日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回は、バイク通には少し有名なホンダの110ccAT車「ナビ」をピックアップ。北米市場に2022年モデルとして導入が決定、南米ではすでに人気車としてバリエーションモデルも登場していた!
文:小松信夫

北米向け2022年モデルも登場、南北アメリカ大陸を制覇!?

画像: Honda NAVI アメリカ仕様・2022年モデル 総排気量:109.2cc エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒 シート高:764mm 車両重量:107kg

Honda NAVI
アメリカ仕様・2022年モデル

総排気量:109.2cc
エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒
シート高:764mm
車両重量:107kg

ホンダのちょっと変わったスクーターとして、知る人ぞ知る存在であるナビ。インドで生産されているコンパクトなスクーターなんですが…ご覧のように、足をフロアボードに下ろして「座る」スクータースタイルではなく、シートに「跨る」スポーツバイクのようなライディングポジションが特徴。

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で、そのニーグリップをするためのタンク部とか、ヘッドライト周りとかに、初代グロム風のデザインを採用している。そのことでも分かるように、軽量コンパクトでお手軽に楽しめる、グロムの弟分的なオートマチック・ファンバイクという位置付け。この構造だとタンクの下、本来ならフロアボードである部分がデッドスペースになるのを、荷物の収納に使えるストレージボックスにしてます。

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ちょっと世代の古い空冷109.2cc単気筒エンジンでパワーもそれなり、ブレーキも前後ドラムだけど、その分価格も抑えられてる。かつてのスズキ・ストリートマジックも似たようなロードスポーツ風スクーターだったけど、ナビはコンセプトもスタイルも価格も、もう少し親しみやすい雰囲気。

ところでナビは、2022年モデルで新たにアメリカやカナダでも発売開始(日本ではたまに並行輸入車を見かけるくらい)。というかインドとその周辺諸国以上に、なぜだか知らないけど中南米でえらく人気なんですよ、そもそもが。そしてついにアメリカ上陸で南北アメリカ大陸を制覇! ということらしい。でね、ナビを売ってる中南米諸国の中でも、一部の国ではスタンダードモデルに加えて、新たな要素をちょい足ししたバリエーションモデルまで用意されてるのも興味深いところで。

画像3: 北米向け2022年モデルも登場、南北アメリカ大陸を制覇!?

その代表が、コロンビアやチリなどで販売されてるナビ・アドベンチャー! ヘッドライトガード、ハンドガード、エンジンガード、アンダーガード、ミニスクリーン、リアキャリアを装着。専用のグラフィック入りカラーやツートーンシートも組み合わせて、ナビの小さなボディを頑張ってアドベンチャー風に仕上げてます。これが結構凝ってて、完成度高いんだよね。

画像4: 北米向け2022年モデルも登場、南北アメリカ大陸を制覇!?

同じような仕様のモデルはメキシコでも販売されてるみたいで、こちらはスタンダードのソリッドカラーがベースだったり。

画像5: 北米向け2022年モデルも登場、南北アメリカ大陸を制覇!?

そうかと思えば、こういうポップなグラフィックもあったりして。さらに、装備的には似たような感じなんだけど、スクリーンがもっとショートになってるナビ・トラベルとか、他にも何だかいろいろあるみたい。各国の現地法人のホームページを見てても説明不足で、正直その全貌がよく分かりませんな。

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そもそも、ナビはスタンダードモデルのカラーバリエーションからして豊富なのが、いろんな意味でゆるい、独特なキャラクターに合ってるのですよ。仕向地とか年式によってもラインナップは違うんだろうけど、まあ、なんとも目に鮮やかな色をチョイスすること。

画像: グラスホッパーグリーン

グラスホッパーグリーン

画像: レッド

レッド

画像: レンジャーグリーン

レンジャーグリーン

画像: ナットブラウン

ナットブラウン

最新のアメリカ向けモデルでもこの通り、グラスホッパーグリーン、レッド、レンジャーグリーン、ナットブラウンの4色が揃うんだから。

画像7: 北米向け2022年モデルも登場、南北アメリカ大陸を制覇!?

スペックやメカニズムが特に凄いわけではないナビ。しかし、グロム風のユニークなスタイルとスクーター的な扱いやすさ、優れた実用性や経済性を兼ね備えていることと、そしてなにより全体を貫く遊び心にあふれたコンセプトが、根強く支持されるポイントなんでしょうかねぇ。

それでも、異常なほど中南米で支持されてる理由はよく分からんです。ラテン気質に合うのかね、コレ? 価格の問題っていうのはあるとは思うけど…アメリカで1807ドルだから約20万円、これは確かに今時安いもんね。

文:小松信夫

画像: アメリカの動画|2022 Honda Navi: Inside Look www.youtube.com

アメリカの動画|2022 Honda Navi: Inside Look

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画像: チリの動画|HONDA NAVI www.youtube.com

チリの動画|HONDA NAVI

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画像: コロンビアの動画|HONDA NAVI www.youtube.com

コロンビアの動画|HONDA NAVI

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ホンダ「ナビ」(アメリカ仕様)の主なスペック

全長×全幅×全高1806×739×1044mm
ホイールベース1285mm
シート高764mm
車両重量107kg
エンジン形式空冷4ストOHC2バルブ単気筒
総排気量109.2cc
ボア×ストローク55×55.6mm
圧縮比9.5
燃料タンク容量3.4L
変速機形式CVT
キャスター角27.5°
トレール82mm
タイヤサイズ(前・後)90/90-12・90/100-10
ブレーキ形式(前・後)ドラム・ドラム
※インチ・ガロンなどの単位を編集部により換算済

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