先進技術をこれでもかと搭載しフルモデルチェンジが行われたヤマハ・NMAX125を、片道30kmの通勤路のみに使用し、その新時代を予感させる乗り心地に触れたいと思う。
文:山口銀次郎/写真:柴田直行

ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ(山口銀次郎)

画像: YAMAHA NMAX ABS 総排気量:124cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 シート高:765mm 車両重量:131kg 2021年モデルの発売日:2021年6月28日(月) 税込価格:36万8500円

YAMAHA NMAX ABS

総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
シート高:765mm
車両重量:131kg

2021年モデルの発売日:2021年6月28日(月)
税込価格:36万8500円

スマートフォンとペアリングし様々な情報のやりとりを可能にする「Yamaha Motorcycle Connect」通称Yコネクトを初採用した記念すべきモデルが、この新型NMAX125だ。

スマホ中心の生活を送る現代人にとっては、手放すことのできないスマホとバイクが連携してしまうという夢をイチ早く叶え、実現してしまったというワケだ。

画像: アプリ Y-Connect Yamaha Motorcycle Connect ヤマハ発動機 www.youtube.com

アプリ Y-Connect Yamaha Motorcycle Connect ヤマハ発動機

www.youtube.com

自身のスマホとペアリングしていると、メーター上に着信やSNS通知、充電状態が表示される。スマホ側では、燃費管理やメンテナンスサイクル通知、最終駐車位置記録、エンジン回転数や走行距離等に加え、Yコネクトを使用のユーザー間での「ECO運転」のランキングまで表示可能となっている。このスマホとのペアリングによって、バイクとの絆は深くなることは間違いないだろう。

Yコネクトについての詳細は書き出したらキリがないほどなので、ヤマハのホームページにてチェックいただきたいと思う。

画像1: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ(山口銀次郎)

125ccのスクーターに求められる性能として、「コンパクトボディ」「軽やかでキビキビとしたステップワーク」「パンチ力のあるチカラ」「低燃費性能」等々が挙げられ、それぞれをバランスさせると自然と通勤快速モデルとなり、通勤の相棒として多くのファンに支持され近年驚異的な盛り上がりをみせている。

また、各メーカーもその欲求に応えるべく、個性的かつ魅力的に進化し続けている。そして、様々なアプローチで精力的に数種の125ccスクーターをラインアップするヤマハから、これからの時代を担うモデルとして仲間に加わった『最新の応え』がNMAX125というワケなのだ。

画像2: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ(山口銀次郎)

乗ってみて「割り切っている」というのが、最大であり最強の印象だった。というのも、TMAXを祖とするMAXスクーターシリーズのハイクラスでラグジュアリーなキャラクターが濃厚に引き継がれ活きているのだ。

先にも記したような125ccスクーターに求める性能とは懸け離れた、上質な乗り心地に圧倒されてしまった。

着座した際の、フットボードに置く足のゆったり感がまず同クラスとは異なり、窮屈さとは無縁のノビノビさを実現している。この点は車体のサイズアップ化による恩恵かと思いきや、実は前モデルと比べ全長やホイールベースは短縮されているのだ! 完全に乗車姿勢をとった際のイメージとカイ離していた事実に驚いてしまった。

画像3: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ(山口銀次郎)

125ccスクータークラスのコンパクトなボディに、構造上スペース的に動作限界と思っていた足回りの許容範囲は大体把握していたつもりだが、明らかにショック吸収性が高性能化されているのが解る。そう、クラスを超えたというコメントがバッチリ当てはまる仕上がりをみせている。

乗車するとショックアブソーバーが縮むが、走行状況によってはその縮んだ分が伸び上がるカタチになり、その伸び切る際の頭打ち感は元より硬質感もなく、とにかくソフトに優しくショックを吸収してくれる。もちろん急激な突き上げといった衝撃による反発もスッと収束させてしまう。大小のバンプやロードノイズすら吸収する優れた衝撃吸収性能は、リアセクションの特性による効能が大きく感じるが、リアショックの懸架タイプは直付2本ショックといったシンプルなものとなっている。

これは、ショック単体で良き働きをしているということなのか? とにかく、ワンランク上のグレードといった具合で、通勤路の30km程度の走行ではひたすら快適で、高速道路での走行が出来ないのがもどかしいほど長距離クルージングもものともしない懐の深さがある。

画像1: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ|最先端125ccスクーターは『クラスを超えた』という言葉がふさわしい!(2022年)
画像2: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ|最先端125ccスクーターは『クラスを超えた』という言葉がふさわしい!(2022年)

ブレーキシステムも強力でコントロール性豊かとなっている。多少意地悪な操作をしようともドッシリ踏ん張る足回りが、優秀な制動と安定した落ち着きをサポートしてくれる。ガッツリ効くだけのブレーキシステムではまともなライディングは出来ないが、トータルバランスの良さが生むハイレベルな快適性は、同クラスにはない別格感溢れまくりである。

画像4: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ(山口銀次郎)

エンジンも先鋭な技術が光る。エンジン回転数に応じてローカム⇔ハイカムに切り替わるVVA(可変バルブシステム)を採用することで、限られた排気量を最大限に活かした効率の良い出力特性を演出しているのだ。

また、環境性能と実用性を兼ね備える『ブルーコア』シリーズエンジンの思想を引き継ぎ昇華したカタチとなっている。どことなく、ギンギンにブン回ってナンボなスクーターの雰囲気とは異なる、落ち着いたエンジン回転数でトルクフルに押し進める感じで、したたか静粛性に富み、とても優雅な雰囲気を醸し出している。実際には、エンジンが高回転域まで回っているにも関わらず、なのにだ。

停車時にはエンジンが停止するアイドルストップ機能(ON&OFF切り替え可能)は、走行時ですら静粛性に富んだエンジンなので、何気に気が付かなかったりすること度々……。さらに、再スタート時の静かなエンジン始動はテンポの悪さを微塵も感じさせず、スムーズなスタートを切ることができる。

稼働する雰囲気をオクビにも出さない、安心の機能としてトラクションコントロールも搭載しているのも最先端モデルらしいといえる。知らず知らずのうちに乗り手をフォローしてくれる電子機能は、普段の、毎日の通勤の相棒にこそ欲しい機能なので、諸手を挙げて歓迎してしまった。

画像5: ヤマハ新型「NMAX」通勤インプレ(山口銀次郎)

正月ボケが治らないままで初出社の通勤路を往くと、厳冬期の厳しい洗礼に合ってしまいがちだが、新NMAX125ならドンと来いである。前後単独のABSもバッチリ装備で、抜かりなし!

MAXスクーターシリーズならではと言っても過言ではない、ニューモデルを発表するたびに期待を大きく上回る進化として、次世代の快適性は完全にクラスを超えた存在となっている。

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