まもなく、ダカールラリーのステージ11がスタート。ビシャからビシャに帰るループステージで、ルート/SS比は501 km/346 km。明日の最終ステージ12は680 km/164 kmで大きく勝敗を左右しないため、最重要ステージは11ということになるだろう。いや、11で各ライダーの差がさらに詰まれば、もはや最終ステージで死に物狂いで優勝を狙いに行くライダー達が見れるのかもしれない。現時点での戦局を整理しておきたい。

画像: ダカールラリー、残り2ステージに来て超混戦。超絶に面白いカオスな終盤

トップ5がアツイ! 

画像1: トップ5がアツイ!

のっけからネタばらしだ。
現時点でのトップは、ヤマハのエイドリアン・ヴァンビバレン。そして、ホンダのパブロ・キンタニラ、ガスガスのサム・サンダーランド、KTMのマティアス・ウォークナー、ホンダのホアン・バレダが続く。この5名まではトップから10分圏内の差で、6位トビー・プライスは27分の差。想定されるのは、残り2ステージであることを考えると、現実的に5位までの集団である。

で、だ。

画像2: トップ5がアツイ!

こちらがステージ10のランキング。これが何を意味するかというと、ステージ11のスタート順である。ダカールラリー、特にサウジアラビアラウンドの場合、デューンのなにもない中をナビゲーションしなくてはならず、先頭のライダーは轍を追うことすら許されない。逆に後続は、集団の轍を追うことが出来るわけだ。先頭から距離が離れているほど、スピードのあるライダーにとっては全力でスパートをかけられるわけで、ダカールラリーのステージ順が日によって入れ替わるのは、ここに理由がある。

画像3: トップ5がアツイ!

ステージ11はプライスがもっとも不利な先陣を切るのだが、チームメイトであるウォークナー(ステージ11は26位で26番目のスタート)にとって福音となる。プライスが切り拓いた道を、大きく開いたリードをつめていくことになるからだ。また、何か問題がある場合に、優勝の可能性が薄いトビーが前を走っていることで、ウォークナーは協調をとることができる。ダカールラリーのチーム戦的側面がここに強く表れてくる。

画像4: トップ5がアツイ!

2名のチームであり、ダニエル・サンダースが戦列をはなれてしまったガスガスにとって、つまりサム・サンダーランドは孤立無援で2位からトップを狙うことになる。サンダーランドも、ステージ10は17位で、追い上げの効くいいポジション。KTM傘下であることから、どうウォークナーやプライスと協調をとるのか、見もの。

画像5: トップ5がアツイ!

ヤマハのヴァンビバレンは、ステージ10を3位で終えているので、このステージ11はタイムを狙いづらい。ただし、総合7位ステージ10が6位のアンドリュー・ショートがすぐ側にいることで、チーム戦としては有利な位置だ。

画像6: トップ5がアツイ!

ここにきてもっとも鉄板と思われるのがホンダである。総合2位、ステージ10で14位のキンタニラは、追い上げも効くし、スピードでは群を抜くバレダ(ステージ10で9位)と共闘ができるし、バレダ自身もまだ8分差で優勝の目がある。さらには、ステージ10で15位のリッキー・ブラベックがサポートにまわれる位置におり、ホセ・イグナシオ・コルネオはステージ10で24位と後方支援。キンタニラとバレダの2名が優勝に近いポジションにいることで牽制も効くと言えるだろう。

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