オフロードレーサーの話題に詳しい人間であれば、おそらく2022モデル最大のホットトピックスはYZ125のフルモデルチェンジだと答えるはず。国内4メーカーが、2ストロークの開発を次々にやめていくなか、ヤマハは実に17年ぶりのフルモデルチェンジに踏み切ったのだ。その進化度合いは、まさに異次元と表現したい。なにせ、このモデルからスロットルポジションセンサーが入り、マッピングも2次元から3次元になったのだ。

昔の2ストは、伸びるエンジンほど低中速が使えなかった…

画像: 昔の2ストは、伸びるエンジンほど低中速が使えなかった…

試乗をお願いした辻健二郎は、IAで活躍していた頃も2ストロークの全盛期。しみついて忘れない2ストロークのフィーリングを素地に、新YZの感触を語ってくれた。「すさまじくスムーズで、旧型とはまるで違うエンジンです。当時のファクトリーバイクに似た感触と言ってもいいかもしれません。非常に上質ですね。1回ずつの爆発がしっかり感じ取れるというか、旧型の爆発のまばらさが目立ちます。

昔の2ストロークは、低中速があるエンジンの場合は、頭打ちがあるのが普通でした。ですが、新しいYZは頭打ちする感じもしなくて、あれ…なんだこいつ…と思ってしまいまいました。あれ、ここから伸びるのかって。気持ちよく伸びていくんですよね。モモモ…って不安定になるようなことがなく、常に思ったようにまわってくれるエンジンなので、ジャンプの飛び出しとかでもちゃんと開けきっていけます。僕等の時代は、そういう症状がでたときに少し戻してあわせてやったりしてたんですが、そんな必要はないです。開けて飛べば、普通に飛べてしまう。

それと、路面をさぐりやすいエンジンだなと感じました。前のエンジンだと、探りながら走っているとマシンが起きてしまったり空回りしたりしましたが、そういうことがあまりないのです。神経質な部分がないというか。特に細かく操作しなければならないような場面では、新型のアドバンテージが圧倒的でした。ただ、最後の回しきったところの力は、旧型の方が高速寄りにセッティングされているのか、出ている感じがありました。新型が抑えめ、というほどには感じなかったのですが、旧型にもいいところはあるんだな、と感じました」

モトクロッサーの場合、通例4年サイクルでフルモデルチェンジされるのだが、今回は17年ぶり。その進化度合いは、相当に別ものだと言えるものだった。

This article is a sponsored article by
''.