーとして必要とされるパフォーマンスを垣間見た気がした。

地を這うが如く低くフラットツインエンジンを搭載し、まるでストレッチマシンの様なロー&ロングスタイルを構築している車体のR18は、強烈なインパクトを与えデビューを果たした。また、BMWならではのクラシックテイスト要素を取り入れ、他にはないオリジナリティ溢れる仕上がりとなっている。そんな圧倒的な存在のR18のバリエーションモデルとして仲間に加わったのが、フルドレス&バガースタイルの2台のモデルだ。

画像: BMW R 18 B

BMW R 18 B

ただでさえ巨体に思えていたR18を遥かに凌ぐ迫力のハイエンドクルーザー・R18TCは、フルドレス仕様で全長2650mm、車重は400kg越えという規格外のド迫力サイズとなっている。マーシャル製高性能スピーカーや大型モニター等々をマウントする大きなフェアリングを装備するため、ステムに対して後方へフロントフォークをオフセットし、これに伴いフレーム形状も刷新されている。重量物をフロントに積まない車両と比較すれば重量感は否めないものの、それでもフェアリングのボリュームから鑑みると停車時からの押し引きはしやくなっていると感じる。

ルックス的にクラシカルモデルといったイメージに囚われるかもしれないが、シンプルな外観が嘘の様に、ツーリングモデルで培った技術が惜しみなく投入されているのもの特徴といえるだろう。ライディングモードは3タイプから選べ、任意の速度設定に電子制御で自動的に速度調整を行うダイナミック・クルーズ・コントロール(DCC)や、前車との間隔を保ちつつ追従するアクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)といった豪華装備も標準で備わっている。また、巨体の後退を容易にしてくれるリバースギアや、登り坂での発進をサポートしてくれるヒル・スタート・コントロールも標準装備となっている。

画像1: BMW R 18 トランスコンチネンタル

BMW R 18 トランスコンチネンタル

さて、詳細を説明し出すとキリがなくなってしまうのだが、前記した先進の技術が数多く投入され、オペレーションが混乱してしまうかもしれないが、それぞれが無駄に主張することなく極自然なコントロールを可能にするエルゴノミクスを追求したものになっている。なので、ライダーはシンプルな操作方法を把握するだけで、意のままにハイスペックコントロールに身を委ねることができるのだ。

走行時は、独特の分厚く豊かな大トルクで車重の印象がなくなり、地を這い滑るような心地良さの中、巨大な水平対向ピストンと縦置き(進行方向へ)クランクが生むジャイロ効果を感じるひと時が、最も贅沢な時間なのではないだろうか? と、悦に入ってしまうというもの。

画像2: BMW R 18 トランスコンチネンタル

BMW R 18 トランスコンチネンタル

悦に入るもうひとつの要因は、落ち着き払った車体で特に足回りに感心してしまった。前後のショックプリセットはソフトな設定で、乗車するだけである程度沈み込むことで、路面の影響で突き上げがあった場合も何事もなかったかのように収束させてしまう。上質ないなしぶりに二人乗りではどうなのかとテスト走行してみると、これまたしっとり落ち着いたクッション性能をみせてくれた。

むしろ、二人乗りの方がジンワリと路面に張り付いている感じがして、上質さの本領発揮といった具合に気持ち良さが倍増していると言っても過言ではないだろう。正直、一人で乗るにはもったいない! そして、これなら距離を気にすることなく巡航できること間違いなし! と、確信を得た気がした。

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