ストックから車体に手を入れさらにエンジンへ

油冷エンジンのぐっと前に出る特性や、水冷のような補機類を必要としないパッケージは、手を入れようと思った時にも負担が少ない。このGSF1200S(GSF1200のハーフカウル追加バージョン)はJD-STERドラッグレースに参戦する小原雅昭さんの車両で、そんな特性を生かしているのだろうかと、詳細をその製作者、ガレージdbの代表・前田憲明さんに聞いてみると……。

画像1: ストックから車体に手を入れさらにエンジンへ

「実はエンジンはノーマルなんですよ。GSF1200Sを街乗りで使っていた小原さんがドラッグレースに出たいとおっしゃって、最初はストックのままJD-STERに出場したんです。その後、もっとタイムが出せるようにと、これまで足まわり中心にチューニングを進めてきました。ここに来て小原さんが勝ちを意識し始めましたから、いよいよエンジンに手をつけようという感じです」と、現時点ではエンジンはノーマルだった。それでも勝ちを意識するところまで行けるのだから、油冷のポテンシャルにはなるほどと思える。そこも踏まえて油冷車でのドラッグ参戦についてはどうなのか。

「油冷エンジンは何よりトルクが厚くて、難しいところのない特性です。ですからノーマルのままでも十分ドラッグレースを楽しめますし、社外パーツも潤沢。GSFならば中古車も安く入手できますから、いいタマが見つかればそこで余った予算をパーツに回せる。これからドラッグレースを楽しみたい向きにもお勧めですね」と、前田さん。

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実は前田さん自身も’20年までは自身のGSF1200Sを持ち込みJD-STERを楽しんで(2004年の初回にも参戦している)、’20年はオープントーナメントとストリートETの2クラスでシリーズランキング2位を得ている。一方で’21年5月に開かれたTOT SATSUKI STAGEにも、そのGSFでF-ZEROクラスに出場して2位表彰台を得た実力の持ち主だ。だからその言葉にも説得力がある。小原さんのGSFもその勘所を生かしながら、さらに手が入っていくのは間違いないところだ。

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メーターまわり基本的にノーマルで、ハンドルクランプ部にヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加し、左右マスターシリンダーをリザーバー別体式としている。スロットルをアクティブ製に変更すると同時に右側スイッチボックスも薄型に変更してある。

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燃料タンクはアルミ製インナータンク+FRPタンクカバー(ともにSDアルティス製)に変更し、メンテナンス性向上と軽量化を図った。

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ダブルタイプのシートやテールカウル、シートオープナーなどはGSF1200Sノーマルそのまま。電装はウオタニユニットに換装済みだ。

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撮影時点ではノーマルの1156ccエンジン。「軽く手を入れてやるだけでも[純正値:97→]150ps程度までは引き上げられますよ」と前田さんは言う。

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キャブレターはFCRφ39mmで、対となるマフラーはフルチタンのプロドラッグが装着されている。フレームまわりはGSFノーマルだ。

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フロントフォークはGSFノーマルのφ43mmだが、ボトムケース後ろに見えるフロントエンドロワリングキットによってフロントフォークを縮めて、リヤとともにローダウン化してフロントアップを抑える。ブレーキキャリパーはニッシン、ディスクはサンスターをチョイスした。

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スイングアームはTRAC製8インチロングで、ロー&ロングスタイルを形作る。ステップはWR's、タイヤはリヤのみシンコーを履いている。

取材協力:Garage db

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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